見出し画像

夜に泣く

ゆうちゃんの四十九日をすぎて、2〜3日が経ったある夜のこと。

不思議と、気持ちが沈む夜だった。
何もする気が起きず、精神的に息苦しい感じ。
「ただ、ぼんやりとした不安」とは芥川龍之介の遺書の一説だが、この時の私の気持ちを言語化するのならば、これが一番近い気がした。
いつにも増してTwitterから離れられず、深夜帯で更新がほとんど無いタイムラインを何度も眺めて、アプリを閉じる開くを繰り返していた。

お風呂に入るのすら鬱陶しかった。
いい加減、Twitterの開け閉めも飽きて来たので、翌日は仕事が休みだったこともあり、
そのまま寝てしまうことにした。

冷たい海の底にゆっくりと沈んでいくような、とにかく気持ちがどんどん落ち込んでいく夜だった。

適当にパジャマに着替えて布団に潜り込んだ。

目を瞑っても、全く眠くならなかった。
買い換えたばかりの布団は冷たくて全く暖かくない。

何とか寝ようと瞼に力を入れていると、ふと、ゆうちゃんのことが脳裏をよぎった。

認知症になったことや、歩けなくなったこと、介護生活のこと、亡くなった日のこと、火葬場に連れて行った時のこと…。

思い出しながら、漏れてくる嗚咽を抑えられなくて必死に口を押さえる。
ぎゅっと瞑った両目から、ぼろぼろと涙が溢れた。

ゆうちゃんのことを考えながら、ひとしきり、暗い部屋で泣いた。

初めてのことに戸惑いながら、泣き続けて、そして眠りについた。

特に夢は見なかった。

ただ、寝る前の重苦しい気持ち、まとわりつく様な不安は消えていた。

こんなこともあるのだ。
こんな夜を過ごして、少しずつ、気持ちが落ち着いてくるのかもしれない。
寂しい気持ちはまだ残ってはいるが、きっと、大丈夫だ。

まったりする

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?