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「30分・2杯」ルールの上野・魚草で、ウイルス対策中の「ちょっと呑み」のよさを知る

このご時世、かなり「お酒を飲みに行きにくい」です。

でも、行きたい。用事があって街に出たら、なお行きたい。
そこで、コロナ禍において「2杯まで、30分」というルールで営業を続けている上野・アメ横の立ち飲み「魚草」で、「ちょっと呑み」をしてきました。

アメ横の真ん中 お魚と日本酒がおいしい「魚草」

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週末午後の上野・アメ横。曇天ながら賑わっていました。
実は20代前半のころ比較的近くに暮らしていたのですが、当時はこの一角で立ち飲みしようという発想すら持っていなかったです。

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ここが「魚草」。三陸の新鮮な魚介で人気のお店です。店内はコの字カウンターのみ(というかカウンターの外=道)。感染症対策で、ラーメン一蘭のように席と席の間に仕切りがついています。でも、オープンエアなので圧迫感はなし。

到着時は満席でしたが、今は「2杯30分ルール」が適応中。そのため人の回転が早く、5分ほどでカウンターにありつけました。

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いい眺め。この最高の1000円とは、「お刺身or牡蠣or蟹とお酒のセットで1000円、おすすめだよ」という意味です。

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日本酒はカウンターの上で揺れている短冊からセレクト。どんどん入れ替わるので出ていないお酒もあるそうですが、ただ間に合っていないらしく意味はないとのこと。

本来なら、1-2杯飲みながらいろいろ悩むのですが、制限時間は30分。とりあえず注文します。

「30分飲み」ならではのよさがある

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料理:刺身盛り合わせ
日本酒:不動

いいです、おいしい。狭いカウンターなのですが、それでもしばらく瓶を置いてくれるところからお店の方の優しさを感じます。ちなみに1000円が写っているのはキャッシュオンだから。

ちょっと飲みのよさ① 短い
当たり前のことを当たり前のように言っているのですが、そう思いました。飲みにいくとまあ時間を取られるし、それで「夕食」にカウントされるのですが、「30分しかない」だと「何かの合間」にちょっと飲める。
「合間に酒」って、気楽でいいです。

ちょっと飲みのよさ②少ない
2杯までだと当然少ない。それは裏返せば「頼まなくてよい」ことです。お店にわざわざ飲みに行くと「せっかくだからたくさん頼もう」または「もうちょっと頼まないとなんだか申し訳ない」と思うことがあります。しかし2杯で強制終了ですので、余計なことを考えるヒマもなし。「ただうまそうなものだけパパッと頼む」という、シンプルな楽しみ方になります。

①②、これまであまり知らなかった飲み方です。腰を据えない飲みというのも、結構ありです。

今はひとりで「街と飲む」のもいい

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料理:卵刺(ほたての生殖器)
日本酒:誠鏡
…「卵」、はじめて食べました。これは日本酒があと3杯いけてしまう珍味です。

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30分ルールにあたり、お店からのメッセージがこちら。
「今はひとりでひとりを楽しめ。」です。

1グループ3名までですので当然会話は聞こえるのですが、私と同じようにひとり客もいて、でも全く居づらいというわけではなく、おいしい料理とお酒を前に相好を崩しています。悪くいうとおじさんがひとりニヤニヤしています。

ちょうど夕方前、小雨が降ってきました。歩いているときはただの雑音にしか聞こえなかったお店の呼び込みや人の声たちが、お酒と一緒だと急に風情を感じ始めるから不思議です。

「ひとりを楽しむ」が、家で1人でテレビを見ながら飲む、というのであればこういう「よさ」はないと思います。なんというか「ひとり」だけど、アメ横という「街」と飲んているみたいです。

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(ふと振り返ったアメ横。別の席で飲んでいたおじさんが急にひっくり返って救急車がくるも、店員さんは慣れた様子で「さすがアメ横」と思いました。さらに、しばらく介護していた方が実は当人の知り合いではなく「飲みの席ではお互い様だよ」と笑って酒飲んでいたのも印象的でした)

背後に感じるアメ横は、うるさくて人が多くてお世辞にも清潔ではなく、ある種のうらぶれ感があります。そしてそれが故に「街に許容してもらっている」と感じるのかも、などと飲みながら思いました。


ここで、30分終了。足りない、くらいがちょうどいいです。
ごちそうさまでした。アメ横をぶらぶらあるいて、帰る前に危うくもう一回魚草に戻ってきそうになりました。

https://www.uokusa.jp/

ごちそうさまでした!

もちろん、お酒を飲みます。