お家時間、読書はいかが?
Boccaccia イタリアの偉大な作家の1人。
しかし…不謹慎ながら…
一昔前のアイドルが『デカメロン伝説』って歌を聞いたのがきっかけでした。
でもその頃は、イタリアに行った事もなく、何も知らなかった。
時は流れて
イタリア好きになりたての頃、片っ端から集めていた。(今もか…目標はイタリア図書館を)
「そう言えば…デカメロン伝説って歌あったなぁ…」そんな感じで…
こんな刺激のつよい表紙…😅手に取るのが恥ずかしく…
内容もそれなり。エロ笑い話し。これが、イタリアで名著なの?と…
コロナの事でペストを思い出し、再び手にして読み返す。
コロナ疎開ならぬペスト疎開からはじまる物語。今も昔も金持ちの考える事は、同じなんだ…
【デカメロ】
1348年に大流行したペストから逃れるためフィレンツェ郊外に引きこもった男3人、女7人の10人が退屈しのぎの話をするという趣向で、10人が10話ずつ語り、全100話からなる。内容はユーモアと艶笑に満ちた恋愛話や失敗談などで、それぞれ『千一夜物語』や『七賢者の書』から影響も受けてるそうです。
まるで、今のゴシップかワイドショーのよう。
今も昔、文明は進化しても人って進化していない。人間のあさましさに恐怖を感じる。
人って弱いなぁ…
三巻多いなぁと思われる方は、田辺聖子さんの抜粋タイプもお勧めです。
ロンバルディア州の緊急対策で休校になったミラノのアレッサンドロ・ヴォルタ高校のドメニコ・スクイラーチェ校長が、生徒たちへのメッセージがカッコ良かったのでネットから抜粋。
17世紀のミラノを襲ったペスト感染の状況を語るマンゾーニの名著”許嫁(I Promessi Sposi)”の引用から始まる。
〜ヴォルタ高校の皆さんへ〜 ”
ドイツのアラマン族がミラノに持ち込む可能性があると健康省が恐れていたペスト。それは、実際に持ち込まれ、イタリア中に蔓延し、人々を死に至らしめた…” これは、1630年にミラノを襲ったペストの流行について書かれた”許嫁”の有名な第31章です。見事な先見性と良質な文章。
ここ数日の混乱の中に置かれた君たちに、よく読んでみることをお勧めします。ここに全てが書かれています。
外国人を危険と見なし、当局間は激しい衝突。最初の感染者をヒステリックなまでに捜索し、専門家を軽視し、感染させた疑いのある者を狩り、デマに翻弄され、愚かな治療を試し、必需品を買い漁り、そして医療危機。
君たちもよく知っている通りの名前がいくつも登場するこの章は、マンゾーニの小説というより、 まるで今日の新聞を読んでいるかのようです。
親愛なる生徒たち。
規則的な学校生活は市民の秩序を学ぶためにも必要です。休校に至るには、当局もそれ相応の決断をしたのでしょう。専門家でもない私は、その判断の正当性を評価することも、また評価できると過信もしません。当局の判断を信頼し、尊重し、その指示を注意深く観察して、そして君たちには次のことを伝えたいと思います。 この機会を利用して散歩をしたり、良質な本を読んでください。体調に不備がなければ家にこもっている理由はありませんが、スーパーや薬局に殺到しマスクを探しに行く理由もありません。マスクは病気の人に必要なものです。 感染の広がりが速いのは、発展した文明の結果です。それを止める壁がないことは、数世紀前も同様で、ただその速度が遅かっただけです。このような危機における最大のリスクについては、マンゾーニ、そしてボッカッチョが、私たちに教えてくれています。
それは、人間が作る社会が毒され、市民生活が荒れること。目に見えない敵に脅かされた時、人間の本能は、あたかもそこらじゅうに敵がいるかのように感じさせ、私たちと同じ人々までもを脅威とみなしてしまう危険があります。 ** 14世紀と17世紀のペスト流行時とは異なり、現代の私たちには確実で進歩し続ける医学があります。社会と人間性、私たちの最も貴重な資産であるこれらを守るために、文明的で合理的な思考をしましょう。もしそれができなければ、”ペスト”が勝利してしまうかもしれません。
では、学校で君たちを待っています。
イタリアでは、古典?国語の教科書に載るような名作として知られています。これまた長いので、ウンベルト・エーコがわかりやすく?短めに書いた著書を訳して、イタリア語を学ぶテキストもお勧めです。お家時間にいかがでしょう?
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?