タトエバ13 食べる -ALSだった母と暮らして-
難しい、大変だ。どうにかしたい。何とかしたい。その思いが僕たちを動かしていた。それは確かなことだった。それでも、思いがあることと、どう振る舞ったのかということに、動機付けるという繋がりを超えるものは表れなかったのかもしれない。
肝心なことは、細部へのまなざし。母に起きていることを掴まえる力。母が味わっていることを出来るだけ同じく味わう、想像を体感に近付けること、自分自身が手にする経験とすることだった。しようとする、では足らなく、いま目の前にたしかに表れている事実に誤魔化すこ