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臨済録のうんこ

 結論から書くと臨済録で強烈に印象に残るうんこ『乾屎橛』『糞塊』『屎塊子』は百丈広録の『除糞』の糞ではないかというのがこの駄文の趣旨です。 臨済録とは臨済宗の祖とされる唐代の禅僧臨済義玄の記録を集めたものです。  乾屎橛から。  師は上堂して言った、「諸君の裸一貫の身に位階なき真人がいる。それが顔から出入りしておるぞ!」すると僧が一歩踏み出して問うた、「位階なき真人とは、なんでありましょうか?」師はただちに禅牀を降りてひっ捕まえて、「言え!言え!」僧は何か言おうとするや、師

    • 中世と近世のあいさ

      大和は吉野の里に座頭がいた。盲て十ヶ年ほど、その間いろいろと手を尽くし女房も彼を介抱したがその効はなかった。座頭は霊験あらたかと言う川上の地蔵へ参詣してみようかと女房に話すと女房も賛成したので座頭は思い立ったが吉日と女房に留守を頼み女房も留守は心配しないでと送り出す。座頭は、 「あすは早々戻って逢うぞ」 女房も、 「明日早々お目にかかりましょう」 と言い、二人は、 「さらば」 と言い合って座頭は出かけた。 翌日、女房は心配して川上の地蔵の近くへ迎えに行くと座頭の目はすっかり治

      • 曖昧な記憶に基づく無粋で胡乱な書付

        (文中において敬称を略すことをお許しください。さらに全てうろ覚えです。) 明石家のんきがラジオに出ていて、明石家さんまに「ギネスに載るような人なので筆頭弟子を譲ったんですよう」という話をしてはった。あくる週に笑福亭松之助が同じ番組に出て、パーソナリティに、さんま以外の弟子は、と水を向けられて、 「そんなん、ほか、来よりまへんがな。おりまへん!」 と答えていた。 ラジオなのでどんな表情であったのか全くわからないが、舌の一つでも出していたかもしれない。パーソナリティもそれ以上聞

        • ほぼただのメモ

          柳田國男未採択昔話聚稿という本がありまして、未採択とありますように集められたけれど発表はされなかった昔話民話の資料が傷みが激しくなってきたことなどがあって本としてまとめられて出されたものなんです。未採択となったわけは、まあ、大体は穏当な理由、既に類話が多くあったとかページの都合などようですが、中には創作や潤色のものもあったようです。 その中に雑誌『旅と伝説』昭和9年(1934年)12月号は昔話の特集を組んだようでその前後に報告された桃太郎に似た筋立ての『ボボ太郎の話』という

        臨済録のうんこ

          言う者は知らず。百姓は日に用いて知らず

          いきなりですんませんけど、とりあえず、馬祖道一という中唐の頃の禅僧の話を読んでもらいたい。 僧が馬祖に問うたんです。 「ごちゃごちゃ言わんとわたいに西来意を直に指差しとくなはれ」 馬祖は、 「わし、気ぃ乗らんよって、智蔵に問うてくれ」 僧は智蔵に問うたんですな。智蔵は、 「おまはん、なんでおっしょうはんに問わへんのや」 僧は、 「おっしょうはんがあんたはんに問いにいけ言わはったんですわ」 智蔵は頭さすりもって、 「今日は頭痛いんや、おまはん、懐海師兄に問いにいけ」 そんで僧

          言う者は知らず。百姓は日に用いて知らず