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「被爆三世だから言う 日本は核武装せよ!」WAC 橋本琴絵著/法及び法の歴史に詳しくわかりやすく書かれた”警世の書”、将来の女性政治家が日本の危機を縦横に語る
橋本琴絵氏は、法及び法の歴史に詳しく、わかりやすく語ってくれる 以前、橋本琴絵氏の著作を紹介しました。 彼女の著作は、法の原則をベースに歴史的経緯なども踏まえてわかりやすく日本の問題を語ってくれます。 この「被爆三世だから言う 日本は核武装せよ!」WAC もそうです。 被爆三世の立場で祖母から伝えられた伝承を語り、現今の日本の安全保障にとって極めて重要な核武装の議論を展開しています。 彼女の記述の良いところは、歴史的経緯を踏まえた法の原則をベースに非常にわかりやすく語
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「橋本琴絵さんの『われ、正気か!』(WAC)も『暴走するジェンダーフリー』(WAC)も、保守の考え方に立つ読みごたえたっぷり、知性を刺戟する良書です」/是非ご購読ください
『われ、正気か!』(WAC)、『暴走するジェンダーフリー』(WAC) 橋本琴絵さんの著作を読ませていただきました。 いずれも、30代の女性の瑞々しい感性と知性が活きていて、かつ日本を愛する保守の立場から書かれている読み応えのある良書でした。 また、これまでの保守論壇の著作の中では、 彼女が法曹の専門家らしく古今の法に通じているため、法の歴史的視点から現今の日本の基本課題に対してモノ申している点が際立っています。 そういう意味でも知的刺激に満ちていて、これからの日本の進
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「『おたふく』『妹の縁談』『湯治』山本周五郎著(ハルキ文庫『おたふく物語』に収録の『おたふく三部作』」/日本の庶民の善意の美しさ、いじらしさを美しい『おしず』を通して浮かび上がらせる周五郎の名作 ~その1
『おたふく』 『おたふく』については、すでに多くを記してきました。二十代前半つまり40年ほど前にめぐり逢いこの年になるまで胸の奥に温かい心をともし続けてくれた周五郎の名作です。 私個人の中では、それは二十代に恋焦がれ続けた美智子さん(仮名)と重ねて今日まで思い続けてきた女神のような女性、それが『おたふく』のおしずです。 『おたふく』へのオマージュとして小説「智子、そして昭和」を書かせてもらいました。 オマージュは、「三十五年越し」や「雨と水玉」(上記「三十五年越し/俯瞰
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書評「考えるよろこび」(講談社文芸文庫)江藤淳/再々に渡る繰り返し読みに応え得る講演録、近代の個の確立とは個を超える公の価値にコミットすること
「考えるよろこび」江藤淳の60年代の講演録を文庫化したもの 講談社文芸文庫「考えるよろこび」には江藤淳の60年代の六つの講演が収録されています。 いずれも非常に興味深く、講演そのままの口調で江藤淳の声が聞こえてくるような気がする優れた読み物になっています。 主題は近代 主題は、近代というもの、近代そのものと言って良いと思います。 近代が日本人に強烈に求めるのは、文字通り「個の確立」であります。自由と独立とに不可分なものは「個の確立」に違いありません。 1)考えるよろこ
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書評「かたくなにみやびたるひと 乃木希典」乃木神社総代会(展転社)/乃木さんの軍人として貫く一念と広くたゆたき心が、尊きまでに胸を打つ
かたくなにみやびたるひと みやびたる、という言葉が現今一般に受ける印象は、やまと心の中でも、たよやめ、にぎみたま、といった優しさを表すものにどちらかといえば近いです。 しかし、この書の中では本来の「みやびたる」を敢えて説明しており、やまと心の、ますらお、あらみたまのほうの荒ぶる戦人(いくさびと)のみたまをも合わせたものを言うとしています。 その意味で、敵に対して、戦人としての勇気のすべてをかけて打ち勝つ、そういう忠君軍人として貫く一念が「みやびたる」の中の核心としてあるの
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「ギリシャ人の物語Ⅲ 新しき力」塩野七生著(新潮社)/ギリシャのポリスは崩壊し、その後をマケドニアの父子が襲い、子のアレクサンドロスはペルシャ・インダスをも征服し大王となるが、、、(その2)
アレクサンドロスの軍才を語る塩野七生 ハンニバル、スキピオ・アフリカヌス、そしてカエサルもその軍才を絶賛したという、アレクサンドロス。 軍事の天才アレクサンドロスによって騎兵用兵の元祖が開かれると同時に、戦争戦術がレ歴史的に飛躍したと言えるのだろう。 「ギリシャ人の物語」の第三巻は、アレクサンドロスのために書いたとも言えるものになっている。 その1においても、記しましたが、塩野七生の健筆は、会戦、海戦を語るとき、実に活き活きと人物、人間あるいは人間集団を活写します。 本当に
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「ギリシャ人の物語Ⅲ 新しき力」塩野七生著(新潮社)/ギリシャのポリスは崩壊し、その後をマケドニアの父子が襲い、子のアレクサンドロスはペルシャ・インダスをも征服し大王となるが、、、(その1)
読み応え満点の第三巻 この第三巻は読みごたえがありました。 第一にギリシャのポリス社会の崩壊を描き、 第二にそのギリシャポリスを反面教師にした広義のギリシャであるマケドニアに出現した父子の物語であり、とくに父フィリッポス2世の後を継いだアレクサンドロスの戦記の面白さは卓越しています。 塩野七生さんは、「ローマ人の物語」でもその戦記の記述のうまさは抜群でした。アレクサンドロスの会戦の醍醐味は、まさに歴史の醍醐味、軍事の面白みを堪能できます。 ギリシャのポリス崩壊について
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「からごころー日本精神の逆説ー」長谷川三千子著(中公文庫)/深い思索が心に届いて、日本人とは、自分とは何かを静かに考えさせてくれる
「からごころー日本精神の逆説ー」いつも渾身の長谷川三千子氏三十代後半の力作群 冒頭に核心の「からごころ」から始まる真に思索を繰り返した末の日本人論。 発表から30年近くを過ぎて2014年に文庫化され、発表当時衝撃を受けた若き小川榮太郎が解説でこの論説の核心を鮮やかに解きほぐしてくれている。 全ては、小川榮太郎が言い尽くしていて、ここになにも書くことはないとも思わせられるが、、、、 日本人が思うとは、考えるとは、を自分の心に寄り添って思索するのに、必須のアイテムであろうかと
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「ギリシャ人の物語Ⅱ 民主政の成熟と崩壊」塩野七生著(新潮社)/ギリシャはペルシャ戦争後、民主政のアテネによる大興隆、覇権拡張でピークを向かえるが、アテネは衆愚政治によりすべてを失う、、、、
個々の力を集団として機能させることでペルシャ戦争を勝ち抜いたが、、、 ギリシャ文明がオリエント文明(ペルシャ)を打ち負かしたことで、のちのローマ、ヨーロッパの文明の興隆に繋がったところがあります。 ギリシャ文明のその特徴は、個々の力ですが、その個を集団として機能させペルシャを打ち負かしたところにこそ、その真骨頂が現れています。 それは、アテネにおいて、最もよくあらわれ、政治体制として民主政が個々の力による軍事、経済的興隆と不可分になっているのですが、栄華は長く続かなかった
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「『私にはムリ!』と思い込んでいる人のための不動産投資の基本」(台場史貞著、秀和システム刊) /不動産投資を具体的に検討着手しました
不動産投資に関する思い直し 以前に、本コラムの記事で不動産投資は諦めたと言いました。 会社の先輩や後輩に不動産投資をしている人たちがいて、今後の人生、永ければ30年余を考えて、不動産投資に関する勉強を始めて、実際に不動産業者主催のセミナーを受けてみてそう思ったのですが、 具体的な物件がまずありきで、その物件が買い替え物件としても結構魅力的だったのでいろいろ考えを巡らすうちにやはり真剣に考えるべきだと思い直しました。 それで、くだんのセミナー受講して個別相談した人に、というこ
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「マスメディアを見ているとわからない日本の財政状況:財政は逼迫していない!『来年度予算「借金漬け」のウソ 海外と異なる日本の国債制度、各部の数字にも疑問…財政危機を煽るのはおかしい』(高橋洋一、zakzakby夕刊フジ)をご覧ください」
日本の政府財政はマスメディア報道を見ていてもわからない 来年度政府予算案112.1兆円、国債費27兆円などと政府財政の危機を煽るようなメスメディアの記事が踊る年末でした。 そして、2番目の記事にあるような、日銀の金融政策正常化を見越して、国債想定金利を1.1%から1.9%へ変えた予算案になっていることから、これから益々その金利負担が嫌が応にも増すことをも国民に知らしめ、増税の已む無きに観念させようという財務省の魂胆にお追従するようなメディアの醜い心性があからさまに出ている
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「ギリシャ人の物語Ⅰ 民主政のはじまり」塩野七生著(新潮社)/ローマ人の物語を読めば手を取らざるを得ない。トロイ神話からギリシャ文明のはじまりと興隆:ここに西洋文明がはじまる、、、
「ローマ人の物語」から「ギリシャ人の物語」へ 「ローマ人の物語」全十五巻プラスアルファ(スペシャルガイドブック)を読了してみると、実に味わい深い思いが胸に残りました。 それはやはり塩野七生さんが、日本人としての視点をかっちりと維持しながら、古代ローマ帝国の人間模様を子細をしっかりと追いながら描いて見せてくれたからに他なりません。 本質的な意味で言うと、一神教キリスト教徒でない日本人塩野七生が一神教に乾いた目をもって描いたものだからこそ、日本人あるいは日本にとっての意味が深く