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今風の戦い方

 推しがミニキャンプ後から見違えるようにホームランを量産している。私の大城押しを知っている他部署のおじさんが「すごいねえ〜こないだなんか三戦連発じゃん!」と言ってくれたので鼻高々だ。テレビを見ていても、この写真のように得点追加表示とともに映ると大変誇らしい。そして、歳のせいか涙もろく、打ってすぐは「やった〜」と叫んでいるが、もう次の次の打者が立った頃に、あの灼熱孤独のミニキャンプを思い出し、しくしく泣き始める。ズレすぎだろう、私。そこそこ年齢も重ねてくると、起きたことに対しすぐに「わあ〜素敵」とかではなくいちいちそこまでのバッググラウンドとかを考えてしまうので、感情が出るまでにタイムラグがあるようだ。

 大城選手のホームランはもちろんミニキャンプで鍛え上げた下半身の強さをもとにした力もあるが、パ・リーグの選手で良くみられるパワー型だけでなく、技巧派だと思う。右に左に真ん中にとその都度違う方向に打球は向かう。飛び方はライナー性の大谷翔平選手のような打球速度ではなく、以前にもnoteに書いたが、優しく、たんぽぽの綿毛が春の空に舞うような感じだ。だから外野手は捕球できるつもりでバックするが気がついたらフェンスオーバー。大城選手は井端弘和さんの言葉を借りると「チーム1、そんなに速くない」走りをさらにゆっくりとのしのしさせ、ホームに到着する。毎回迎えに出ているがちょっと待ちくたびれている一塁コーチャーの亀井コーチをみるのもまた一つの楽しみ方である。

 と、ここまでは3日ほど前の昼休憩の時間に書いていたのだが、昨日は0−13という大敗。推しは早々に交代になった。まあ、「休むことも仕事だよ」ということだろうが、おそらくミニキャンプではなく、「ミニミニソロキャンプ」として下がった後も自ら裏でバットを振っているに違いない。プロ野球とは思えない大敗だが、人生の1日がそんなこともある。令和の世の中、Z世代中心のチームには厳しい言葉よりも「まあそんな1日もあるさ」というような声掛けや、選手とファンが同じ方向を向くような戦い方の方が今風なのかもしれない。