Youtuberに、俺はなる。
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「Youtuberに、俺はなる。」
Nanako Shiraishi**
「俺、会社辞めてYoutuber になる。」
このセリフの主は誰でしょう?という質問をされたら、あなたはどんな人を思い浮かべるだろうか。年齢、職業、地位、肩書……なんでもいい。私なら「新卒2,3年目ぐらいの男の子で、他にやりたかった仕事があるのに、不本意な部署に回されて、縦社会に嫌気がさしちゃった子かな。」と答えたいところだが、実際の所、これは私の父親のセリフだ。
父親は今年59歳。
勤続35年目の会社員で、
来年の誕生日で定年退職を迎える。
初めのうちはそれも冗談で、母親も私も、年金受給開始までの5年間、再雇用制度を使って会社勤めを
継続するものだと思っていた。
(というか、世間的に
「そういうものだ」と思っていた。)
しかし、定年まであと1年となった今、彼の“Youtuber計画”は
現実味を帯び始めている。
再雇用制度を使うと年収は500万位。現給料の半分以下に落ちるとは言え、夫婦2人が生活するには十分だ。
逆にこれを逃せば年金受給までの5年間、会社から支払われる手当等合算しても、月20万弱で暮らねばならない。
「月20万じゃ生活できないでしょう、どうすんの?!」と母が問うと「デイトレーダーになって生活費稼ぐ!そんでブロガーになって、最終的にYoutuberになる。」と、父は答える。これじゃ新卒2,3年目の男の子のレベルを通り越している。更に右手にはおニューのGoproを掲げ、「だってこれもう買っちゃったもーん」と言う始末。最早小学生男児と同等だ。
ただ、そんな父の気持ちはわからないでもない。彼は家族を養うために35年間働き続けた。千葉の郊外に家を構え、そこから約2時間掛けて会社に通った。私が小学生の頃は多忙で家に帰ってこれず、ビジネスホテルに連泊することも多かった。それでも家の中で仕事の愚痴は吐かなかったし、その間身体を壊す事もなかった。だからこそ、「身体が動くうちにやりたい事に手を出したい!」と思ったのだろう。もともと多趣味な人だ。
そう思うのも無理はないよなと思う。
老後のお金の不安は尽きない。
まとまった退職金があっても、年金は5年間入ってこないし、大きな病気に
かかるかもわからない。
私だって「もし自分が潰れてももう親を頼れないか」などと思ったりする。
それでも「えーい!」と決断して、新たな人生の幕開けに期待をしている
彼の姿が眩しい。
そんでもって、ちょっと、羨ましい。
私もここで思い切って「えーい専業主婦になる!会社辞めて主婦ブロガーになる!」位の事を言ってみたいものだ……と思う日々である。
◇◇トンネルマガジン◇◇
どうだった?
Youtuberになりたいのが
まさかお父さんだったとは!
行動力があって素敵だよね。
じゃあ、次の質問。
さっきは「いっぱい」
お金があったらなにに使いたい?
って聞いたけど
「ちょっと」お金があったら
なにに使いたい?
・やっぱり自分の将来のため。
・ちょっとそこまでドライブしたい。
・まずは異性と出会いたいな。
・のど乾いた。ジュース飲みたい。
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