明天会更美好

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中国メディアのニュース翻訳や文書翻訳をやっています。主に中→日/I am Chinese-Japanese translator. ツイッターもやっています。よろしくどうぞ。https://twitter.com/zhongwenfanyi 微博帐户名@明天会更美好2003

マガジン

  • 中国語学習者向けマガジン

    中国語を勉強している人向けに役立つnoteを集めてみました。

  • 中国語翻訳者・通訳者向けマガジン

    主に中国語上級者向けのマガジンです。

  • 閑話休題シリーズ

  • スペース学習会用資料など

    私主宰のスペース学習会で使用した資料などが置いてあります。

最近の記事

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閑話休題~あの日の事。

私が彼女と最初に会ったのは、中国に留学していたころでした。 当時私は広東語を勉強するために広州の某大学に留学してきたばかりで、「相互学習」する相手を探していました。 「相互学習」とは、宿舎内の留学生が同じ大学の中国人の学生とペアを組み、留学生が日本語を、中国人学生が中国語を教えるというプライベートの相互家庭教師みたいなものです。 私はその大学に広東語コースで入ったわけで、普通話ではなく広東語を教えてくれるネイティブの学生さんを探していましたが、なかなか見つかりません。そ

    • 中国の政治家から学ぶ中国語(5)──数字に含まれる言外の意味

      政治家から学ぶ中国語の5回目。今回は数字について掘り下げて考察していきたいと思います。 皆さんは中国語学習を始めたての際、数字は中国語でどう表現するか勉強したと思います。「一、二(两)」のような漢字の他に、量詞と組み合わせて「一个,两个,三个」といった表現も、発音と合わせて練習したのではないでしょうか。 しかし中国語においては、この「一、二、三」といった数字はその表記通りの「いち」「に」「さん」といった意味のほかに、別の意味が付与されることも多々あります。 特に数字の「

      • 【お知らせ】 本日のnoteの投稿ですが、諸事情につき明日の投稿にしていただけるようよろしくお願いします。すみません。

        • 中国の政治家から学ぶ中国語(4)

          中国のニュースを翻訳する上で必ず遭遇する、「翻訳しにくい語句」とは何か。人からこのような質問をされたときに皆さんならどう答えますか。 私なら「抓」の処理方法と答えるでしょうか。それほど中国メディアの政治記事にはこの「抓」という動詞が頻繁に出てきます。 一方で、「抓」という言葉を中日辞書で調べてみると以下の解釈が出てくるはずです。 しかし実際の中国メディアのニュース記事を翻訳する際に、これら4つの解釈を訳語に当てはめてもいずれにもしっくりこないケースが多いのです。こうなる

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        閑話休題~あの日の事。

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          76本
        • 閑話休題シリーズ
          21本
        • スペース学習会用資料など
          15本

        記事

          閑話休題(15)―香港で過ごした二週間と日本人老板

          今回は、、いつも以上に「自分語り」「昔語り」満載の内容となっております。苦手な方は回れ右をよろしくお願いします。 私が初めて香港の地を踏んだのはもう30年くらい前の話。 福建に留学していた時、大学の留学生寮で知り合った華僑の子息と、台湾人の友人と行ったのが最初です。友人と連れ立って、昔の日本の観光バスを改造したオンボロ夜行定期バスに乗り込み、陸路直接深センに行きました。 翌日朝午前5時に羅湖に到着した私たちは歩いて羅湖ボーダーを渡り、その足でMTRの当時の終点である紅磡

          閑話休題(15)―香港で過ごした二週間と日本人老板

          国家戦略から見た中国語の重要性

          当noteでも度々言及していることではありますが。 中国語を操れる日本人の人材が少なくなっているというのを、最近身をもって感じています。民間の企業でも「中国語ができる人材」の求人募集が減っているということも関係しているのでしょう。対中感情の悪化という面もこの下火になっている中国語学習のブームに拍車をかけているのかもしれません。 そのような中、今回NHKの外注の中国籍職員が外国語放送で、「釣魚島は中国の領土」「慰安婦、南京大虐殺を忘れるな」と原稿に書いていないことを話したと

          国家戦略から見た中国語の重要性

          中国の政治家から学ぶ中国語(3)

          今回で3回目となった「中国の政治家から学ぶ中国語」シリーズ。今週もやっていきたいと思います。皆さんは以下の言葉を目にしたことがありますか? チャイナウォッチャーならば一度は目にしたことがあるかと思います。実はこの言葉、前世期80年代に初めて提起された言葉らしいです。それを2010年代、時の総理である李克強氏が「政府の改革政策」として打ち出したものでした。 解釈としては「ごちゃごちゃした政府の組織をスリム化し、中央に集中しすぎた権限を順次下部組織に引き渡す政策」といった意味

          中国の政治家から学ぶ中国語(3)

          中国の政治家から学ぶ中国語(2)

          今回は中国の政治家の言葉から中国語学んでいこうシリーズ2回目です。キーワードはこちらになります。 この言葉。皆さんは中国の新聞やメディア、人々の会話などで耳や目にしたことはありますか?この「接地气」を、中国語の文字通りに直訳するならば、「大地の気に触れる」ということになるでしょうか。 要するに、地面から湧き出てくる「自然のパワーをオラにくれ!!元気になる!!」という解釈になりますよねw。 ただこの「接地气」なのですが、あまりこの意味でつかわれることはないように思わます(

          中国の政治家から学ぶ中国語(2)

          中国の政治家から学ぶ中国語(1)

          今回からの試みとして、新シリーズを立ち上げたいと思います。名付けて「中国の政治家から学ぶ中国語」です。 当noteでは、これまで何回か中国の政治家の発言を引用しながら、中国語の文法や意味を解説してきました。 実のところ、中国のリーダーである習近平主席や李強総理、はたまた王毅外交部部長などの発言を丹念に調べ上げて、「彼らが何を話したのか」ということを見ていくことは、中国語の語学のレベルアップ、翻訳のレベルアップにとても役立つと私自身強く感じています。前回の記事で紹介した「~

          中国の政治家から学ぶ中国語(1)

          翻訳における補語の重要性(ふたたび)

          中日の翻訳者さんにお聞きしたいのですが、中国語を日本語に翻訳していて一番苦労するところはどこかと聞かれたら、皆さんならどう答えますか? 私ならば、真っ先に思い浮かぶのは「時制の見分けかた」なのですが、その次ぐらいに来るのが「中国語の補語の処理の仕方」と答えるのではないかと思っています。 特にいま総書記・国家主席をしている習近平氏。演説の言葉の中で、この中日翻訳者さんの手を焼かせるような補語を度々使ってきます。その一つが、以前お伝えした「~出来」の使い方でした。 ここで私

          翻訳における補語の重要性(ふたたび)

          語学学習に年齢は関係ない・・のか?

          私事ではありますが、うちの妻は最近、自宅近くの文化センターで中国語を教えるボランティアみたいなことをやっています。いわゆる月謝を取って講師を務める「ガチ」の中国語教室ではなく、NHKの中国語講座のテキストを使ってゆるーく教えるタイプのものです。 私も傍聴目的で参加したことがあるのですが、驚いたのはその平均年齢。80歳越えの人たちはざらで、90歳越えの人も来ると言います。かなりのおじいちゃん、おばあちゃんなのですが、それをみじんも感じさせないお若くて、バイタリティのある姿を目

          語学学習に年齢は関係ない・・のか?

          閑話休題(14)──中国の人たちは変わったのか

          前回は私自身の中国に対する思いを自分目線で語りました。ならば、実際私が見てきた40年近くにおいて、中国と中国の人たちの心境は変化したのでしょうか。 これは実際本人たちに聞かなければ分からないのですが、私自身が客観的に見てきた印象から、独断と偏見ではありますが中国の人たちの「意識の変遷」を少し語ってみたいと思います。 私自身は大きく分けて、80年代~90年代までの「猫も杓子も」期、00年代から10年ぐらいまでの「自信みなぎる」期、10年から18年ぐらいまでの「自意識過剰」期

          閑話休題(14)──中国の人たちは変わったのか

          閑話休題(13)──私にとっての中国

          中国の情報に詳しい皆さんならもうご存じだとは思いますが、先日蘇州で現地の暴徒に日本人母子が切り付けられ、2人を守ろうとした中国人女性が重傷を負い、結果なくなるという痛ましい事件が発生しました。 その後の顛末は他の詳しい人に譲るとして、このような日本に関する事件が発生するたびに自問自答することがあります。「自分はなぜ中国に携わっているんだろう」という問いです。 中国語の勉強を始めてから40年近く、日中のニュース翻訳を初めてから20年超になりますが、この間、日中間で私の心を揺

          閑話休題(13)──私にとっての中国

          今週はいろいろなことがあり過ぎたせいか、執筆意欲がわかず。また自分の周りでばたばたしていた関係で時間もあまり取れていません。 なので申し訳ないのですが、今週のnoteはお休みさせていただきます。 原稿自体は半分は書けているので、来週には出せることになりそうです。よろしくです。

          今週はいろいろなことがあり過ぎたせいか、執筆意欲がわかず。また自分の周りでばたばたしていた関係で時間もあまり取れていません。 なので申し訳ないのですが、今週のnoteはお休みさせていただきます。 原稿自体は半分は書けているので、来週には出せることになりそうです。よろしくです。

          中日・日中翻訳者、通訳者に未来はあるのか(2024年編)

          最近、米国株に注目しています。現在米国ではエヌビディアを始めとした半導体関連、AI関連の銘柄がバブル状態になっているのは、株を少し知っている皆さんならもうお分かりになっているのではないでしょうか。 かの有名なアップルもこのほど、iPhoneの「Siri」にオープンAI社のChatGPTを導入することを決定したというニュースが報道され、大きな話題になりました。 多くの人が持っているiPhoneでさえ、日常的かつ気軽にAIが使える時代が近く来る。このようなニュースを見て、現在

          中日・日中翻訳者、通訳者に未来はあるのか(2024年編)

          「語感」の大切さとボキャブラリーの幅

          今回は中国語学習者の中でも、中級者、上級者向けのお話をしましょう。 中国語(日本語)を勉強している皆さんは「語感」という言葉をご存じですか?多分多くの人は「知っているよ!!」と答えるのではないでしょうか。。 「語感」とは日本語で言うならば、「言葉から受ける主観的な印象」という意味になります。 外国語学習者の視点から言うならば、会話をする時や文章を書く時に、この「語感」を的確に理解した上で、数ある類義語から的確な言葉をチョイスすることが、外国語上達における必須要件になって

          「語感」の大切さとボキャブラリーの幅