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朝ドラnote

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朝の連続テレビ小説、いわゆる「朝ドラ」について書いたnoteをまとめました。「虎に翼」だけについてまとめた「トラつばnote」もあります。
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朝ドラは、半年に一度席替えするクラスメイトだから。

朝ドラは、半年に一度席替えするクラスメイトだから。

このクラスでは半年に一度席替えがあるので、隣の席の子とは半年間ずっと隣同士。せっかく縁があって席を並べるのだから、おはようと声をかけたら、まずはおはようと笑ってもらいたい。なんならちょっとおしゃべりもしたい。そのおしゃべりで、ふふっと笑って、1日が始められたらすごくうれしい。彼女が他の子たちと話す声も聞こえてくる。何かに打ち込んでがんばってることを聞けば、応援したくなる。彼女のがんばりを見て、自分

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虎に翼 第10週

虎に翼 第10週

私にもあなたにも誰にでも、肉体的な死は訪れる。みんな必ず死ぬ。
けれど、どうやら中には「死なない人」がいる。

寅子が座り込んで動けない時は「トラちゃんが後悔せず、心から人生をやりきってくれること。それが僕の望みです」と笑顔で語りかけてくれる。
寅子が怒りで震えている時は「トラちゃん落ち着いて、深呼吸」と心配してくれる。
優三さんは死んでしまったけれど生きている。

そんな優三さんに背中を押され、

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虎に翼 第9週

虎に翼 第9週

5月3日は、憲法記念日。国民の祝日になるくらい、憲法は大事なもの。たぶん学校でも習った、はず。
…でも私、日本国憲法について、何も知らない。すべてを通して読んだこともないと思う。
トラちゃんが読み上げて「ね、すばらしいでしょう?」と教えてくれるまで、そのすばらしさに目を向けていなかった。

「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しな

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虎に翼 第8週

虎に翼 第8週

はるさんが食事の記録の横に「家族に滋養のあるものを」と書き添えている。そこに花江ちゃんが「第日本国防婦人会」のたすきを掛けて帰宅するところから始まったこの週は、1942年。
朝ドラ民にはおなじみの「婦人会」。「贅沢は敵だ」「金属を差し出せ」など、主人公に嫌なことを言ってくる集団として描かれることがほとんどだったけれど、虎に翼では、ごく普通の主婦である花江ちゃんがごく普通に加わっている。その方が、こ

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虎に翼 第7週

虎に翼 第7週

まさに翼で飛ぶように物語が進んでいくので、のんびりしているとあっという間に違う局面になってしまう、虎に翼。今回の感想は、土曜日まで見たところで書きました。

結婚って、なんなんでしょうね。

晴れて弁護士となり「弁護士 猪爪寅子」と書かれた名刺を依頼主に差し出しても「女はちょっと」と弁護を担当するのを断られ続ける。
交際していたようなしていないような、あやふやな間柄だった花岡は、美しい婚約者を連れ

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モネは「傍観者ヒロイン」として朝ドラを生きている。

モネは「傍観者ヒロイン」として朝ドラを生きている。

いつものヒロインとは違うヒロイン、モネ今期の朝ドラ「おかえりモネ」、いつもの朝ドラとはずいぶん違うなあと思いながら見ています。
朝ドラの主人公といえば
・子どもの頃はおてんば
・水に落ちる、あるいは高いところに登るなどの無茶をするシーンがある
・「やりたいこと」「叶えたい夢」があって、情熱で周りを巻き込んでいく
・戦争など、とても大きな悲劇と試練がある
・何度も失敗するけどそのたびにめげずに立ち上

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菅波先生とモネ。橋をかけるふたり。

菅波先生とモネ。橋をかけるふたり。

前回書いた記事をたくさんの人に読んでいただけて、うれしいです。
しかしあれをアップした直後、何もしない傍観者だったはずのモネに転機が訪れ、あっという間に東京の華やかなテレビの仕事を捨てて島へ。
じわじわと動く人なのに、一度決めると変化が早い。おもちゃの車の、ぎゅーっと巻き続けたゼンマイから手を離すと、思いがけず速く動く、そんな感じにも思えます。ここまで彼女は自分の内側に想いと力を閉じ込めてきた、そ

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カムカムエヴリバディを見ながら考える、「あなたの名前」のたいせつさ。

カムカムエヴリバディを見ながら考える、「あなたの名前」のたいせつさ。

たぶん、何年か前なら、勇ちゃんは「朝ドラ主人公の夫」としてじゅうぶん合格点だったと思う。
主人公をあだ名で呼んでからかう幼なじみ。私のことを嫌いなんだわ、と思いつつもなんとなく気になり始め、大人になってから「実は俺はずっとお前のことが…」などとピンチの時に「守ってくれる」人。うん、いけそうな気がする。

でも私は、勇ちゃんを「うわ、嫌だって言ってるのにあだ名で呼び続けるのうざい…」と感じ、彼に「ア

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カムカムエヴリバディ愛してる。

カムカムエヴリバディ愛してる。

とうとう最終回。

最終回まであと数時間というタイミングで、大急ぎで、カムカムエヴリバディについて書いてます。間に合うかしら。間に合えー。
ええと、推敲してる余裕ないので、思いついたまま書き殴ります。最終回見たらまたなんか書くわ。それいけ。

私たちが見てきたのは朝ドラでありラジオ英会話であるってマジですか?

ジョーがその時代ごとの朝ドラを楽しんでいる姿を見て、そうか今は何年ごろなのね(確か19

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「芋たこなんきん」の、ふたり。

「芋たこなんきん」の、ふたり。

町子さんと健次郎さん。中年になってから夫婦になったふたりはお互い作家と医師として仕事が忙しく、家では大家族のみんながあれこれ事件を起こす。それでもそんな怒涛の1日の終わり、毎晩のようにふたりはお酒を前にしてひたすらおしゃべりをする。

長いこと別々に生きてきたふたりは、すべての意見がきっちり一致するわけではなく、どちらかというと正反対の考えのことも多い。でも「自分と違う考え方をする人が目の前にいる

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「ちむどんどん」が終わる前に。→終わった後の追記あり。

「ちむどんどん」が終わる前に。→終わった後の追記あり。

ウェブサイト「日刊サイゾー」にて、週に一本のペースで「ちむどんどん」について25本も書く連載。こんなに長いこと書くのは初めてだったのでドキドキしましたが、なんとか無事に完走しそうです。よかった。…完走しました!
最終回まで書いた記事のリンクのリストを作りました。長いなあ。

第1週から第5週 暢子の子供時代と高校生まで

読み返すともう第2週でツッコミを始めてますね私。というか、第1週ですでに「こ

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『舞いあがれ!』イラストコラム、連載終了しました。    #テレビドラマ感想文

『舞いあがれ!』イラストコラム、連載終了しました。 #テレビドラマ感想文

朝ドラ『舞いあがれ!』の感想をイラストとコラムで書く連載、無事完走いたしました。よかったー。
このページでは記事を古いものから順に読んでいただけるように並べています。

第1週〜第5週 ここまで泣かされる朝ドラは初めてかもしれない。

第6週〜第10週 感動のなにわバードマン編→恋の航空学校編。

第11週〜第15週 リーマンショック、お父ちゃんショック。

第16週〜第20週 「私たちただの幼

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『らんまん』イラストコラム、連載完走しました!    #テレビドラマ感想文

『らんまん』イラストコラム、連載完走しました! #テレビドラマ感想文

連続テレビ小説『らんまん』の感想を、イラストとコラムで「サイゾー」にて連載しました。ここは、記事を古いものから順に読んでいただけるように作った、目次のページです。
10/5、最後の週まで載せました!そして感想とお知らせも。

第1週〜第5週 子どもたちに泣かされる。

第6週〜第10週 恋と学会誌に走る走る東京編。

第11週〜第15週 激動、結婚生活編スタート。

第16週〜第20週 幸せは途切

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「ブギウギ」のイラストコラム連載、完走しました!

「ブギウギ」のイラストコラム連載、完走しました!

朝の連続テレビ小説「ブギウギ」のイラストコラム、EI VISIONでの連載が最終週まで完走いたしました。読んでいただき、ありがとうございました!

第1週〜 スズ子の人生波乱万丈。

第15週〜第20週 スズ子、母となる。

第21週〜 スズ子、大人になっていく。そして「人形」から「人間」に。

なんせ「朝ドラ」が好きなもので。

ということで、発表媒体を変えつつ2年ほど続いてきた「朝ドライラスト

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