オタク受けと一般受け問題

アイドルの番組って、オタクが求めるものと一般人が求めるものの違いが大きいから難しいなぁと最近よく思います。まぁ、アイドルに限った話ではないと思いますが。

オタクが好むものは特殊?

オタク受け一般受けで差が大きいなぁと思うのはTBS某番組ですね。そもそも地上波に移行したときから色々とオタク内では噴出していました。思ってたんと違う!と。
配信時代の内容ってまさにオタク受けだと思うんですよね。アイドルがキャッキャしている、それこそ、FC動画に近い感じ。で、それが地上波に移行してしばらくは確かに似たような感じ(アイドルだけでキャッキャする)でしたよね。コロナ禍の中、おうちでお子さんをお預かりするのは難しいこともあるのか内容は随分変わりましたが、本質である「グループだけで完結する」「アイドルがキャッキャすることを眺める」は変わっていません。

ですが、先日の地上波プライム帯特番に伴って、番組内容にかなり大きなテコ入れがありました。他の芸能人を呼んで、そこにメンバーの数人を投入し、残りのメンバーはVTRを見てガヤを入れるよくあるバラエティ方式です。後期の嵐の番組に近い「アイドルがゲストをもてなす(?)」という方向性。

そこでオタクたちが物申していたのを覚えています(私のTLだけかもしれませんが)
でもそれって仕方ないことでしょう?と思うんですよね。
だって、アイドルが内輪でキャッキャしてる番組って一般人見ます?
少なくとも自分は見ないですね。ていうかオタクたちも見ないでしょ。事務所担ならジャニーズアイドルのもの全体的に見るかもしれないけど。他事務所のアイドルが自分達だけでキャッキャしてるの見ても「なにこれ?」という反応になりません?

「冠番組なのにメンバーの出しろが少ない」問題

番組形態の変更で一番見かけたのがこれでした。
確かに、冠がついているのに、ほとんどメンバー出てないじゃん!はすごくわかる。でも、ワイプ方式じゃなくて、画面下にずっとメンバーいるじゃないですか。わざわざめんどくさい合成方式を取ってくれているのって、制作側の好意だと思うんですよね。

あと、ひとつのテーマに対してメンバーから一人しか選出されないのも、制作側が適性を考えてくれた結果なのかなぁ……と思ったり。
ジャニーズWEST、争いごと向いてない人が多い気がしません?
普段のトークとかFC動画とかでも「俺が!俺が!」って人がいない。
先日のWESTん家のカルタ大会でも、カルタの最後の一枚が遠慮の塊になる状況とか見たことないですもん。(余談ですが、「勝負に敗れた~」の淳太君のモジモジ感めちゃくちゃ可愛かった。いつも鬼進行だから自らがぶっ込むことに慣れていないし、あんまり言うタイミングでもないのに思いついたからどうしても言いたい……という感じ)
全員が場の空気を理解して、一番の適役にスッと場を譲ることが多いんですよ。何が何でも俺が目立ちたい!じゃなくて、ここの場面で輝くのはこの人、というのを自然に実現できる。ああなんて良いグループ!

グループとしての最適解を導き出してしまうから、グループ内で争わさせるのがあまり向かないんですよ。それをわかってての一人選出型なんだと思いました。

制作側をもっと信頼しても良いかも

オタクは過保護になりがちで、どうしても自分たちの求めるものが欲しくて、それが一般にも受け入れられると思っている(なぜなら対象が最高で最強だから)
でも、自分がマジで興味の欠片もないコンテンツが、そのコンテンツだけで閉じてる番組やってても見ないですよね? 動物が嫌いな人は動物の生態を紹介するだけの番組は見ないでしょう。そこに、「面白動画要素」や「好きな芸能人」とかの要素が足されれば見るかもしれません。
アイドルもそれと同じで、「アイドルだけ」で誘えるのはオタクだけ、そこに「他の芸能人」「面白対決」とかを足せば他の人を引っ張り込める。それが視聴率や知名度のアップにつながるんですよね。そういうところはやっぱり番組作りのプロの方が詳しいわけじゃないですか。強い味方の某P氏にいたっては「内容に賛否両論ありますが」とオタクの気持ちでさえしっかり考えてくれていますし。

Twitterトレンドというわかりやすい成果が欲しいのなら、オタク向けをずっと作ってれば良いのに、そうではなくて、きちんと演者がより多くの人の目に留まるように試行錯誤してくれる人が制作側にいるってなんかすごい良いことじゃないですかね。

オタク得だけではアイドルの飛躍にならない

オタクからしてみれば、配信版の方がメンバーの仲の良さとか面白さが全面に出ていて、彼らの魅力が存分に伝わるというのはよくわかります。
突然始まるコントだったりとか、お子さんの面倒を見るときの連携、時にはちゃんと叱れるすごさ、食べ方の綺麗さとか。でもそれは、ジャニーズWESTを知っている人にしか響かない。一般人の方々にはまず「顔と名前だけでも覚えていってください」が大事なんだと思うんですよね。その入り口としてのあの番組はすごく良いと思います。
コメントの面白さ、器用なやつ不器用なやつ、メンバーに対するメンバーのやさしさとか、知らなくても「おっ」と思える部分はきちんと残してくれていますし。あと、深夜にザッピングしている時に、途中から見ても何してるのかわかる番組構成なのは強いですよね。そういうことから考えても、一般知名度をじわじわ上げるためにはちょうどいいな~と思います。

アイドルの飛躍を願うなら、オタクは我慢する場面が増えていくのは悲しいところかもしれないですが、グループだけの動画は幸いにも月1で長尺のものを上げてくれていますし、その動画企画が「WESTん家」と名付けられていることからホームで楽しむ彼らと外で頑張る彼らを見守れるのはオタク冥利につきるのではないかな。

追伸
7人そろって1日ロケが少し難しくなるくらいには彼らが忙しくなっているのでは?とも思います。