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細田守『竜とそばかすの姫』(の、寓喩と演出についてのメモ)

とかく細田守は誤解されやすい作家だとおもう。前作『未来のミライ』など顕著な例だったが、映像的な技巧によって観客の解読を惹起する側面がこと細田作品については「なぜかいつも」おしなべて閑却され、おおむねリアリティや蓋然性の側からのみ評価されがちなのだ。これには徴候的なものさえ感じられてしまう――とはいえ実際のところ、この作り手がいつも寓話性とリアリティとの折衷に苦心しているようにみえるのもまた事実で、正味この夏の新作『竜とそばかすの姫』についてもその印象はまったく変わらない。あま

    細田守『竜とそばかすの姫』(の、寓喩と演出についてのメモ)