6月7日入院!

入院前日に荷物を全て纏めた…帰って来れるか、帰って来れないかも知らずに…そういう覚悟での「入院」だった。手術を受ければ助かる「完治」という確約などない俺の手術。それどころか、術後の合併症のリスクは高いが、その癌細胞の塊を取り除かねば、必ず腸が閉塞してしまい、通常業務、暮らしができなくなる。それを避ける為の「盲腸癌除去手術」

合併症の恐れは、

1・「肺炎」

2・「縫合不全」

3・肺梗塞

4・心筋梗塞

5・脳梗塞

6・腸管麻痺

こんなにもあった。

血栓が飛んだ場合の「3・4・5」はそのまま死亡である。

1・2は、ほぼ高い確率で…無くなられている。

6は、運動を少しづつできるように成れば・・・もしかしたら、回復するかもしれない。俺の場合は「6」だったけど…また後で書きますが、ものすごく大変でした。

入院まで時間もなく、大して満足できるほどゆっくりもできなかった。夫婦水入らずも中々最後の最後まで無かったなあと話して、当日病院に向かった。朝からPCR検査を受け、外科、内科、消化器内科、麻酔科、心臓血管外科の医師5人が当日の立ち合い医師であり、俺のチームだと紹介された。

「助かる確率を気にするよりも、少しでも延命につながる完璧な手術を…」

これが支えてくれる医療チームのスローガンでした。

嬉しかったですね。

ただ、不思議と震えは収まっていた。

それぐらい、諦めていたというよりは、腹をくくれたのかなとも感じた。

その日時間いっぱいまで、奥方がそばに追ってくれた。

特に何をするわけでもなく、これまでの会話をするわけでもなく、

病院を退院した時のことなどを色々話をしていた。

本宅の空き地と隣の300坪の空き地を購入して、何かのんびりと過ごせる環境を作ってゆっくり運動とリハビリをすればよいとか…他愛もない話ばかりであった。

知らず知らずに疲れて俺は眠っていったそうだ…

夜中に目が覚めた時、そこに奥方の姿はなかった…

翌朝から様々なメディカルチェックが始まった…

6月8日

血清検査、血糖値検査、栄養素検査…

血圧、検温、酸素チェック…6時間おきにルーティーン

教え子のカップルが見舞いに来てくれた…これには驚いたよね。でも嬉しかったです。本当にくそ真面目な売れっ子嬢でした。ちっちゃいエースでした。長年してきて、カップルで来たケースって少ないです…(笑)

※昔世話になった人…っていう物語にしてあります。(笑)

わざわざ手土産、お見舞いまで…遠いところからありがとう…

そしてこの日の晩御飯を境に、離乳食のような「流動食」が始まった…

6月9日

朝起きたらドクターの問診から始まった。手術前に、特にコンディション管理も悪くなく普通で、下剤約二発…しかし、もともと腸が弱いためすっきりしない。売店に行っても、もう何も追加で食べれないことぐらいはわかっていた。だから、ただ暇つぶしに売店にいるだけな気もした。

手術後の「腹帯・ガーゼ、紙おむつ」などを大量に買ったくらいである。

深夜0時、日付は変わって6月10日…この瞬間から絶職に加えて絶飲が始まった。もう水さえ飲めない…色々な人からラインをいただいた。極力メッセージを返したが、正直…メッセージを返せる余裕がなかった。

物凄くやり残したこと、言い残したことはないかと振り返ったり、

これまでの人生を思い浮かべたり…物凄く集中したいが、全く集中さえできなかった。く言う時の時間の経つのはメチャクチャ早い。

AM11:00・・・家族全員が到着。

もうみんなお通夜状態であった…気の利いた会話もできん(笑)どうでもいい話ばかりで、話が全くかみ合わない…

そして12:30 8階の病棟から4回手術室フロアーへ移動

そういえばこの病院に来て「4F」は初めてかもしれない…そう思ったときに

「ご家族の方はここまでとなります…」と言われた…

こっからは、自分一人の戦いを人に託した戦い…

これまでの人生「100戦100勝でも、この1戦負けたら終わりなんよ…」

これが本当の「負けられん戦いがここにある…」ってやつなんだろうなと思いながら、家族と握手して物凄くピッカピカの自動ドアが開いて俺だけが中に入った…

こんなにデッカイ自動ドアって初めて見たんじゃないかな…と思うほど大きいドア。

その中に入ると、色々な手術室の前を通ったが。俺のオペで使われる手術室の3分の1ほどの大きさだった。

第1オペ室…とにかく広いです。そして室温もひんやり…

ベットに寝かされ自動的に右腕を固定され麻酔の針を打たれた。

手術は13:30第1オペ室…物凄く広いオペ室です。至る所に照明があり、部屋は水色一色で色々なところにオペを見れるガラスがあった。その景色を見ながら…

酸素マスクから麻酔が出てきて俺は10秒ほどで眠った…


次回は「術後の目覚めたとき」と「術後の恐怖」です…




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