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実録、おでんを育てる男。

 3連休の中日、特に用事もなかったので朝寝を楽しんだ。

 とはいえ普段の早起きが習慣になっているので6時には目が覚めた。

 カーテンを開けて外を見るとどんより曇り空だった。

 そういえば連休は後半になればなるほど天気が崩れるって言っていたなと思ってトーストと目玉焼き、カフェオレの簡単な朝食をとった。

 さぁて今日は何をしようかなと腕を組んだ。

 お出かけは昨日したしイベントに行く気分でもなかった。

 何か普段できないこと…と一休さんのように頭をクリクリしながらポクポクポク、チーン。

 そうだ煮物の世話をしようとアイデアが浮かんだ。

 何を煮よう、カレーはこの間作ったしシチューもピンとこない。

 ううん、何か煮込み料理で楽しそうなものをと再び思案橋。

 冷蔵庫を覗くと賞味期限の近い卵とじゃがいも、大根があった。

 これらの材料でできるものと言えば、そうあれである。

 うんうん、手間も時間もかかるけれど基本的には煮込むだけだもんなと思って早速野菜の直売所とスーパーに行く事にした。

 直売所のオープンは9時から、せっかくなので隣町の大きなお店に車を走らせた。

 お店に着くと案の定大混雑だったが買うモノは決まっているのでサクサクと品物を選んで会計をした。

 それから帰り道に行きつけのスーパーに立ち寄って足りない食材を買い込んだ。

 帰宅して手洗いとうがいを念入りにして早速調理開始。

 まずは卵を4個茹でる。

 その間に大根二分の一本を輪切りにしてからカツラ剥きをして面取りをする。

 もちろん味が沁み込みやすいように隠し包丁も十字にサクッ。

 面取りをしないと煮崩れやすくなるのでこのひと手間が肝心。

 大根はお米を少量入れた鍋でしっかり茹でて臭みとアクを取る。

 と、ここまで書いたら私が何を作っているかわかると思うが、そうおでんである。

 今シーズン初のチャレンジで作るのに半日かかる大仕事である。

 次に水炊き用の骨付き鶏肉を油を敷かないフライパンで焼き目をつける。

 後で煮込むので完全には火を通さなくていい。
 
 骨の髄からとてもいい出汁が出るのでこの材料は欠かせない。

 じゃがいもの皮を剥いて半分に切って水に漬けておく。

 こんにゃくも隠し包丁を格子状にいれてお湯で茹でる。

 このままだと彩りがあまり良くないのでにんじんの皮を剥いて下茹でする。

 竹輪、がんもどき、さつま揚げ、厚揚げは熱湯をかけて表面の油を落とす。

 大根の下茹でが終わったら下拵えはおしまい。

 次につゆを作っていく。

 鍋に昆布をしいてお湯を沸かし沸騰したら鰹節をドサドサと大量に加える。

 濃い出汁が欲しいのでしっかりと煮詰めるのがポイント。

 出汁を濾して醤油、酒、みりん、砂糖、塩で味付け。

 煮込み料理なのでちょっと薄いかなぁというくらいで丁度いい。

 大鍋につゆを張って大根、卵、鶏肉、こんにゃくを投入。

 沸騰するとアクがコポコポ湧いてくるので丁寧に取る。

 ここは時間をかけて作業をしたい。

 鍋の火加減を最弱にしてお昼ご飯をササッと食べたら後半戦。

 じゃがいも、にんじん、練り物各種を加えて煮込んでいく。

 火加減は弱火でコトコト。

 大体一時間くらい煮込んだら火を止める。

 煮物は冷める時に味が染みるので美味しいおでんを作るには火を点けたり消したりがとても重要なコツである。

 これは昔漫画で読んで覚えた知識だが煮物全般のクオリティが格段に上がるので是非お試しいただきたい。

 そうやって朝からおでんの世話をしてただ今時刻は夕方5時である。

 台所から煮物のとてもいい香りがふんわりと漂ってきている。

 からしも抜かりなく辛味抜群の粉がらしを用意した。

 食べる直前に掻いて鼻にツンツーンと来るのが楽しみだ。

 お酒は辛口の純米酒を用意した。

 もちろんビールも一人3本まで。

 ああ、思う存分料理をして楽しかったなぁ。

 さっきちょっとだけつまみ食いをしてみたらそれはもう…。

 いやぁ充実した1日を過ごした。
 
 出来るならば台所に住みたいものだ。

 では妻を呼んでいただきます。

 今日の感想はご想像にお任せいたします、いひひ。

 

 

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