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「線スケッチ」の立場で本を読んでみた

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この読書感想シリーズは、通常の書評形式ではなく、以下のような方針で取り上げています。 <方針> 1.書籍全体の書評ではなく、「線スケッチ」の制作に役立つ部分を取り上げ紹介する。 … もっと読む
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記事一覧

鈴木春信「黒ベタと漆黒闇夜」の美、専門家の評価を発見:藤澤紫監修「鈴木春信決定版…

(かなり長文になります) はじめに これまでに私は下記の二つの記事の中で、鈴木春信の「黒…

お詫びいたします。「鈴木春信」2017(東京美術)の著者様

(長文になります) はじめに 表題を見た読者はおそらく一体何のことかお分かりにならないでし…

「ドラッカー・コレクション 珠玉の水墨画」千葉市美術館 美術出版(2015):西洋の知…

 記事(その4)からの続きです。今回が最終回です(長文になります)。  展覧会の訪問記を…

「ドラッカー・コレクション 珠玉の水墨画」千葉市美術館 美術出版(2015):西洋の知…

(その3)より続く(長文になります)  前回の記事その3では、講演記録「ガイジンの見た日…

「ドラッカー・コレクション 珠玉の水墨画」千葉市美術館 美術出版(2015):西洋の知…

(その2)より続く。  前回の記事、(その2)では、ドラッカーが日本美術の収集を始めた初…

「ドラッカー・コレクション 珠玉の水墨画」千葉市美術館 美術出版(2015):西洋の知…

(その1)から続く。 ドラッカーが語る日本の水墨画の独自性日本美術へのラブレター  20…

「ドラッカー・コレクション 珠玉の水墨画」千葉市美術館 美術出版(2015):西洋の知は日本美術の独自性をトポロジカル空間にあると見た!(その1)

 この記事は、前回の記事、『島尾新著「水墨画入門」岩波新書(2019):身体・五感で見る水墨。日本の独自性が分かった(気がする?)。その4(最終回)』の最後の「追記」で約束した、ドラッカーが考える日本絵画の特徴について書いたものです。  詳しいいきさつを知りたい方は、その記事および追記をお読みいただければ幸いです。 はじめに 本書の主役である、ピーター・F・ドラッカーは、亡くなって20年近く経つ現在においても、「現代経営学(マネジメント)の父」として、ビジネスに携わる方なら

島尾新著「水墨画入門」岩波新書(2019):身体・五感で見る水墨。日本の独自性が分か…

前回の記事、その3から続きます。 この記事が最終回となります(長文になります)。 「水墨…

島尾新著「水墨画入門」岩波新書(2019):身体・五感で見る水墨。日本の独自性が分か…

 前回の記事、その2から続きます。 イリュージョニズムの山水画 記事、その2の最後に述べ…

島尾新著「水墨画入門」岩波新書(2019):身体・五感で見る水墨。日本の独自性が分か…

 前回の記事、その1から続きます。 水墨画の存在様式 著者は、第2章「水墨の発見」で、「…

島尾新著「水墨画入門」岩波新書(2019):身体・五感で見る水墨。日本の独自性が分か…

はじめに 現在私は「線スケッチ」による作品を描いています。 「線スケッチ」は「ペン画」の…

知ってましたか? 驚きの最近の美術教科書

 以前投稿した下記の記事の最後に最近の高校生用美術の教科書について言及し、いずれ別の記事…

ゴッホは白い雨を見逃さなかった!(訂正とお詫び)

過去記事の誤りについて 本年9月22日付で投稿した下記の記事で、ゴッホの素描に浮世絵と同じ…

<ゴッホの手紙 上中下、硲 伊之助訳、岩波文庫>(補遺)日本絵画の影響はここにも! 平原(畑)への愛、すだれ効果、雨、余白について。

前回の記事から続く  ゴッホの手紙感想文の(補遺)として、(1)「平原(畑)への愛」、(2)「すだれ効果」、(3)「雨」について書いてきましたが、いよいよこれで最後になります。(4)の「余白」についてです。これまで投稿した(補遺)の記事を末尾に示しますので、ご興味のある方はご覧ください。 (4)日本画で鍵となる「余白」はゴッホの素描に一時現れたが、その後は消え、逆に空までも線で埋め尽くされるようになった。  「ゴッホの手紙」の中に紹介された素描に興味を持ち、感想文を書い