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バンクシー展『Who is Banksy?』

8月21日に寺田倉庫で行われていたバンクシー展に行ってきました。なかなかボリューミーな展覧会でした。今回は超主観的な感想はアウトプットしたいと思います(笑)

バンクシーについて簡単に説明するなら、イギリスを拠点にしている覆面アーティストです。彼はどこからともなく現れ、見る者の心をグサリと刺すようなアートを残しています。私はアートには全く無関心だったのですが彼の「自由気ままさ」「大胆さ」「ユニークさ」に惹かれて彼のアートを見るようになりました。

それでは、今回の展覧会で特に私の心を「グサリと刺した」絵を紹介していこうと思います。(この絵にはどんな意味があるのか、といったようなことはあまり言及しないようにしようと思います。閲覧者の感受性を失いかねないので…笑)

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「Bomb Love」

最初に私の興味をそそったのはこの絵でした。普通であればぬいぐるみや弟、妹を抱えてそうな彼女が抱えているのは爆弾。この後もどんどん作品を紹介するのですが、バンクシーの面白いところってギャップだと思うんですよね…

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「Barcode」

シンプルながらも痛烈に何かを訴えようとしているこの絵。動物に価値をつけて売買を行うことを批判しているのでしょうか。一つの絵でしかもこんなシンプルなのにこんなにも心が揺れるって、美術って本当に不思議ですよね。檻をバーコードにする、なんとも斬新…

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「Laugh now」

笑っていられるのは今のうちだ。猿って何かしら卑下するときによく使われると思うんですよね。その猿が掲げているっていうのがまたギャップですよね。説明の欄には「認められていないグラフィティ・アートの言葉を代弁している(?)」みたいなことが書かれていたんですけど、何にでも当てはまる気がしますよね。要は閲覧者の考え次第…?

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「Barely Legal」

英語で「Elephant in the room」は「明らかに解決すべき問題があるのに、見て見ぬふりをしている状況」のことを指します。バンクシーはアメリカの個展で部屋に生きた象を部屋の模様と同じ色に塗って展示しました。もちろんスプレーは動物に危害を与えないものだったそうです。言葉を具現化するってこのことをいうんだなぁと思いました。(笑)でもやはり言葉で聞くのと目でみるのとでは衝撃が違いますよね。

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ここは「世界一眺めの悪いホテル」の入り口を再現したものです。このホテルがある場所はイスラエル国が築いた分離壁の目の前です。窓からの眺めは一面壁。しかし、その壁にはグラフィティ・アートが多数描かれています。そこには皆が一度は見たことがある絵もあります。

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「Girl with balloon」

どこか儚い顔にも見える少女。壁にこの絵が描かれた後、書き足された文章がありました。「THERE IS ALWAYS HOPE」(いつだって希望はある)髪の毛の方向的に風船は飛ばされたように見えますが、この後のことは誰だってわかりません。もしかしたら背の高い人が取ってくれるかもしれないし、風が止まるかもしれない。芸術は映像でも本でもない。一枚の絵は私たちの想像力を豊かにし、自分で考えることを教えてくれます。

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「CND Soldiers」

最後はこの絵。平和のシンボルであるマークを赤いペンキで、警戒しながら書いています。私はこれを見たとき「プロパガンダにしか見えない…」と思いました。戦争を正当な行為として庶民にわからせるような風景が私の頭の中では浮かびました。何回も言いますが、文面と絵ではこんなにも伝わるインパクトが違うのか、と私は感心してしまいました。


総合的な感想

いやぁ。楽しかった(笑)私が思ったのはただ一つでした。「アートって面白い。」正直展覧会に行った直後の感想は「バンクシーってすごいな」でした。(笑)ただ、絵を見て説明文を読んで写真を撮って…一種の確認作業っぽさがありました。もちろん非常に楽しかったです。しかし私はアートの表面に触れていただけだと帰ってきて思ったのです。

帰ってきてアートに興味を持った私はなんでアートは難しいんだろうと思っていました。なぜ難しいのかをネットで調べていたらある本の出会ったのです。「13歳からのアート思考」。

まだ本は読んでいないのですが、著者の末永幸歩さんのインタビューがあったのでそれを読んでみました。「なぜ音楽は自分が好きなように解釈するのに、アートはしないのだろう。」この言葉に私の心は揺れ動きました。その通りだなと思ったのです。その後に私がバンクシー展で買っていたギャラリーブックを見ると感覚はまるで違いました。自分の好きなように受け取ることが何よりも重要であることに気づいたのです。グラフィティ・アートの特徴もこれと似ています。もともと描いてある絵に付け足したり、実際にあるもの(消化器とか警報機とか)を使って作品を完成させるとか。アートって面白いですね笑

バンクシー展ではいろいろな気づきがありました。上記のことはもちろん、消費主義、文面と実物のインパクトの差、民主主義のあり方、自分であることを追求する姿勢(keep it real)、などなど。本当に有意義でした。

これからはもう少し気楽に、またいろいろ勉強した上でバンクシーの作品を見てみようと思いました。(笑)あと、世界一長めの悪いホテルには必ず行きたいと思います💪

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