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『ミライの授業』14歳が読んでも14歳以上が読んでも、すごく応援される本。オススメです!!

こんばんは、オオハシです。今週も瀧本哲史さんの本で行ってみたいと思います。この本、すごく応援されました!元気が出ました。投資家であった瀧本さんがミライへの投資、という形で14歳の読者を想定して発刊された本。帯には『これは14歳に向けた「冒険の書」であり、大人たちが知るべき「教養の書」である。』とある。僕が14歳≒中二病とよばれる脳みそのままオトナになりきれていないからか、ものすごく染み渡りました。今日から行動を変えていこう、と元気が出ました。(二度書いた)


ミライの授業

瀧本 哲史 著
2016年6月の本

 本書の内容としては、19名の偉人を紹介しながら、未来に向けての若者に道筋を与えていく、巻末には「21世紀の『君たちはどう生きるか』を目指しました」とあり、まさにコーチのように導きながら、しっかり自分の未来を切り拓いていけ、と応援してくれる本。14歳はもちろん、まさに大人になってしまった自分達が読んでも非常に勉強になり、励ましてくれた本。

 偉人たちの紹介においては、自分では知らなかった事実もたくさん記載いただいており、我ながら知識不足を恥ずかしくなりながらも、へーそんな人がいたんだ、と勉強になった、と思ったりすることも多数。偉人のエピソードを紹介しながらも、「未来は君たちが変えていけ」という応援メッセージがシンプルで、元気が出る。(三度目だ)

 先行きの見えない不確かな時代、行動と実験を重ねてデータをもって理論を導き出す。なにを信じ、なにを疑うか「人を疑うのでなく、コトを疑う力」なのです、とメッセージされている。『変革者はいつも「新人」である』という章があったり『賛成する人がほとんどいない真実を探せ!』という章があったりする。極めつけはこの部分

みなさんが世界を変えようとするとき、自分の夢をかなえようとするとき、周囲の大人たちが応援してくれると思ったら大間違いです。大人たちが応援するのは、自分の地位を脅かさない若者だけ。つまり、「世界を変えない若者」だけです。大人たちからすれば、みなさんの手で世界を変えられることは、大迷惑なのです
(中略)
今日の特別講義で紹介した変革者たちを、ひとりずつ思い出してください。世界を変えてきた変革者たちは、小さな違和感を大切に育て、自分だけの「賛成する人がほとんどいない、大切な真実」をもっていたはずです。
(中略)
逆風が吹き荒れても、周囲の大人たちがこぞって反対しても、怒られ、笑われ、バカにされても、そこでくじけてはいけません。
あなただけの「ミライ」は、逆風の向こうに待っているのです

ミライの授業 P245

ほんとすごく力がでる。おかしいことをおかしいと言っていいんだ。やっぱり僕はアナキズムが好きであるし、「君は君らしく生きて行く自由があるんだ 大人たちに支配されるな」。サイマジョが僕が大好きだ、ということを改めて感じさせていただけるメッセージ。

(くしくもこの本が発刊された年とサイマジョがリリースされた年がおなじ2016年だった)


 お客様のデジタルトランスフォーメーションへ貢献する仕事を行っているものとして、また頑張っていこうと思います。(読書レビュになっていない) こうして世界を変えることを夢見た瀧本さんがあまりに早くにご逝去されたこと、悲しい事実です。改めましてお悔やみ申し上げます。

  

さて、その他の引用です。

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勉強って?

みなさんは、勉強そのものが嫌いなのではありません。
勉強という、「やる意味がわからないもの」をやらされることが、嫌いなのです。

ミライの授業 P24 

 まだ誰も知らない、「あたらしい数学」を発見したからです。この数学を使えば、自然界の現象をどんどん説明していくことができる。ニュートンにとっての微積分学は、「あたらしい数学」というよりも、「世界を説明するためのあたらしい言葉」といったほうが的確なのかもしれません。

ミライの授業 P33

冒頭から、すごいインパクトを受けたけれども、この「勉強という、「やる意味がわからないもの」をやらされることが、嫌いなのです」からの説明はほんとすごいと思った。僕はあまり考えもせずに(当時はかなり)作業的に勉強していたという記憶もありますが、勉強の意味からこの「「あたらしい数学」というよりも、「世界を説明するためのあたらしい言葉」」という話への展開はすごいと思いました。多くの方が記載されてましたが、僕も14歳のときにこんな授業を受けたかったとは思います。「数学は言葉だ」というキーワードを別のサイトでも読んでいたのでこちらもリンクしておきます。


ニュートンから学ぶこと

 現代のわたしたちがニュートンから学ぶべきことは、たくさんあります。
 まず、中学時代の成績なんて、ほとんど関係ないということ。
 そして、たとえ(ケンカ相手を見返したい、というような)不純な動機であっても、本気で勉強すれば成績は伸びるということ。
 さらに、数学は哲学とは別の角度から真理を探究する学問である、ということ。
 それから最後に、どんなに苦しい環境に追い込まれても、たったひとりになっても、世界をひっくり返すことはできるということ

ミライの授業 P40

数学は哲学とは別の角度から真理を探究する学問」すごいインパクトがある言葉ですよね。僕も大人になってから哲学とかを学んで、数学は言葉だ、という話も学んでここの流れはすごく理解が深まったのですが、14歳のころとか高校生のころとか、特に高校生になってから数学がめっちゃ苦手になった(というか嫌いになった)ので、こういう説明を受けていたらもっと違った考え方になったのかな、とは思います。(数学が受験科目にない名古屋工業大学の後期試験で大学に合格しました)

 ベーコンは、議論をこねくり回す哲学ではない「観察と実験」の先に、未来を変えるような発明があり、発見があると考えました
 こうしてベーコンが唱えた、データ(観察と実験)を重視するあたらしい「知」の方法、事実を踏まえて、理論や結論を導き出すこの考え方は「帰納法」と呼ばれ、これこそがニュートンに受け継がれ、近代科学の基礎となっていったのでした。

ミライの授業 P44

「観察と実験」の先に、未来を変えるような発明があり、発見があると考えました。」ここも刺さりましたね。大人たちがなんだかんだと偉そうに理論理論で覆いかぶさってくることに対して違和感を感じ、観察と実験から知を生み出す。そういえばやはり「14歳からの哲学入門」も素晴らしかったのでここで引用しておこう。


ナイチンゲールはここがすごい!

 前線で負傷した兵士たちが、不衛生極まりない病院に送り込まれる。医療物資も生活物資も足りない、いたるところにダニやシラミがうごめくような病院に、押し込まれる。ここで感染症に罹患することによって、本来は助かったはずの命が失われていく。戦場の兵士たちは、戦闘によって亡くなるのではなく、劣悪な環境での感染症によって亡くなっていくのだ。それがナイチンゲールの結論でした。
(中略)
 そこでナイチンゲールが使った武器が、看護師の道に進む以前、ずっと学んできた数学であり、統計学だったのです。
(中略)
 
 たとえば、1855年1月の場合、感染症による死者が2761人、負傷による死者が83人、その他の死者が324人となっています。つまり負傷を原因とする死者の30倍以上もの兵士たちが、感染症によって亡くなっていたのです。
(中略)
 こうしてナイチンゲールは、ヴィクトリア女王が直轄する委員会に1000ページ近くにもおよぶ報告書を提出します。どんな権力者であろうと反論できない、客観的な「事実」を突きつけたわけです。

ミライの授業 P73

知りませんでした。すごく勉強になりました。世界の偉人伝とか小さい頃に少しは読んでいてナイチンゲールの名前ぐらいは知っていて、クリミア戦争とか、看護学校を作ったとか程度は知ってましたけれど、「統計学の先駆者」ということは全く知りませんでいた。(Web検索したらたくさんでてきましたけど…) こういった知らないことを知れるって、やはり勉強は楽しいと思っています。


事実を拾おう

 まったくあたらしい課題に取り組むとき、考えても考えても答えが見つからないとき、そんなときには、目の前にある「事実」を拾っていきましょう。たくさんの事実を積み重ねていった先に、答えは見えてくるはずです。

ミライの授業 P86

この一言だけで小見出しをつけるのもなんですが、やはり気になってしまったので、引用抜粋しています。営業フロントにおりますと、お客様の声という事実が多数積み上がります。事実を基にデジタルトランスフォーメーションの提案を進めていきたいと思います。


柔道の誕生

 「柔術を習い始めてから、あれだけ弱かったからだが丈夫になり、短期だった性格も我慢強くなった。柔術が、心とからだの両方を鍛えてくれたことは間違いない」
 そしてひとつの決断を下すのです。
「殺傷の術だった柔術の危険な技を取り払って、技に理論をもち込み、思想を加えていけば、心とからだの両方を鍛えるあたらしい『道』ができるはずだ
 人間形成をめざした柔(やわら)の道、すなわち「柔道」の誕生です。

ミライの授業 P138

嘉納治五郎さんのトピック。「一行のルールが世界を変える」という章。柔術と柔道の関係性もなんとなくは知っておりましたが、「技に理論をもち込み、思想を加えていけば、心とからだの両方を鍛えるあたらしい『道』ができるはずだ」という信念。『道(どう)』ができる。人間形成をめざした柔(やわら)の道、まさにルールを整備して世界を変えた事例として素晴らしいと思いました。


本物のデザイナー

 独自のファッション哲学で、女性たちをコルセットから解放し、女性たちを自立に導き、自由を与えたココ・シャネル。
 彼女はあたらしい洋服をデザインした女性ではありません。
 もっと大きな「あたらしい女性像」をデザインした、本物のデザイナーでした。

ミライの授業 P167

はずかしながら、ココ・シャネルさんのことはほとんど存じ上げておらず、勉強になりました。そうなんだ、そんなインパクトを残された方なんですね、勉強になりました。『「あたらしい女性像」をデザインした、本物のデザイナー』って素敵な表現ですね。19世紀までのファッションを葬り去ってしまった「皆殺しの天使」と呼ばれるぐらいの革命的な方だったそうです。獅子のようなとたとえられるほどの激しい女性だったとのことです。

長くなってしまいました、次の引用で最後です。


マーガレット・サッチャー

 サッチャーが生涯にわたって尊敬し続けてきた父アルフレッドは、彼女が幼いころからいつもこう言い聞かせていました。
「いいかい、マーガレット。『ほかの人がやっているから』というだけの理由で、なにかを決めてはならない。なにをするかは自分で決めなさい。そして、自分の決断についてきてくれるよう、まわりの人間を説得しなさい

ミライの授業 P192

 こうして最愛の夫デニスと結婚し、赤ちゃんを身ごもったサッチャーは、政治活動から離れざるをえなくなりました。
 しかし彼女は双子の赤ちゃんを出産した1週間後から、次なる目標に向けて動き出します。政治活動ができない子育て期間中、法律の勉強をして弁護士になろう。弁護士としての知識と経験は、きっと政治家としての自分に役立つはずだ。なんと彼女は、出産から4か月後に控えていた弁護士試験を受けると言いはじめたのです。
 
 (中略)

 サッチャーは、育児のかたわら猛勉強に励み、みごとに弁護士試験に合格したのです。弁護士として法律の知識を身につけたこと、さらには法廷の現場で弁論の技術を磨いていったこと。これはのちの政治家サッチャーを支える、大きな武器になりました。

ミライの授業 P198

最後の引用は「鉄の女」と呼ばれたマーガレット・サッチャーさん。「なにをするかは自分で決めなさい。そして、自分の決断についてきてくれるよう、まわりの人間を説得しなさい」素晴らしい育てられ方をしてきたのですね。自主・自律で、アナキズムですね。後半の弁護士の勉強の話、先日、「元彼の遺言状」も読んで弁護士も少しは身近になりましたけど(こういう人がいるもんだとは驚いた)サッチャーさんも、自らが置かれた環境を見定めて、その期間にたった4か月で弁護士試験を突破してしまう、すごい熱量な方だったんだろうな、と想像がつきます。

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以上です。

今回も最後まで読んでいただいてありがとうございました。ブクログのリンクもつけておきます。読み終わって、他の方のレビューや感想を見るのも楽しいです。

 


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