神様のお話(ヒーリングワークショップのお礼に代えて)

神様がいた。



小さな森にも、色々な出会いがある。

いつもの時間に犬の散歩をする人や、
ウォーキングでにぎやかに遊歩道を周回するおばさまがた。
手をつなぎ、空いている手で杖をついて
ゆっくりと歩く老夫婦、
森のベンチで仲間と落ち合うおじいさんたち。


今年のはじめに会社を退職してからというもの、私もお日さまの出る頃合いを見計らっては1日に何度も銀と森で過ごしている。


自分が何者でもなくなってしまったような気持ちだったこと。
小さな銀を見て、心ない言葉を掛けられたくないと思っていたこと。


私は誰かと話すということを極端に嫌って、
春になる頃までは彼らに出会っても
散歩の進路を変えたり、彼らが近づく前にベンチを離れたりして
なるべく関わりを持たないようにその小さな森を逃げ回っていた。


あるおじさんがいる。
おじさんは、大人しくて人懐こい赤毛の大きな犬を杭につないで
毎日遊歩道の掃除をしてくれたり、
その合間に赤毛の犬とたっぷり散歩する。


私と銀が森に行きはじめた冬の頃、
何度かおじさんが話しかけたそうにして
近づいてきたので、
そそくさと日向ぼっこのベンチから逃げた。
それはそれはあからさまに逃げた。

そんなことが何回か続いたのち、
おじさんはもう、私には近づかなくなった。
私がおじさんのそばに近づく前に、
犬を連れて去って行くようになった。

自分が招いたことなのに、なんだかさみしかった。
(そう、私にはそういうところがある。自分が先に仕掛けたのに。)


そんな関係性になってからは、
お互いに近寄ることもなく
私は「すみません、ありがとう」と心の中で言っていた。


遊歩道のお掃除、切り上げさせちゃってすみません。
でも、お散歩がゆっくりできます、ありがとうございます。


ヒーリングワークショップに参加させていただいた翌々日のこと。
その日は曇り空で、風も少し強かった。
体温調節の難しい銀のために買った、
届いたばかりの電池式の電気毛布で銀を覆って森に行く。

すると、あのおじさんがいた。
私はいつものように少し緊張しながらベンチのおじさんの方へバギーを進める。
普段ならばそろそろ私から離れるためにおじさんがベンチを立つのに、
今日は立ち去らない。
なんとなく私と銀を待ってる感じすらする。


「こんにちは。・・・今日は少し寒いですね。」


思いきって挨拶した私に、おじさんは言った。


「寒いか?まだ『涼しい』、って感じだろ。」


「あ・・・そうでしょうか(笑)なんか寒いなって思っちゃいました(笑)」


そこまで話すと、おじさんはおもむろにベンチから立ち上がって出口へ向かう。

背を向けながら、おじさんは私にこう言った。



「アンタが元気じゃないと。」

「この子のために、アンタが元気じゃないと。」




あぁ。

神様が、いた。


私は、休むことがなかなか出来ずに疲れ果てていた。
先生から「休みなさい」と言われていたのに今日も来てしまった。
母への義務感やら何やらでどうしていいかわからなくて、今日も来てしまった。


休む勇気が出ない駄目な私を見て、
神様がおじさんを介して言葉をくれたんだ。


「この子のために、アンタが元気じゃないと。」



ほんとだ。
ほんとにそうだ。
目が覚めた。


その日はその後、サクッと「帰るね」と母に告げ、
久々にバスタブにつかった。
冷えた身体が湯に痺れ、次第に感覚を取り戻していく。
その翌日は、何もせずにとにかく眠った。
罪悪感なしに、とにかく休んだ。



これが私の、神様のお話。
神様はいることをまた思い知った、ちっぽけな私のお話。



先生はきっと「ほらね」と柔らかく苦笑なさることだろう。
「私のいうことは素直に聞けなくても、神様はいるでしょう?」と。


見捨てないでいてくださって、ありがとうございます。

感謝しか、ありません。。。!


先生にヒーリングワークショップに誘っていただいて、
勇気を持って参加できてよかった。

そして、先生の愛に触れて、
ご一緒できた皆様との時間がどれだけ私の力になったことか。

少しずつでも、私も200の勇気を出せることが増えて行ったらいい。
この世界には、愛と祝福しかないと思い知ることを恐れずに行ければいい。


このnoteは私の200の最初の一歩です。



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