【地酒みゆきや】の“酒カルテ”がすごい!和歌山・熊野の地酒専門店(通販あり)レポート
とある日本酒好き先輩から「日本酒ドクターがいる」と聞き、以前から存在は知っていた和歌山県熊野の「地酒みゆきや」さん。念願叶っていってきました。
独自の「日本酒カルテ」からぴったりのお酒を選び、味わい方までフォローしてくれる、非常に熱い酒屋さんでした。日本酒カルテはオンラインでもできるのでおすすめです。
和歌山・熊野にある小さな地酒専門店「地酒みゆきや」
熊野・神宮です。見た目は普通の「町の小さな酒屋さん」です。人気の地酒「龍神丸」特約店なのですね。
こちらが「酒ドクター」の異名をもつ店主の的場さん。熊野の観光スポットもいろいろ教えてくださいました。
まずは店内を見学。倉庫のように日本酒がぎっしり。
さすが、和歌山の地酒が多いです。
「みゆきや」では、欲しいお酒のタイプや嗜好をもとに「ぴったりの銘柄」を選んでくれるシステムがあります。それが酒ドクター・的場さんによる「お酒カルテ」。体験してみます!
「酒カルテ」体験!家族におすすめのお酒をください
(店内に貼られているし問診シート)
的場さんによる「問診(お酒を選ぶ上でのヒアリング)」は、写真のような質問項目ですすみます。ここから答えられる範囲を伝えるだけでOK。
せっかく「ぴったりのお酒」を教えてくれるのであれば、基本的になんでも好きな私向けではなく、それほどお酒を飲まず、また苦手なタイプもある妻にむけておすすめのお酒を選んでもらうことに。(私がわかる範囲で回答)
カルテの一部
・予算は?:デイリー用なので1本(720ml)2000円以下を目安に。3本くらいまとめて配送したいです。
・容量は?:できれば720mlがいいです。でも、おすすめのお酒が一升瓶しかなければそれでも大丈夫です。
・普段よく飲むアルコールは?:ワイン、梅酒。日本酒は…きれいでフルーティーなものも好きですが、飲み疲れするのかお店では熱燗も好みます。量はあまり飲めないです。アルコール感の強いもの、お土産店にあるような重いお酒は苦手のようです。
・白ワイン派・赤ワイン派?:白です。赤もライトなものはいけます。
・麺類とごはん、どちらが好き?:おそらくごはんです。多分。
こんな具合で、質問に順番に答えていきます。さらに今回は「和歌山の地酒屋さんで買った」というストーリーを踏まえて「地元のお酒を入れる」こと、さらに3本の中で「好みのものと新しい発見のあるもの」で変化をつけてくれることに。
「麺類とごはん」、これで好みの日本酒が変わるのですね。おもしろい。
「ちょっと待ってて」と的場さん。バックヤードと行ったり来たりしつつ、真剣に選んでくださいます。何が出てくるか、楽しみです。
今回は「人に向けてのカルテ」でしたが、試飲をしながら「自分にあうお酒」を探すことができるそう。冷蔵庫にはお酒の他に調味料が用意されており、「どんな味の料理と合わせるといいか」といった組み合わせの体験もできるそう。
ちなみにお酒の値札には、このように「おすすめ料理」などが書かれています。わかりやすい。
的場さんセレクトの3本はこちら!
こちらが「みゆきや」から発送いただいた的場セレクトの3本です。
1(中央):鈿女(うずめ) 伊藤酒造
的場さん曰く「好みの真ん中のお酒」。きれいめがくるかと思っていたら、以外にも「山廃」。重く感じることの多い「山廃」は、妻は普段なら積極的には手に取りません。
的場さん「きれいなお酒が売れる時代に一石を投じる銘柄です。そのままでもおいしいですが、ぜひ『熱燗』にして飲んでください。『柑橘類』のような爽やかな香り、酸が楽しめます」
2(左):南方 純米大吟醸 世界一統
1がど真ん中とすると、2は「より可憐な味わい」。うん、こちらの方は普段好みそうなものです。
3(右):ちょぼろく 純米酒 世界一統
2と同じ「世界一統」のお酒ですが、酒質は真逆。なんと精米歩合93%。
的場さん「これはチャレンジのお酒。お米は飯米レベルにしか磨いていないため、当然雑味もでます。しかし『雑味』とは『旨み』にもなるもの。熱燗でぜひ。
(裏ラベルものせておきます)
橙も入っていました。手紙を読むと「これでマグロのカルパッチョを作って合わせるとよし」とのこと。承知です!
早速、①から味わってみることに。常温だとややお酒感が強かったのですが、アドバイスの通りに熱燗にし、橙を搾ったカルパッチョと合わせたところ、爽やかな酸が一気に広がり、ホットワインのように変身します。お酒だけでなく、料理とセットでホットワイン。
この味わい、妻の好みにぴったりでした。めちゃくちゃ好みとのことです。
山廃は重くて苦手なことが多いのに、いったいどうやって導き出したんだろう…? また、残り2本も好評。全然タイプが違うお酒なのに、酒カルテ、本当にすごいです。
同送された「飲み方指南」の熱量すごい!
お酒を郵送で取り寄せると、だいたい納品書がついてきます。みゆきやさんからの段ボールにはいっていたのは、封筒がはち切れそうなほどのボリュームの「お酒の楽しみ方」を指南書類。
ちなみに封筒には「当店の可愛い愛娘(=酒)をお届けさせていただきました〜」から始まる長文のメッセージが書かれています。
(2日ほど重しをのせて伸ばしました)
(うわぁ…すごい)
みゆきやさんの考えるお酒の楽しみ方ガイドをはじめ、購入したお酒1本につき、数枚の紹介文。味わいのヒントからペアリング、逆に注意点など…ものすごい情報量です。
これを読みながら、該当のお酒をいただくと、本当においしいです。
内容はもちろんですが、溢れる「熱量」が最高の肴になります。
「酒屋さんで買って家で飲む」といえばそれまでなのですが、診断から説明・提案まですごい熱量でサポートしてもらう一連の体験は本当に楽しいです。こだわりの飲食店さんでお酒番の方にサーブしてもらうような、それに近い満足感です。
「みゆきや」、噂以上の熱いお店でした。オンラインでリピートします。
ちなみに「みゆきや」さん、夜は飲食店の「くいしんぼう」を営業しており、ここで的場さんのペアリングを楽しむことができます。
(グラスがやたら多いですが、ひとりで行った時の様子です)
いろいろな飲み比べ、グラス違い、温度違い、さらにレモン足したり、水足したり、めんつゆなめたりなどなど…お酒の感じ方の変化を堪能させていただきました。
「地酒みゆきや」の的場さん、ありがとうございました。
次は僕のカルテで注文させていただきます!
もちろん、お酒を飲みます。