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信じるものは救われる(はず)

『A.I.』という映画、ご存知でしょうか。

スタンリー・キューブリック監督が作ろうとしていた矢先に亡くなって、スティーブン・スピルバーグ監督が後を引き継いだSF映画。

個人的にはこの映画、色んな意味でホラー映画だなと思っています。

母親が我が子やA.I.の男の子に向ける愛情も、A.Iの男の子が母親に向ける愛情も、時にとても独善的だったり狂気的だったり、人間のエゴが剥き出しだったり、無垢な子供の怖さだったり、とにかく、公開当時は怖いという感想しか出てきませんでした。
(スピルバーグ監督だったから、この程度なのであって、キューブリック監督だったらもっと嫌な感じになっていたと思う)

愛情は、時に狂気に映るものだと私に教えてくれた作品でした。

最近、愛犬を亡くされてペットロスになった方が、新しい子犬を迎えたというお話をネットで目にしました。

喜ばしい話だと思ってログを眺めていたら、

『亡くなった子が生まれ変わってやってきた』
と。

その方、亡くなった愛犬が好きすぎて、絶対また自分のところに生まれ変わってきてほしいと、亡くなる前に愛犬にお願いをしていたそうです。
で、ある日ついにその運命の生まれ変わりちゃんに出会ったそうです。
生まれ変わりと信じるに足る根拠もあって、その方はとても喜んでおられました。

私は、良かったなと思う反面、どうしても違和感が拭えなくてこのnoteを書いています。

私だって、ゆうちゃんの生まれ変わりちゃんがいたらその子に会いたいし、その子を飼いたいな、と思うでしょう。この方が、前のワンちゃんの生まれ変わりだと納得できる子犬に巡り会えたのは、本当に良かったと思うんです。

そう思う一方で、なんというか、生まれ変わりだと信じられた子犬ちゃんがなんとなく可哀想な気もしてきてしまうのですよ。『生まれ変わり』って言われちゃったら、別の個体なのに、その子の犬生じゃなくなっちゃうのでは…と。

亡くなった子が好きすぎて、生まれ変わりを求めて、実際にその生まれ変わりを自力で見つけるって結構怖いと思っちゃったんですよね。

よそのお家の事だし、御本人にとっては喜ばしいことなので、水を差すのは本当にどうかと思うのですが、吐き出さないと心のモヤモヤが晴れそうになかったので、ここに残してみました。

書いててもやっぱりちょっと怖いなって思いました。

それはそれとして、その飼い主さんと生まれ変わりちゃんの幸せを切に願う私です。
(嘘くさいな〜)

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