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君はスカート捲りを知っているか?

  今日も気温は三度とかなり冷えた一日だった。

 子どもの頃はこの位の気温でも半袖半ズボンで過ごしている子がいたものだ。

 確か一年間ずっと半袖半ズボンで過ごすとご褒美にノートだか鉛筆セットがもらえたように記憶している。

 対象はなぜだか男子だけで女子は半袖で一年を通して通っても何にもなかったのは女性蔑視なのではないかと思う。

 そういえば女子は毛糸のパンツをよく履いていた。

 なぜそんな事を知っているかというと私たちの世代ではスカート捲りが大流行していたからだ。

 通りすがりにペロッとめくるのはもちろんの事、度胸のある男子は真正面からスカートを裾をつまんでパッとめくるような蛮行に出ていた。

 被害に遭った女子の中には泣き出す子もおり、その日の帰りの会では大問題になった。

 犯人の男子が謝ればとりあえず事態は収束するのだが、こういう時に誤ってしまっては男が廃るとばかりに頑固に頭を下げなかった。

 そのうちに、僕塾があるんだけどとか、ピアノ教室があるから早く帰りたいと言い出す子が出だして状況はますます混迷を極めた。

 最終的に先生が犯人の男子の頭を押さえつけて被害者の女の子に頭を下げさせるという強硬手段を取っていた。

 私はクラスではみそっかすだったので女子のスカートをめくる度胸は無かった。

 女子も女子で中には気の強い子もいて男子のズボンを下げるという報復手段を取る集団がクラスに誕生した。

 小学生の頃は男子よりも女子の方が体格的に有利なのでガッチリした女の子がいたずら男子を羽交い絞めにしてズボンのボタンを外して一気にずり下げるのである。

 やられている男子は顔を真っ赤にして抵抗するのだがなす術がなくパンツ丸出しになっていた。
 
 たまに勢いが余ってパンツ事引き下げて丸出しになることもあった。

 そんな時は女子たちはいやだぁ、恥ずかしいぃと言いながら視線はしっかりと一点に集中していたことをよく覚えている。

 このスカート捲り戦争は激化の一途をたどりクラスの男女の仲は最悪だった。

 ある日私が普通に廊下を歩いていたらクラスの女子に取り囲まれてズボンおろしの憂き目にあった。
 
 不幸中の幸いでパンツまでは被害に及ばなかったが廊下で他のクラスの子や下級生が歩いている所でズボンを下げられる屈辱はなかなかのものがあった。

 いつまでも終わらないと思われたこの抗争だったが保護者が介入したことで一応の解決を見る事になった。

 スカート捲りをした子には宿題を三倍にするというペナルティが課せられることになり、女子にも同じ条件がつけられた。

 これで一応の解決を観たかと思えたが水面下では男子と女子の仲は改善しておらず、消しゴムのカス飛ばしやプール授業の着替え覗きなど何だかんだで揉めてばかりだった。

 あの頃は何で女子の事があんなに嫌いだったのだろう。

 ロクに話しかける事も出来なかったけれど気になっている子もいたのに。

 最近の子ども達は滅多にスカート捲りをしないそうである。

 あれも思えば昭和のガキンチョたちの思い出なんだろうな。

 そんな懐かしい日々を振り返りつつ昨日の晩御飯の話を。

 昨日は夜は気温が氷点下まで下がったので温まる汁物。

 豚のロース肉を薄くスライス。

 玉ねぎと人参とキャベツをざく切り。

 豆腐を八等分に切っておく。

 こんにゃくを湯通ししてから手でちぎる。

 大きめの鍋に水を張って昆布を入れる。

 火にかけて沸騰するまで待つ。

 沸騰したらお肉と野菜、他の具を入れて煮込む。

 アクを取りつつ、その間におかず作り。

 卵を溶いて白出汁を入れて水を加える。

 よく混ぜてからレンジでチン。

 それをラップで成型したらレンチン出汁巻き卵の完成。

 もう一品ほしかったので冷凍庫に眠っていた鶏のささ身を解凍。

 筋を切り取ってから青のりを混ぜたてんぷら粉にまぶして少なめの油で揚げ焼き。

 これでささ身の磯部揚げの出来上がり。

 後はニンジンとカブの糠漬けを出す。

 煮えている鍋に味噌を溶かしいれて少しだけ酒かすを加える。

 これでポカポカ豚汁の出来上がり。

 ようし、これでいいかなと思いつつ妻を呼ぶ。

 昨日は休肝日。

 温かいお茶で乾杯していただきます。

 まずは熱いうちに豚汁をズズッ。

 ホフゥと思わず声が漏れる。

 豚肉の甘さと野菜のいい出汁が出ている。

 ほんの少し入れた酒かすの甘さがいいアクセントになっている。

 うんうん、寒い夜にはこういった汁物がウメェんだよな。

 次にささ身の磯部揚げを食べる。

 青のりの風味と塩味のシンプルな揚げ物だがこれがまたさっぱりしていい。

 お次はレンチン出汁巻き卵。

 簡単かつシンプルな料理だが出汁の旨味がジュワッとあふれてなかなかいい。

 フライパンで焼くと巻くのにテクニックがいるがレンジだとあっという間だ。

 豚汁の合間に糠漬けもポリリ。

 ちょうどいい塩梅の漬かり具合でご飯を呼ぶ味である。

 うん箸休めに丁度いい。
 
 豚汁に七味唐辛子も振ったので体がポカポカだった。

 ご馳走様をして片づけをしておやすみなさい。

 明日も予報では冷えるらしい。

 そうなってくるとズボン下が必要か…。

 あれ、これって死語でしょうか?

 なんて呼ぶんだろう…ももひき?タイツ?スパッツ?

 

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