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なぜ事業メンバーには組織が見えず、組織メンバーには事業が見えないのか?

はじめましてじゃない方もはじめまして。ユージオーニシと申します。
ぼくはナイル株式会社で2回異動を経験し、マーケコンサルと採用をそれぞれ経験しました。

そこで今回は、自分の短いキャリアの中でも見えてきた、事業サイドと組織サイドの視点がズレるポイントについて、まだ組織側の記憶が残っているうちに備忘録として書いておこうと思います。

※今回のnoteはあくまでズレが生じるポイントや構造について言語化する試みです。課題やその解決方法のノウハウは書いていません。

※また、今回書いているのは全てナイル株式会社のデジタルマーケティング事業部と社長室での実体験が元となった、主観に基づく話です。ベンチャー全てがこうではない、というのはもちろん理解しています。あくまで主観のメモとして、役に立ちそうなネタがあったら持って帰ってください。

日常的に「組織」に触れる・思う機会がない事業メンバー

事業メンバーのミッションは「事業で結果を出すこと」。
一方で、組織に関する情報や役割を得る機会はなかなかない。

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■事業メンバーは「組織を良くすること」が求められる機会が少ない

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事業部のメンバーにとって大事なことは、「自らに与えられた目標を達成すること」です。多くの場合、それは売上や利益などといった数値です。

企業と個人の間にある雇用契約は、事業ミッションと個人ミッションに形を変えて二者の関係を結びます。

多くの人にとって個人ミッションは自身のキャリアに紐付いた「やりたいこと(あるいはやろうと思えること)」が設定されると思います。

この時、元々「組織」や「チーム」に対する関心が高い人でない限り、あまり組織に関することを絡めたミッションを設定する人はいないと思います。

それに、そもそも、事業側にメンバーとして入ってくる人に求められるのは「仕事で数字を作ること」。組織のことは仕事に含まれず、「自分の守備範囲」の外側にあるものになると思います。
※選考に関わるメンバーを除く

■組織戦略の重要性について知る機会がない

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採用側に異動して実感したのは、事業が成長するためには組織計画が超重要であるということです。

事業が今よりも良い状態に至る道(事業戦略)を踏破するためには、その道を進むのに相応しいチームを作ること(組織戦略)が必要です。

しかしこれらの話は、マネージャー以上の関心事項であることが多いと思います。
メンバーにとって大事なのは「目の前の仕事で成果を出すこと」「そのためのスキルを身につけること」。(少なくとも2年前の自分はそう思っていました)

組織がどうあれ、結果を出して褒められたいし、着実に成長したいだけでした。

当時はあまりチーム全体で結果を出すタイプのビジネスモデルではなかったのも関係しているかもしれません。

■採用計画を知らない
あとは単純な話で、自分のチーム以外のチームがどんな姿を目指していて、そのためにどんな人を採用しようとしているのか?を知りませんでした。

正確にいうと、「全社経営会議」や「オールメンバーズMTG」という全社・事業全体の共有会の場で話は聞いていたのですが、いかんせん守備範囲の外側の話なので頭に入ってきていませんでした。

まとめると、事業側にいた時は意識・情報の両面で「組織」についての情報に触れる機会や考える必要性を感じる場面が少なかったように思います。

「事業の今」を知る余裕がない組織メンバー

組織メンバーのミッションは「採用・組織計画を達成すること」。
一方で、事業のことをキャッチアップする時間がなかなかない。

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■物量との戦い

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採用業務でまずぶつかったのはタスクの物量でした。
採用計画のオープンからクローズまでに人事が行うタスクは以下の通り。

採用要件をまとめて求人媒体やエージェントに連絡して求人をオープン。
応募があったら書類選考をして通過した人には面接を実施
一人ひとりがいつ面接をするのか日程調整のやりとりをする
所感を回収して次にどうするか決める
選考官には前の面接の情報を渡す
内定が出れば条件を調整して連絡し、入社日までドキドキしながら過ごす…みたいな感じです。

これを、多いときには200人弱、同時並行で進捗を管理して進めるのです。

単純に時間が足りません。面接1件60分として、一日に5件面接をするともう他のことをする時間はありません。

毎日がこの繰り返しでつらたにえんの無理茶漬けだったので、うちは採用チームを拡大してなんとか対応してきました。

こんなんだったので「事業部が今、何を考えてどうしようとしているか」を細かくキャッチアップする余裕はありませんでした。(マジ反省点でもありつつ、しょうがなかったかなとも)

■「事業の方針」と「メンバーが今どう思ってるか」は違う

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そんな中でも、隔週・毎月・四半期のタイミングで事業部の戦略の方針を聞き、採用に落とし込むコミュニケーション機会は取っていました。
この時話す相手はマネージャー~事業責任者クラスでした。

責任者が何を考えているのか、は随時アップデートされていたものの、メンバー個人個人はどう感じ、考えているのか?を把握する機会はなかなかありませんでした。

チームの方針と個人個人の思いが完全に一致していることはほとんどないと思います。大枠で共感しながら、個々人が思うことは十人十色のはず。

採用や組織に協力してほしい人がいるのであれば、彼らが何を思い、考えているのか?をきちんと聞く機会を持つができていたら、自分の採用業務もまた違う結果になっていたかなと思うことがあります。

事業部のメンバーに戻ってきて思うこと

■事業側にしても組織側にしても、お互いの視点を知る機会や動機が少ない
結論として、ナイルにおいては、事業メンバーはミッション的な理由で、組織メンバーはキャパシティ的な理由でお互いのことを知る機会がなかなか取れない構造になっていたんだと思います。

これは個々人のやる気とかそういう次元の話ではないはずです。

これを解消するためには、上段での情報発信(事業戦略・採用計画を相互に伝え合う)と、下段での日常的なコミュニケーションが必要だったなと思っています。

ナイルでは今、まさにその体制ができつつあります。

自分は組織と事業の両面を経験して再び事業に戻ってきた、というなかなかレアな経験を積ませてもらったので、その経験を活かして両サイドの橋渡しができると思っています。それが実現できれば事業貢献的な意味合いで希少価値の高い人になれるかも?と思いました
(まずは本業で成果を出すのが前提ですが笑)

おわり

ここまで書いてきたようにナイルは今、組織的にも事業的にもアツいフェーズに入ってきたので、興味がある人はこの辺をチェックしてみてください↓
採用情報(中途・新卒) | ナイル株式会社

ナイルのかだん(どんな人がいるの?とか色々載ってるオウンドメディアです)_

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