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公務員の前半戦

 新年が始まって1か月。新たな抱負を胸に日々過ごしている人もいれば、なかなかお正月気分が抜けなかった人もいるのではないだろうか。

 国家公務員といえど、年始は休みを取る人も多く、自分のオフィスでは、今年は4日、5日ともに休暇を取得する人も珍しくなかったように思う。

 しかし、年末年始が正念場の業務もある。法改正である。

 通常国会への提出を1月~2月に控える法改正担当部局においては、最後の大詰め作業を迎えることとなる。時間との勝負になるため、年末年始もなかなかゆっくりしていられない。

 国家公務員にとって、1月といえば通常国会の開会だろう。この150日間をいかに乗り切るか、偉い人であればあるほど、そのことで頭がいっぱいになる。

 公務員でない方々もニュースで国会審議の様子をご覧になったことがあるかもしれないが、議題までご存じの方はあまりいないのではないだろうか。国会での議論も「会議」(正確には審議)なので、もちろん議題は存在する。

 通常国会での議題は「政府予算案審議」と「法律案審議」がメインである。そのために通常国会を開催するといっても過言ではない。(自分も学生時代には「国会って何を話しているんだろう?」と思っていたくらいで、公務員になって初めて意識したことだ。)

 「審議」に似た言葉に「審査」があるが、語感からすれば、イメージするところは「審査会」のようなものではないだろうか。例えばコンクールの審査のように、チェックポイントに点数をつけて、審査員が論評していくような形式だ。
(自分は論文を書いていないのでよくわからないが、論文審査なるものはもう少し違う形かもしれない。)

 一方、国会での審議というのは議員が質問→政府が答弁という形式である。予算案や法律案の審議を議題にしていても、直接関係ない質問がある場合も少なくない。

 特に法律案は、条文そのものの改正案も当然国会に提出しているのだが、その全てに目を通している議員がどれくらいいるのだろうか。必要最小限の提出資料にすることで、政策立案そのものに割く時間も増えるだろう。

6月までの長丁場である。

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