恋も仕事も忘れたい夜には
20代後半からの数年間、なにもかもうまくいかない時期があった。
仕事はずっと雑用のまま、いつ切られてもおかしくない非正規雇用。
恋愛はなんの進展もなく残り少ない20代の時間をただ消費する毎日。
母は亡くなり、父は家出、妹は絶縁状態。
実家で一人暮らす昔気質の祖父の様子を伺いに、頻繁に帰る日々。
片道3時間以上の運転中、よく聞いた曲がある。
当時の状況は結構めちゃくちゃで、ごく一部の内情を知る人たちからは「大変だね」と声をかけられることもあった。
心配してくれるのはありが