指圧Campの思想
【SHIATSU TALKS #1 】
質問です。
みなさん、指圧って知ってます?
整体じゃないですよ。マッサージじゃないですよ。
「指圧」ね。
20歳からこの業界に身を置いて、かれこれ14年。若い頃からこんなことを言われてきた。
「足達のやってる整体って保険きくの?」
「こいつ、俺の友達の整体師」
いや…僕の友達はなんにも悪くない。
悪いのは、業界を認知させていない僕だ。
僕が指圧Campを始めたきっかけは、友達との何でもない会話から。
今後、このnoteでは、僕たちが指圧Campの運営をしながら感じていることを業界の話も交えて、presidentがちょっと偉そうにお話する。
遊び半分で始めたイベント出店
指圧Campは、かれこれ発足して5年が経とうとしている。
ご存知の方もいるかと思うが、最初はイベント出店からスタートした。
"若者に指圧を広めたい"
"ダサい指圧のイメージを変えたい"
そんな思いから半分遊びで始めた出店活動も早5年。
今でこそ少し形になってきているが、最初は考えるより先に行動だろ!と、若者がウロウロしてそうな野外イベントやフェスを中心に手当たり次第に出店…出店…出店…。
なんたって最初は右も左もわからない。
同じことをしてる指圧師なんていないわけで。
需要がどこにあるのかも不明。
「イベントってどうやって出るの?」
「出店料ってかかるの?」
「指圧ってやっていいの?」
前例が無いから、いわば0を1にする作業の連続。
今考えると、「なんであのイベント出たんだ?」ってのもチラホラ。
でも、無駄なことなんて1つもなかった(と思ってる)し、過去があって今がある。継続は力なりだ。
ただ、ひとつ言えることは、同じことを試行錯誤しながら5年間続けてきたことは、間違いなく僕らの財産だってこと。
現在の活動
現在、イベント出店は継続しながら、健康保険を使用した訪問マッサージ業務を開始。
実店舗(2店舗)のオープン。
1つの目標だった大型野外フェスにも出店。
今年から学校講師などもやらせていただいている。
何事も最初の一歩を踏み出すか出さないかで大きく人生は変わるんだと強く実感してるわけで。
僕の場合、イベント出店を始めなければ確実に今は無いし、イベント出店で知り合った他業種の人達との縁もまた僕たちの財産だと思ってる。
とにかく、状況や立場が少し変わった今でも
僕らのミッションは"指圧を若い世代に広める"ことに変わりはない。
今の指圧師はリアルを知らない
僕らにはそれなりにちゃんとした資格があり、それも国家資格である。
名前は「あん摩マッサージ指圧師」という。
この資格を取るためには3年間専門学校に行って、解剖学や生理学をはじめとした基礎医学と実技の勉強をする。
かかる費用も結構なもんだ。
じゃあ3年間専門学校に通ったら立派な治療ができるようになるのか?
答えはNOである。
学校というものは、リスクマネジメントの基礎を教えるところ。つまり、人を治す技術を教えるところというより、人を壊さないための最低限の知識を勉強するところと僕は解釈している。
「人を壊さない最低限の知識」の保証、それが国家資格なのだと思う。
ただ、学校は上記の知識以外に生徒に対して夢を売らなければいけないのも事実。
「指圧師は世の中に貢献できる仕事なんですよ!」
「指圧は最高に素晴らしい手技ですよ!」
てことを教えないと生徒はモチベーションが保てない。(注:指圧が素晴らしい仕事で世の中に貢献できるというのは、1つも間違いじゃない)
だから、世の中の学校というものは、性質上、現場のリアルを教えてくれない(教えることが困難な)ところだと思う。
だから卒業して、現場に出てから
「俺が私がやりたかったことはこんなんじゃない!!」
って辞めていく。
もう一度言う。
学校はリアルを教えてくれない。
大半の学生はリアルを知らずに卒業して、現場に出る。
国家試験の合格通知が来たら、
よし!今日から俺は指圧師としてガンガン施術するぞ!なんて思うのかもしれない。(やる気があるのはいいことだけど…)
もしかしたら、卒業しただけで一人前の治療家になった気でいるような、重症の方もいるかもしれない。
ここで、大事なことを言う。
治療の腕は数であり、何人を何通り施術したかで決まってくる。
運良くちょっと治療しただけで、改善する方も確かにいる。
でも、何をやっても治らない方もいる。
自分が小さくまとまらないためにも、お客様をいっぱい施術しないと成長していかない。
じゃあどうすればいいか?
ある人は大手のチェーン店などで働くことでお客様と関わることを選択する。
ある人は独立して、友達や家族なんかを使い、自分を宣伝していく。
僕らは、当時、治療院で雇われて働くことに加えて、イベント出店をすることで多くの方と関わることを選択した。
イベント出店は施術の経験になると同時に不特定多数の方に宣伝ができる。まさに一石二鳥なのである。
失敗もいっぱいしたし、今でもする。結構する。
でも、失敗したら、なんでダメなのか考える。
んで、成長する。
もう一度言う
治療の効果は施術した人数と比例する。
神の手なんていない。
万能な治療法などもあるわけがない。
経験とセンスだ。
とにかく、あなたの前に、あなたの指圧を受けたい人の列が出来ているのなら別だけど、そんなことはまずない。
お客様を探すこと。それが一番大変。
まずは、謙虚な姿勢になることが指圧師としてのスタートラインだ。
イベント出店の結論
悲しいことに、指圧を受けてくれるお客様は年々減っている。(何故かは別の回でお話する)
というか、
世の中の人は指圧なんてほぼ知らない。
まず、この現実から受けとめてほしい。
そう。これが僕らが5年間でわかったこと。
なんとなくはわかってた。
でも、理屈じゃない。
肌で感じたことだ。
僕らは5年間、代々木公園、キャンプ場、フェス会場、動物園…いろいろな場所で、いわゆる"普通の人"に指圧をしてきた。
だから、リアルな言葉を痛いほど聞いてきた。
一般の人は、僕たちの業界のことを知らないだけじゃなくて、胡散臭く思っている人も多い。
「なんでお客さんが来ないんだろう?不景気だなー。」
なんて思ってる指圧師がいたら言いたい。
お客さんが来ないのは、あなたを、指圧を知らないからです。
すぐ、「業界が〜」とか「景気が〜」などを口にする人もチラホラ見かけるけど、今大事なのは一人一人が動くこと。それも、SNSやWEB媒体なんかに頼らず、アナログに、今こそ草の根活動が必要なのだと思う。
だから僕らはこれからも出店し続ける。
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