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アフリカでビジネスをする上で最も重要なことが分かった気がする

年内に会社員を退職し、アフリカに移住する予定です。

移住を予定している国はアフリカ大陸の南東に位置する島国マダガスカル🇲🇬。

マダガスカルに進出している日本企業はほとんどないため、雇われるという選択肢はなく、アフリカに移住することイコール独立してお金を稼ぐことになります。

東南アジアの和僑から学ぶ

人生初の海外移住であり、アフリカで独立して生きていけるのか気がかりです。

最近はその不安の和らげるために、途上国でビジネスをしている日本人についての情報収集に励んでいます。

ネットで色々読みましたが、その中でもJETRO(ジェトロ)に掲載されているベトナムでクッキングスタジオを運営している方の意見が大変参考になりました。

途上国での新規事業の失敗要因

失敗する要因としてよくあるのは、最初にお金を使いすぎることと、しつこさが足りないことだ。初期投資を最小限にしてリスクヘッジし、頭を使って顧客の需要にあったものを提供できるよう何度もトライすることだ。
日本から持ち込んだ商品が売れることはほぼない。現地向けに開発した商品が最初からヒットすることもまずない。これらは、経験から言える。

出典:市場開拓の鍵、顧客の声と電光石火の試行錯誤(ベトナム)
日系スタートアップの挑戦 / STAR KITCHEN(後編)

頭をガッツンと叩かれた気分です。

以前の記事でも書いたように私は「和食を現地の消費者向けに提供すること」を第一希望としていました。

なんならラーメンに絞っていて、日本での修行先まで探していました。

そして、修行先と同じラーメンをそのままマダガスカルに持っていき、会社員で働いた貯金数百万円を使って開業し、一気呵成に短期間で成功するつもりでした。

和食に絞った根拠は、マダガスカルに旅行で10日間滞在したときに和食が受け入れられそうだと直感的に思ったから。

それだけです。

思い込みを捨て、既存のパターンを分析

このまま「和食はアフリカに受け入れられる」という思い込みだけで突き進んでも失敗する確率が高い。

ここは一度立ち止まって冷静になったほうが良さそうです。

その第一歩として、まずは既存のパターンを分析してみることにしました。

※この記事では特に個人事業やスモールビジネスに絞って分析しています。

アフリカビジネスを2軸で6つに分類。

ビジネスでお金を稼ぐとは誰かの財布からお金を貰うことですよね。

アフリカビジネスにおいて、その財布は「日本 or アフリカ」「個人 or 企業 or 行政」の2軸で分けることで6種類に分類できます。

日本の個人の財布を狙う

こちらは日本の個人の消費者の財布からお金を貰うパターンです。

日本経済は以前に比べて衰退しているとはいえ、GDPは世界4位と大きく、ここを狙うのは自然な選択でしょう。

このパターンには物販や教育などのビジネスがあります。

物販だと、アフリカで作られたカバンや服などのファッションアイテムやコーヒーやチョコなどの加工品を売っている事例は既にたくさん見受けられますね。

マダガスカルでやっている方もいます。
→バニラを使ったスイーツの販売をしているCo•En Corporation

英語やフランス語を学びたい日本人向けにオンラインで語学レッスンを提供することなんかもいけそうです。

また、国内に在住している人ではなく、アフリカを訪れる日本人を対象にして、日本人宿やツアーアテンダントをやるのもありかもしれません。

メリットとデメリット

メリットは日本の市場のことをよく分かっているため、マーケティングがしやすいことでしょうか。

学歴も職歴もパッとしない自分でも、マーケティングと営業を頑張ればなんとかなりそうな気がします。

ただし、マーケットの競争が激しいところが難点。

物販系ブランドの多くは「アフリカの恵まれない境遇の人が作っている」「商品を購入することで支援につながる」というストーリーがウリです。

クラウドファンディングを使って、起業家がこのようなストーリーを語って初期費用を募っているのをよく見かけますね。

同様のストーリーを持つブランドは無数に存在あるため、開業することはできても、日本の消費者に受け入れられて利益を上げて続けることは簡単でないでしょう。

開始するのは簡単でも継続することが難しいのがこのパターンの特徴かもしれません。

日本の企業の財布を狙う

これは日本の企業の財布を狙うパターン。

専門商社やコンサルティングなどが当てはまります。

マダガスカルの場合だとバニラが特産品として有名で、これを日本の食品会社やパティシエに販売している商社が存在しています。
ミコヤ香商

コンサルティングは日本企業の途上国への進出を支援することで見返りとしてコンサルティング費用をもらいます。

アフリカビジネスパートナーズやAXCEL AFRICAが有名でしょうか。

これからアフリカのマーケットが大きく伸びていけば、仕事が増えていく可能性がありますね。

そして、これらの日本の企業に相手にするビジネスの良いところはレッドオーシャンになりにくいこと。

私はいまSIerという企業向けにシステムを開発する形態の会社で働いているのですが、企業向けのビジネスは一度信頼関係を築ければ、継続して仕事をもらえる傾向が見てとれます。

しかし、関係性がない一見さんが仕事をもらうことは大変難しい。

このパターンを狙うには営業力を高めたり、日本で前もってコンサルや商社で働き、人脈を築いておく必要があるでしょうね。

自分には難しそうです。

日本の行政の財布を狙う

こちらは国やJICA(ジャイカ)などが公募している補助金や助成金を利用するパターンです。

継続的に利用するというよりもビジネスを開始するときに利用するイメージです。

日本の経済規模が小さくなってきているため、国は企業が海外に進出して外貨を稼いでくるのを支援してくれることがあります。

例1:JICAによる海外投融資
例2:JETRO(ジェトロ)の補助金

募集している数が少なかったり、書類の準備が大変だったりといったデメリットもありますが、返金不要のお金をもらえることは魅力的です。

公募されたときに応募できるように情報収集はしておきたいですね。

アフリカの個人の財布を狙う

こちらはアフリカの個人の消費者向けにサービスを提供するパターンで、アフリカでのビジネスと聞いて多くの人がイメージするもの。

どんなことでもできますが、現地のお店や企業との競争を避けるために、日本人であることのメリットが活かす事例が多いですね。

ラーメンや寿司などの和食を提案するレストランを経営したり、日本車を輸出して現地の人に売ったりするビジネスなどなど。

日本のサービスのクオリティは世界的に見ても高いので、そのまま現地に持っていけば受け入れられる可能性があります。

メリットとデメリット

ビジネスを提供する側のメリットは何よりも楽しめること。

現地の人に直接サービスして対価としてお金を貰います。

想像しただけでワクワクします。

一方、デメリットはアフリカの法律や商習慣を学ぶ敷居の高さでしょうか。

アフリカに住んだことがない日本人が徒手空拳でチャレンジしても成功するイメージが湧きません。

その場合は始める前に半年間ほどは現地に滞在して、じっくり調査する必要あるでしょうね。

アフリカの企業の財布を狙う

このパターンはアフリカの現地の企業や個人事業主の財布を狙うBtoBビジネスです。

このパターンもどんなビジネスでもできそうですが、スタートアップ型で出資を受けてビジネスを展開している事例が目立ちます。

中古車ファイナンスのHAKKIや電力サービスのWASSHA、営業管理のSENRIなどが有名です。

また、現地企業に出資してキャピタルゲインを狙うベンチャーキャピタルもこのパターンでしょうか。

ケニアとナイジェリアに拠点を置くKepple Africa Venturesが知られています。

メリットとデメリット

ここを狙うメリットは市場規模が大きいこと。

一般的に消費者向けと比較して企業向けの市場規模は100倍近いです。

しかし、日本人がチャレンジする場合の難易度が格段に高いことがデメリットです。

日本で企業向けにビジネスをする場合でも営業力や人脈が必要ですが、同じことを途上国で日本人がやらなければいけません。

また、アフリカにはヨーロッパやアメリカの大学への留学後に帰国した、若くて優秀な起業家が多くいます。

その人たちもこのパターンでチャレンジしているためマーケットの競争も激しい。

成功するには投資を受ける人間性や優秀な仲間を集める巻込み力などが必須になるため、自分などはこのパターンではチャレンジしないほうが良いのは明らかです。

アフリカの行政の財布を狙う

これはアフリカの国や自治体の財布を狙うパターン。

現地の国が公募している開発案件に関わったり、補助金や助成金に応募したりするイメージです。

このパターンの情報は持っていないため、これ以上の言及は避けますが、そもそも日本から開発援助を受けているアフリカの国が日本人を支援するとは考えにくく、採用される難易度が高いのは間違いありません。

まとめ

アフリカのビジネスを分類してみて分かったこと
・選択肢はたくさんある
・どれを選んだとしても簡単に稼ぐこと難しそう

分類してみることで、アフリカビジネスの選択肢は思った以上にたくさんあるということにも気づくことができました。

現地に移住してビジネスをすることだけが全てではありません。

日本に拠点を置き、不定期でアフリカに渡航して、国内向けにビジネスをすることだってできそうです。

自分のように40歳を超えていて、両親の介護も他人事ではない状況だと寧ろこっちのほうが適しているかもしれません。

もう一つの気づきは、アフリカでのビジネスはどれを選んだとしても簡単に稼ぐことは難しいということ。

流行りの生成AIやDX関連とは違い、どのパターンもお金の匂いはせず、短期で一気に稼げるイメージは湧きません。

そのため、確実に需要があることが分かるまでは、色々と試し、細く長く継続することが大切な気がします。

大した調査もせずに思い込みで1つに決めても、2〜3年チャレンジして結局失敗して資金を食い潰して、日本に帰国することになってしまうでしょうね。

自分の場合だとやれそうなのはアフリカの個人向けのビジネスか日本の個人向けのビジネスのどちらかしかないので、このパターン内で色々と試してみたいと思っています。

まとめると、アフリカでのビジネスする上で1番重要なことはチャレンジを継続すること、言い換えるとチャレンジを継続できるように資金をショートさせないことと言えるでしょうか。

「お金」が尽きると「夢」は尽きる。これが真実だ。

私の夢はアフリカでのビジネスを30年後の70代まで続けること。

打ち上げ花火を上げたいわけではありません。

僕らは「夢」だけを選ぶことはできない。「お金」が尽きると「夢」は尽きる。これが真実だ。

引用:夢と金(西野亮廣)

これからもチャレンジを継続できるように試行錯誤を続けていきます。

✨Xを始めました。アフリカに移住して飲食店を開業するまでのプロセスをリアルタイムに発信していきます。
https://twitter.com/shinji_africa

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