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明るくて、

18時なのに空はまだ明るかった。
突き刺すような強い光に涙がにじむ。思わずぎゅっと目を閉じた。
赤いまぶたの裏で思いをめぐらせる。浮かんだのはふぉろわーのこと。

ふぉろわーとの繋がりは全部、奇跡と偶然の積み重ねで生まれた縁だと思っている
住んでるところも性格も価値観も全部違う。現実世界だけでは交わることもなかったような人たちとこうして今繋がれている。みんな優しくて素敵な人たちばかりだ。本当に恵まれてる。

ふぉろわーの転生垢にフォローされたり、しばらく見ないなって思ったふぉろわーが名前を変えてフォローしてきてくれて「未明ちゃんこんばんは!実は私○○で………」とこっそりカミングアウトしてくれたりするとうれしくてうれしくてたまらなくなる。しかもわたしは一度転生している。それでも見つけてくれてまたフォローしてくれるのが本当にうれしかった。
『トプ画変わってなくて本当によかった!ずっとここにいてくれてありがとう!』
泣きそうになった。Twitterやっててよかったと心から思った。

たまにふざけて名前を変えたりアイコンをデコったりはするけれど、わたしはずっと青い宝石アイコンの未明ちゃんだった。青くてキラキラしたものを見るとわたしを思い出してくれて、それをこっそり教えてくれるふぉろわーもいる。もう何もいらない。ここさえあればもう何もいらない。
この名前でTwitterをやるようになったのは高校2年生の時、夏の終わり頃だ。前にも書いた気がするけれど、由来は決して明るいものではない。未明が指す時間帯は深夜0時から3時。日が昇るよりも空が白み始めるよりもずっとずっと前の暗い時間帯。夜が明けきらない暗さが自分に似合っていると思って選んだ名前だった。


でも、このTLで過ごすうちに少しずつ自分の名前の捉え方が変わっていった。日付が変わる頃になるとTLはゆるやかににぎやかになっていく。眠れないふぉろわー達がスペースやキャスを開く、ツイートを流していく、リプを送る、DMを交わし合う。朝が来てほしくない気持ちと早く寝なきゃ明日絶対後悔するのにという葛藤を抱えてTwitterを開く人たちで溢れていた。
ここで過ごす眠れない夜は全部愛に変換される。夜明けの方が絶望に見えるこの世界では、この時間が救いのように感じた。この名前もマイナスな意味合いでないのかもしれない、と少しずつ思うようになった。
未明の先には光がある。明るくて強い光が。夜明けは怖いけれど、その光が作る世界は綺麗だと思う。この一瞬のため長い夜があるのではないかと思うほどに眩しくて輝いている。これを共有できる仲間がいるのは本当に幸せなことだ。その為だけに在りたいと思った。


でもそれだけじゃない。この言葉を明るく捉えられるようになれたのは、やっぱりふぉろわーのおかげだと思う。
名前というものは―特に自分で選んでつけたインターネットでの名前は、たくさんたくさん大好きな人達に呼ばれて育っていくものだと思ってる。だからこの名前はふぉろわーとともにあると思ってる。未明ちゃん、みめちゃんってみんながいっぱい呼んでくれたからわたしはこの名前が大好きになった。
わたしを未明にしてくれてありがとう。これからもよろしくね。

気がつけば太陽はずいぶんと遠いところに落ちていた。

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眠れない夜に

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