No.12 明滅する宇宙 I Ψ ♾ 二元軸の交差するゼロポイントの宇宙
ナムは、この世界は瞬間ごとに生成と消滅を往き来して明滅し、「時の意志」と「空の意志」が互いを貫いて紡ぎ合い、惑星の新たな時空を一目づつ織り上げているのだと言いました。
ここで言う「時の意志」と「空の意志」とは、バリ島の呪術師の教えによれば、「生命の芯」を守っている4兄弟カンダ・ウンパットの「東西」と「南北」の2軸にあたります。
この2つの方向性は、鏡映しのような正反対の質を持つ、双子のような関係になっています。
東:「土」下降 ─ 西:「火」上昇
南:「水」凝集 ─ 北:「風」拡散
2軸が交差する中心:「空」意識
「土」「火」「水」「風」「空」
この合計5つのエレメントの結合体として人間は存在している、とバリ島の呪術師たちは考えています。
また、バリ島の伝統音楽であるガムランの5音階、Don/Den/Dun/Dan/Din も、この5大元素にそれぞれ呼応しています。
ガムランの調べは、この元素の並びと組み合わせによって成り立っているのですね。
ん? この5つの音って、もしかして日本語の5つの母音とも繋がっていたりして?
・・・ありました。
神代文字の母音のエレメントがそっくり対応しています。
あ:「空」、い:「風」、う:「火」、え:「水」、お:「地」
ふーむ、母音トーニングは、創造エネルギーそのものを発声しているのですね。
これらのエレメントは、物語『ナム "RNAM"』の地球創造のシーンでは、火 → 風 → 水 → 地、 の順に現れます。
あぁ、カタカムナも、でしたねぇ!
ヒ:火、 フ:風、 ミ:水、 ヨ:固体(土)、 イ:意志
いや、まさに、この順番そのものです!
この5大元素は、他にも古代ギリシャやチベット、中国など、世界中に似たものが色々ありますが、バリ島のアニミズムは、アーユルベーダと同じくインド発祥の「パンチャマハーブタ(5大元素)」の影響を色濃く受けているようです。
もう一度、バリ島の呪術師たちの宇宙観を表す "カンダ・ウンパット・ブタ" の生体システムの立体図を見てみましょう。
このカンダ・ウンパットの生体システム構造は、4次元の時間の流れを超える「立・立体的構造」を表していると考えられます。
一元論的な力の場 "ブタ" から発生したエネルギーが、胎生学的な身体形成を経て、外の世界へと空間化のプロセスを進み、その先に「可視的な空間」と「不可視の力の場」の二つ、つまり物質的な身体だけではなく、身体を取り巻く物理的空間と、それに伴う目に見えない力の場が同時に映し出されている様子がとても興味深いところです。
但し、4つのエレメントによる「二元軸が交差して時空を刻々と創造している」などと言う教えはどこにも無く、これはナムの伝える独特の時空の仕組みであり、ゼロポイントを軸とする宇宙観の非常に重要な「鍵」でもあります。
ナムはゼロポイントのことを「創造の一点」という言葉で表現していますが、これについては、また別の機会に詳しくお話ししたいと思っています。
ところで「明滅」とは、言葉通り「点いたり」「消えたり」するわけですが、
時空を刻々と創造するということは、そこに時間は流れているのでしょうか?
そんなの当たり前じゃん、と言われそうですが・・・
「時の意志」と「空の意志」が「惑星のまったく新しい時空を一目づつ織り上げる」というのは、どういう意味なのでしょうか?
「時間」とは? と、深く考えだすと、わけが解らなくなります。
そんな私に、ナムは面白い説明をしてくれました。
「解らなくなると言うのは解りかけてきた証拠。
謎と答えは必ず一対で生まれてきますからね。
解らないことに気づいた時は、実はもう答えを手に入れた時なのです。
謎と答え、光と闇、有と無、生成と消滅、生と死、夢と現、
こんなふうに相反するものはすべて、
時間に展開されないかぎり、もともと一つのものなのです。」
え、それじゃ答えはどこにあるの?
「それがいっぺんに見えないところが時間の大変に面白くて楽しいところ。
時間とは、箱の中から出来事を一つずつ楽しみに取り出すようなものですからね。
箱を開けずにまるごと持てば、あらゆる時が全て同時に手の中にあるのです。」
と、いうわけなのです。
ん? 何だか分かったような、分からないような?
煙に巻かれた感じです。
でも、大丈夫。
ナムは私がちゃんと理解するまで辛抱強く、ヴィジョンやら異次元ツアーやら、あの手この手で面倒見てくれますから。
つづく
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木倶知のりこ 著書:●絵本『小箱のなかのビッグバン』 *・* ・*●『ナム "RNAM" 時空を超える光と水の旅』
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