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ひとりの時代がきた

 コロナ禍前、うちの職場はどの病棟も休憩はみんなで同じところで食事をしておしゃべりをしていたが、このご時世になってから密回避のため、院内の広い談話室などが休憩スペースとして開放された。

 これは朗報だった。うちの休憩室にはテレビがない。だから皆で駄弁るしかない。ところが既婚・ママさんが多いため、保育園がどうの、学校がどうの、西松屋がどうの、アカチャンホンポがどうの…と申し訳ないが自分に縁のない話を聞く羽目になっていてこれがなかなかつらかった。一番しんどかったのはなぜかお互いのお産の思い出を語っていた時だ。

 この休憩スペース開放を機に同じように駄弁り集団から抜けたのは私だけではなかった。私も含め、ひとり時間確保組はそれぞれ短い時間で仮眠したり、本を読んだり、資格試験の勉強をしたり、その時間で一度仕事頭を抜いている。

 集団から抜けると、後でなんか美味しいものの情報のやり取りから持ち寄りあったりする関係性や、そのスタッフにどんな子供がいるのかは疎くなる。けどそれって、仕事する上では不利なことは一つもないし、離れ休憩の私たちにも「今度これをお取り寄せするんだけど一緒にどう?」と声かけしてくれる人もいて、逆に人間性が分かったりもする。

 「おひとりさま」という言葉がネガティブ感満載だった時代から確実にポジに変わってきているな。

 写真は無印の電気鍋。ひとりに最適ってやつ。ばか売れしたらしい。横のシーサーのぬいぐるみと話す、そんなおひとりさまも胸を張って生きるよ。