お墓参りと老眼鏡
今日は三連休の中日。
妻がかねてから行きたいと言っていた叔父のお墓参りに行ってきた。
叔父が亡くなった今年の六月ごろは妻は体調を崩しており法事になかなか参加できなかったことが心残りだったらしい。
妻と叔父はウマが合ったのか出会えば他愛もない話で盛り上がる関係で私としてもいい関係性を築いてくれていて嬉しかった。
お花屋さんが開くころに家を出て、花を買ってお供え物用に和菓子店に立ち寄って祖母と叔父の二人分のお菓子を買って墓地に向かった。
自宅からの距離は地味に遠くて車で一時間かかる。
道中で祖母や叔父の思い出話をしながら車を走らせていると急な割込みや煽り運転をされて少々ココロが疲弊してしまった。
墓地自体は人里離れた山の奥にあるので道路に雑草や竹がはみ出しており道もそんなに広くないのでテレビのポツンと一軒家で出てくるような細い道を慎重に運転した。
ほどなくして無事に墓地に就いたので、備え付けの桶に水を汲んでお墓の前に。
お墓には缶ビールが一本供えられており誰かが来たことを知らせていた。
そんなに荒れてはいなかったが落ち葉や小さな草を抜いて丁寧に掃除をして花を活けてお供え物を置いて神道式のお祈りをした。
結構長い間頭を下げてお話しをしてさてもういいかなと思って妻を見るとまだお祈りをしていた。
無言でしばらく待っていると、パッと頭を起こして待たせてごめんねと言われた。
自分の祖母や叔父でもないのにそこまで長くお話しをしてくれたことに静かに感動しながらああこの人と結婚して良かったなぁと心の底から思った。
妻は妻で体調不良で法事に参加できなかった心残りが解消されたようで心のつかえがとれてすっきりした顔をしていた。
それからお供え物を二人でモシャモシャ食べた。
私は祖母が好きだったよもぎ饅頭、妻は自分が食べたかったきな粉おはぎを。
教養が無いので正式なマナーは知らないが食べ物をお供えした時はその場で食べる事が良い事だとどこかで聞いたことがある。
お墓参りが終わって私がお礼を言うと、ううんこちらこそ連れてきてくれてありがとうと言われたので思わず鼻の奥がツンとしてしまった。
それから次の目的のために近くの大きな街に移動。
ちょうどお昼時だったのでジョリーパスタで簡単にランチ。
ずいぶん久しぶりに行ったがまあ安定の美味しさ。
日曜日なので家族連れが多くて小さな子供の嬌声が店内中に響いており結構賑やかだった。
ご飯を食べて落ち着いたので目的地のメガネ屋さんに足を運んだ。
私もそうだが妻も老眼が進んでおり、最近では会社でパソコンのモニターを見たり書類に目を通すときに小さな文字が全然読めないと嘆いていたので老眼鏡を作ろうという事でメガネ屋さんに言った次第。
店内に入ってウロウロしているとこちらに気が付いた店員さんが笑顔でやってきてくれた。
丁寧な接客で来店目的を聞かれたので妻が老眼の話を始めた。
私は人生の四分の三はメガネ生活だが老眼鏡の事となると値段やどういったものが自分にフィットするのかさっぱりわからなかったのでお店の人にお任せした。
妻が自分の症状を話すと店員さんは100円ショップで売っているようなものはあまりお勧めできませんとはっきりと言った。
老眼鏡も普通のメガネと一緒で一人一人に調整が必要でオーダーメイド品の方がかけていて目の負担が少ないという話だった。
そこから老眼の仕組みや老眼鏡の説明をとても丁寧にしてくれてせっかくいらしたのだから検眼してみますか?という話になった。
流れに任せて妻は検査室に入っていった。
私はする事が無いので空いていたベンチに腰掛けて本を読んで終わるの待った、
十五分くらいで検査できますからという話だったがなかなか終わらず部屋から出てきたのは三十分後だった。
いやぁ丁寧な仕事だなぁと感心しているとどうやらその人は店長さんらしく物腰の柔らかい接客が素晴らしかった。
あれこれ調べてもらった結果、遠近両用よりも老眼に特化したメガネを作るのが良いでしょうと話がまとまったようだった。
後は問題のお値段だが一番安いもので一万五千円、でもこれはお値段なりのであまりお勧めできないとのことで金銭的にも性能的にもバランスがいいのは二万六千円のものが良いですねと言われていた。
へぇ、普通のメガネを作るのとそんなに変わらないお値段なんだなぁと感じたが他のお店の情報も知りたかったので即決はしないで、検討してきますとやんわりと答えた。
店長さんは嫌な顔一つせずにまあまあお高い買い物ですからねと笑顔で答えてくれたのも感じが良かった。
最後まで丁寧に見送ってもらってお店を出た後で妻が二万六千円かぁ…ちょっと痛いなぁと呟いたので買ってあげようかと言ったが、もうちょっと情報収集をしようという話でまとまった。
なのでこれから週末の予定にメガネ屋巡りが加わりそうである。
それから帰り道にカフェで作戦会議を開いたり雑貨屋を覗いたりして遊び倒して帰宅した。
今日は何だか久しぶりに正しいデェトをしたような気がする。
婆ちゃん、叔父さんお彼岸にはちょっと早かったけどうちらは元気でやっています。
また会いに行きますね。
ちょっと疲れたけどあ~楽しい一日でした。