やつらはどこからやってくる?
昨日はとても眠たかったので家事を終えたらすぐに布団に入って本も読まず動画も見ないですぐに眠りに落ちた。
すやすやと寝ていると耳元で急にプイーンという甲高い音がしてビクッとしてガバッと起き上がった。
寝ぼけていたがすぐに状況を把握した。
蚊だ…。
ここのところ暖かくなってきたので気の早いやつがもう血を吸いにやってきたらしい。
時計を見るとちょうど午前0時くらいだった。
放置して布団をかぶって寝てしまおうと思ったが気になってなかなか寝付けなかった。
そこで部屋の明かりをつけて布団の上に胡坐をかいて蚊が飛んでくるのを待った。
六畳のたいして広い部屋でもないがテーブルの下とかテレビの裏、本棚の後ろとか敵の隠れる場所はいくらでもあった。
この時期なので蚊取り線香やノーマットのような蚊よけのアイテムはあいにく切らしていた。
なので自力で倒すしかない。
意識を集中して部屋中を探る事数分、とうとう相手が見えるところに姿を現した。
ここで慌てずに近くによって来るのをじっと待った。
少ししたら目の前にフラフラと飛んできたのでパチン!と手で叩いた。
集中していたこともあり無事に一発で仕留める事に成功した。
はふぅ、やれやれと一仕事片付けた解放感に軽く浸って布団に入ってすぐに眠りについた。
これで問題なく朝まで眠れるはずだった。
しかし何という事かよだれを垂らして寝ていると再び耳のそばでプイーンという音がした。
ええっ、さっき退治したじゃんと思ったがすぐに事態に気が付いた。
そう、敵は編隊飛行だったのだ。
くそう、そう来たかと思いつつ二匹目の退治を試みた。
しかしこいつが部屋のどこを見回してもいない。
音は擦れども姿が見えずといった状態で事態は膠着した。
気にせずに強引に眠ってしまえば良かったのだが見た目よりもほんの少し繊細な私は眠るのを諦めて起きる事にした。
時計を見ると午前二時。
蚊の退治騒動ですっかり眼が冴えてしまったのであまり眠くもなかった。
結局二匹目の蚊は行方知れずだった。
私の聞き間違いかもしれないが確かにプゥ~ンというあの不快な飛行音を感じた。
それで今日は睡眠不足で非常にぼんやりと過ごしてしまった。
最低でも七時間は寝ないと寿命が縮むらしいので昨夜の出来事で私の命のロウソクがほんの少し減ったと思うと腹立たしい。
早めにドラッグストアに行って蚊の退治アイテムをゲットしたい。
そんなボヤボヤした頭で必死に昨日の晩御飯を思い出してみる。
昨日は鮮度のいいブリの切り身が手に入ったのでこれをメインに。
まずは醤油、酒、砂糖、みりん、生姜の合わせ調味料を作る。
ブリに塩を振って十分放置。
表面がしっとりしたら熱湯をサッとかける。
キッチンペーパーでしっかり拭いておく。
この工程をするだけで生臭さがだいぶ軽減される。
フライパンに薄く油を敷いて火をつける。
ブリを入れて両面を軽く焼く。
そこに合わせ調味料を流しいれて沸騰するまで強火。
沸いたら火加減を弱めてじっくり火を通す。
煮汁がトロリとしてきたらショウガを追加で加えて火を止める。
これでブリの照り焼きの完成。
副菜は春キャベツを千切りにする。
鶏のささ身を茹でて水にとってほぐす。
キャベツとささ身を合わせて塩、ニンニク、鶏がらスープの素でよく和える。
少し時間を置いてしんなりしたらささ身とキャベツの塩だれ和えの出来上がり。
もう一品はお惣菜の軟骨入りの鶏団子。
ぬか漬けはキュウリ。
食卓に料理を並べたら何だかあっさり目のメニューになったなと思った。
妻を呼んでいただきます。
昨日のお酒はオレンジサワー。
一本百円もしない激安商品だったが飲んでみると安いチェーン店で出てくるサワーの味がした。
では早速ブリから食べていく。
少々たれを煮詰めすぎたのか若干濃いめの味ながら久しぶりに作った割にはちゃんと照り焼きになっていた。
妻は魚料理が好きなのでご飯と一緒にパクパク食べていた。
ささ身とキャベツの和え物はさっぱりした味でニンニクの風味が丁度いいアクセントになっていた。
シャリシャリと食べながら二本目のお酒をペシッ。
お惣菜の鶏団子は甘酢餡がかかっており中華風だった。
軟骨の食感が楽しくて味もなかなかだった。
ぬか漬けはいまいちの漬かり具合で65点といったところ。
毎日漬けていても味が一定しないのはひとえに私の実力不足である。
まだまだ上を目指そうと向上心が刺激された。
ゆっくり食べて腹七分目でごちそうさま。
片付けて布団に入って話は冒頭に戻る。
しかし四月の蚊ってちょっと早いような気がしませんか?
窓を開けた記憶もないのにどこから入ってくるのか…。
エアコンの室外機からでしょうか、いやぁまさかねぇ。
何にせよ今夜はぐっすり眠りたい。
ふわぁぁぁ、朝からあくびが止まらない一日だったのである。