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講師の技(経験や見聞きしたことからの自分宛備忘録)

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セミナーや講演を行う際に効果的と思われる講師の技を私なりの経験や見聞きしたこと、他の講師に教えてもらったことを綴っています(自分用の備忘録ですので賛否両論のコメントはお聞きしませ… もっと読む
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研修の主体はだれか?

研修の主体はだれか?

大学を卒業後、すぐに専門学校の講師として働く。社会人経験がないことに自身がなくなり、一旦、社会人の勉強をするためにサラリーマンとして勤めたが、仕事が面白くやめられない状況に。50歳を超え、原点に立ち返り起業し講師をやりはじめる。
昔はなかったオンラインでの授業や、社会人を受講者とした講義ならではの感覚。それらを備忘録として綴っています。

研修の主体はだれ?すべての研修は「結果」を得るために行われ

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研修の、基本的 5つの考え方 

研修の、基本的 5つの考え方 

考え方1 受講者は何らかの知識を持っている受講者は、これまで社会人として得てきた経験や知識などを持っています。その既存の経験知識をフル活用して、あらたな学習を積み上げる講義をするのです。
つまり、受講者は「何も知らない」ことを前提に講義を始めるのではなく、受講者の持っている既存の知識を活用して、取り組める課題から講義を開始しましょう。

すでに知っていることを永遠と聞かされる受講者の気持ちになって

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研修の、基本的 5つの考え方 

研修の、基本的 5つの考え方 

考え方2 自分の発言は受け入れやすいズバリ、講義で講師があれこれレクチャーするより、受講者が自分で考え、自分で発言する方が、「自分で考えた」こととなり、講義や研修後に行動に結びつきやすいのです。

研修の最終目標は、「ビジネスで成果をあげてもらう」ことです。受講者の発表の場を作ると時間が足りなくなるからと、割愛してしまうことを考えてしまいそうですが、急がば回れです。発言の場と時間を設け、受講者自ら

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研修の、基本的 5つの考え方 

研修の、基本的 5つの考え方 

考え方3 楽しく学ぶことと、習得は比例する楽しく学ぶことと習得することは比例します。

楽しい=笑いがある楽しさだけではなく、知的探求心を刺激したり、驚きな発見があったり、リアルな臨場感があったりすることを総称して楽しさと捉えています。

今まで分からなかったことが「分かった!」楽しさや、グループワークでたくさん発言ができて楽しかったという楽しさを受講者の皆様へお届けするのも講師の仕事です。

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研修の、基本的 5つの考え方

研修の、基本的 5つの考え方

考え方4 受講者の行動に変化が表れてこそが研修のゴール
受講者に得てもらう研修のゴールは「知る」ことではありません。

受講者が研修で知ったことを実際の業務で行動し、そして成果をだすところにゴールはあります。

ですから、講義では受講者に「おっ!これは有益な知識を得たぞ!早く現場に戻って試してみたい!」と思わせモチベーションを高めた状態にする必要があります。

そこまでを見据えて、講義を行う。それ

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研修の、基本的 5つの考え方

研修の、基本的 5つの考え方

考え方5 自分が習得したことを、他の人に教えられるレベルになって初めて本当に習得したといえるうわべだけの理解ではダメです。他の人に教えられるレベルになって初めて本当に習得したと言えます。

そのための早道は、他の人に教えることです。

受講者も習得のスピードはバラバラです。
講義中に早く習得した方は、まだ習得手前の方に「教える」機会を持ってもらう工夫をしましょう。

講義中に、人に教えることが出来

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研修の、基本的5つの考え方(まとめ)

研修の、基本的5つの考え方(まとめ)

考え方 まとめこれまで述べてきた研修の主体・目的+基本的5つの考え方をまとめてみよう。

研修の主体は「受講者」
研修の目的は「受講者が習得した知識を用いてビジネスで成果をだす」
考え方1 受講者の既存の知識を活用
考え方2 受講者自ら考え、発言することにより深い習得とする
考え方3 楽しく学ぶと習得は比例する
考え方4 受講者の行動に変化が現れるようにする
考え方5 他の人に教えられるレベルにな

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受講者のスタンス

受講者のスタンス

今回は、受講者の研修を受講するスタンス(気持ちなど)について備忘録をまとめてみました。

スタンスは大きく分けて3つ研修を楽しみにしている受講者

必要性は理解しているが、他で忙しいのに参加させられている気持ち。メリットがあるなら取り組むが、ないのなら寝てしまおうという受講者

参加したくないのに強制させられて参加している受講者

上記の3つに大分されるのではないでしょうか。

講師の方ご自身で開

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受講者の学習スタイル

受講者の学習スタイル

趣味・特技は人によってさまざまです。受講者の学習スタイルもさまざまです。

講師は注意しないと、「自分の好きな学習スタイル」に偏ってしまう可能性があります。

学習スタイル① 知識の構築スタイルみなさんは、知識を構築する上でどちらの方が好みですか?

知識を体系立てた資料を基に、ひとつひとつ階段を上るようにコツコツ勉強する

先ずは大枠を掴み、自分の気になるところから調べ始める

どちらも「あり」

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教える内容を知識・スキル・姿勢に分類する

教える内容を知識・スキル・姿勢に分類する

KSA教える内容をKSAというテンプレートに分解すると整理されます。
KSAとは、

Knowledge– 知っておくべき情報、トピック、項目です。 知識は、受講者が、行動を起こしたときに、効率性を向上します。

Skills – 訓練や練習を通じて獲得される「~できる」で表現される技術です。 測定可能で観察可能であることが特徴です。

Abilities(態度・姿勢) – 知識やスキルを使用す

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研修内容を定着させるには

研修内容を定着させるには

研修の場で「これやってみよう」「これ現場で実際に使ってみよう」と意気込んだものの、職場に戻ってみるとその意欲が消えてしまい、気づけば数日が経過してしまう…そんな経験はありませんか?

行動変容を起こすには新しく学んだスキルが行動として定着し、無意識にできるようになるには、なんと!18日から8カ月もかかるといわれています。

講師は、このタイムラグを見据えて講義を設計することが重要です。

そこで、

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研修前後のプロセス

研修前後のプロセス

研修の目的は、受講者に知識、技術、そして姿勢を定着させ、行動に移し、成果を上げること。
研修を単なるイベントで終わらせないためには、影響力の高い人々を巻き込むことが鍵となります。
特に企業研修の場合は上司や経営者層を巻き込むことは、研修効果を高める上で非常に重要なことです。

○研修前のプロセスとはいうものの、具体的にどのようにして上司や経営者層を巻き込むのでしょうか?

まずは以下の方法を試して

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研修デザインの「落とし穴」の回避法

研修デザインの「落とし穴」の回避法

これまで述べてきた研修前後のプロセスや分析の準備をもとに、設定した目的を達成できるような研修プログラムを作成していきます。
しかし、そのタイミングで陥りやすいワナがあります!
講義を組み立てる際に陥りやすい落とし穴とその回避法について、メモに記録していきます。

落とし穴1:スライド作成から始める講義を準備する際、スライド作成から始めることをよくやってしまいます。しかし、効果的な講義を作成するため

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学習効果の高い研修とは

学習効果の高い研修とは

学習効果の高い研修を行う事は、講師にとっては必須となります。
今回はその基本要素の紹介(詳細は次回以降で!)と、先人の知恵であるフレームワークCSRについて紹介します

受講者主体の研修の設計のポイント設計のポイントを、挙げると次の項目となりました。

時間をデザインする(90/20/8の法則)

KSAフレームワークで組み立てる

EATで構成順序を考える

オープニング・クロージングのデザイン

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