萩原涼介

萩原涼介

記事一覧

世界との関わり方が変わる10冊(Kindle)

2017-05-01 電子書籍が徐々に普及し、書籍全体の5分の1まで市場規模が拡大した。読みやすさの観点では紙の本に軍配が上がるが、電子書籍には利便性という大きなメリットが…

萩原涼介
1年前
1

世界との関わり方が変わる10冊 #2015

2015-12-06 なぜ本を読むのか。それはひらめく準備をするためだ。直接関係がない知識でも、物事の原理を知っていると別の分野で繋がることがある。読んだ直後は役に立たな…

萩原涼介
1年前

世界との関わり方が変わる10冊 #2014

2014-09-26 優れた本には、世界との関わり方を変える力がある。流行を追うのではなく、物事の本質をつかむことができる本。読み終えると世界の見方が変わり、目の前に道が…

萩原涼介
1年前

藤井聡太くん

2020-08-16 私は藤井聡太くんの大ファンだ。 以前も書いたが、藤井聡太くんの対局はすべてチェックしているし、棋譜の解説動画も見ている。最近は月額500円のアプリ「将…

萩原涼介
2年前

黄金色の朝

2019-12-26 娘が高校に上がり、電車で通学するようになった。駅までは自転車で行くことになっているのだが、何かと理由をつけられ、車で学校へ送ることが多い。 学校まで…

萩原涼介
2年前

人が目を見て話す理由

2016-02-07 最近、小学生の息子が『ミッション・インポッシブル』にハマっている。きっかけは最新作の『ローグ・ネイション』を一緒に観たことで、ガジェットを駆使した潜…

萩原涼介
2年前

ベンハムの独楽

2016-01-20  ある日僕は色を失った。  朝ベッドで目が覚めると、世界がモノクロになっていた。水色のタオルケット、クリーム色のカーテン、焦げ茶色のデスク、緑の観葉…

萩原涼介
2年前
1

グラビトン

2015-12-19  どこか遠くへ行きなさい。仕事が小さく見えてきて、もっと全体がよく眺められるようになるから。不調和やアンバランスがもっとよく見えてくるから。 ― レ…

萩原涼介
2年前

エリシア・クロロティカ

2015-10-14 アメリカの東海岸に生息するこの美しいウミウシは、動物と植物の性質を合わせ持つ不思議な生物だ。幼生期に藻類を食べて葉緑体を蓄え、藻類を食べ尽くすと口を…

萩原涼介
2年前

首をかしげる犬

2015-10-12 家を出るとき、犬にバイバイと声をかけると首をかしげてキョトンとした顔をする。続けて話しかけると、首を逆にかしげて丸い目で見つめてくる。この仕草がたま…

萩原涼介
2年前

プルースト効果

2015-09-04 仕事を終えて外に出ると雨が降っていた。ここのところ毎日のように雨が降る。気温はそれほどでもないが、湿度が高いのでジメジメして、シャツとズボンが肌にま…

萩原涼介
2年前

歩く端末

2015-08-29 スマートフォンが普及して多くの人が予備のバッテリーを持ち歩くようになった。他国に比べ、日本人は特に電池切れを気にする傾向があるそうだ。たしかに電車の…

萩原涼介
2年前

超銀河団 局部銀河群 銀河系 太陽系 第三惑星地球

2015-08-01 宇宙を想像すると不安になることがある。真っ黒な宇宙空間にぽつんと浮かぶ青い地球。絶妙な引力バランスで他の惑星との距離を保つ地球。時速1600kmで自転し、…

萩原涼介
2年前

2015-07-19 昨日の夕方、東京で虹が出た。こんなとき遠距離恋愛はつらい。いつもなら二人で夜空を見上げて、同じ星を見て喜びを感じることができるが、虹は一緒に見ること…

萩原涼介
2年前
2

今ここにいる奇跡

2015-07-08 これを読んでいる人は、コードと聞くとアプリケーションを作るプログラミング言語や、ウェブサイトを構築するHTMLを思い浮かべるかもしれない。だが、実はあな…

萩原涼介
2年前

逆さメガネ

2015-06-10 人は眼の水晶体を通して世界を見ている。厳密には世界をそのまま見ているのではなく、物体に反射する光を見ている。光は凸レンズの水晶体を通って屈折する。屈…

萩原涼介
2年前

世界との関わり方が変わる10冊(Kindle)

2017-05-01

電子書籍が徐々に普及し、書籍全体の5分の1まで市場規模が拡大した。読みやすさの観点では紙の本に軍配が上がるが、電子書籍には利便性という大きなメリットがある。思い立ったらすぐ入手できるし、保管場所にも困らない。

電子書籍はコミックが大半を占めるが、数年前と比べれば学術書も随分と増えた。既刊本の電子化も順調に進んでいる。そこで今回は、学術書を中心にKindleで読める名著を紹

もっとみる

世界との関わり方が変わる10冊 #2015

2015-12-06

なぜ本を読むのか。それはひらめく準備をするためだ。直接関係がない知識でも、物事の原理を知っていると別の分野で繋がることがある。読んだ直後は役に立たなくても、時間が経つと繋がることがある。

今回は、世界との関わり方が変わる本を紹介したい。人生の特効薬にはならないかもしれないが、読み終えると世界の見方が少し変わるはずだ。

デザイン

上と下の向きが分からないUSBコネクタや

もっとみる

世界との関わり方が変わる10冊 #2014

2014-09-26

優れた本には、世界との関わり方を変える力がある。流行を追うのではなく、物事の本質をつかむことができる本。読み終えると世界の見方が変わり、目の前に道が開ける本。そんな本に出会うと、自分の可能性が広がることを感じる。

今回は、数学・科学・デザイン・文章など、様々なジャンルの名著を紹介したい。

数学

普段は意識していないが、私たちの身の回りは方程式で満ちあふれている。インタ

もっとみる

藤井聡太くん

2020-08-16

私は藤井聡太くんの大ファンだ。

以前も書いたが、藤井聡太くんの対局はすべてチェックしているし、棋譜の解説動画も見ている。最近は月額500円のアプリ「将棋連盟Live」をiPhoneに入れて、一手一手の意図まで考えている。

藤井聡太くんの指し回しは鮮やかだ。ときには大駒を捨てて最短の勝ちを目指し、ときには守りを攻めに繋げて勝つ。もちろん、どの棋士も意味がある一手を指すのだ

もっとみる

黄金色の朝

2019-12-26

娘が高校に上がり、電車で通学するようになった。駅までは自転車で行くことになっているのだが、何かと理由をつけられ、車で学校へ送ることが多い。

学校までは車で往復40分。それほど遠いわけではないが、1日24時間の中の40分と考えると、無駄な時間に感じて、ついつい小言を言ってしまう。

先日も早朝から車で送ることになった。面倒だなと思いながら運転していると、ナビの画面が目に留ま

もっとみる

人が目を見て話す理由

2016-02-07

最近、小学生の息子が『ミッション・インポッシブル』にハマっている。きっかけは最新作の『ローグ・ネイション』を一緒に観たことで、ガジェットを駆使した潜入捜査や銃と車の派手なアクションが、小さな男心をくすぐったようだ。

私はもともとトム・クルーズのファンで、『ミッション・インポッシブル』のシリーズは当然観ているし、『アウトロー』や『コラテラル』などの渋い作品も含め、ほぼすべて

もっとみる

ベンハムの独楽

2016-01-20

 ある日僕は色を失った。

 朝ベッドで目が覚めると、世界がモノクロになっていた。水色のタオルケット、クリーム色のカーテン、焦げ茶色のデスク、緑の観葉植物、赤と青の時計、カラフルな雑誌の表紙とスマートフォンの画面、そして僕の手。どこを見ても白と黒だけで、色彩がなくなっていた。窓から見る景色も同じだった。透き通るような青い空も、鮮やかな緑の葉もなく、辺り一面どんよりとした灰色

もっとみる

グラビトン

2015-12-19

 どこか遠くへ行きなさい。仕事が小さく見えてきて、もっと全体がよく眺められるようになるから。不調和やアンバランスがもっとよく見えてくるから。 ― レオナルド・ダ・ヴィンチ

 彼は愛する彼女を失った。彼女はまだ若かったが、病いの運命には逆らえなかった。カプセルの中で眠る彼女は安らかな笑みを浮かべ、頬は透き通るように白く凍っていた。彼は宇宙に放たれるカプセルを見送った。誰かが

もっとみる

エリシア・クロロティカ

2015-10-14

アメリカの東海岸に生息するこの美しいウミウシは、動物と植物の性質を合わせ持つ不思議な生物だ。幼生期に藻類を食べて葉緑体を蓄え、藻類を食べ尽くすと口を失い、その後は光合成で生きていく。藻類を食べるのは光合成の遺伝子を受け継ぐためで、その受け渡し役を担うのがレトロウイルスだ。

レトロウイルスはRNAを遺伝物質として持つウイルスの一種。RNAウイルスは単独で増殖することはできな

もっとみる

首をかしげる犬

2015-10-12

家を出るとき、犬にバイバイと声をかけると首をかしげてキョトンとした顔をする。続けて話しかけると、首を逆にかしげて丸い目で見つめてくる。この仕草がたまらなく可愛いくて、ついつい玄関で長居してしまい、家人から白い目で見られる日々を送っている。

それにしても、犬が首をかしげる仕草にはどのような意味があるのだろう。ウェブで検索すると様々な説が見つかる。

1. マズルを避けて前方

もっとみる

プルースト効果

2015-09-04

仕事を終えて外に出ると雨が降っていた。ここのところ毎日のように雨が降る。気温はそれほどでもないが、湿度が高いのでジメジメして、シャツとズボンが肌にまとわりつく。まるで梅雨の季節に巻き戻されたようだ。

駅に着く前に雨が止んだ。街灯に照らされたアスファルトが湿って黒く光っている。階段を上がり改札を抜け電車に乗り込んだ。座席は空いていない。つり革に手を通し、一日の疲れを癒すよう

もっとみる

歩く端末

2015-08-29

スマートフォンが普及して多くの人が予備のバッテリーを持ち歩くようになった。他国に比べ、日本人は特に電池切れを気にする傾向があるそうだ。たしかに電車の中の光景を思い浮かべると納得できる。ほとんどの人がうつむいてスマートフォンを触っているからだ。

普段は意識しないが、実は私たち自身もモバイル端末だ。バッテリーはリチウムイオン電池ではなく、アデノシン3リン酸という有機化合物。私

もっとみる

超銀河団 局部銀河群 銀河系 太陽系 第三惑星地球

2015-08-01

宇宙を想像すると不安になることがある。真っ黒な宇宙空間にぽつんと浮かぶ青い地球。絶妙な引力バランスで他の惑星との距離を保つ地球。時速1600kmで自転し、時速10万kmで太陽の周りを公転する地球。他の星との位置関係がずれたり彗星が追突すると、地球は突然終わりを迎える。

超銀河団 局部銀河群 銀河系 太陽系 第三惑星地球。

これは宇宙空間における地球の住所だ。超銀河団の広

もっとみる

2015-07-19

昨日の夕方、東京で虹が出た。こんなとき遠距離恋愛はつらい。いつもなら二人で夜空を見上げて、同じ星を見て喜びを感じることができるが、虹は一緒に見ることができない。Twitterにアップされる写真を見ていたら、救いようのない寂しさを感じて涙があふれてきた。

というのは冗談だが、虹の原理は面白い。

虹は雨上がりなど、空気中に水滴が残っている状態で太陽の光が差すと現れる。太陽の

もっとみる

今ここにいる奇跡

2015-07-08

これを読んでいる人は、コードと聞くとアプリケーションを作るプログラミング言語や、ウェブサイトを構築するHTMLを思い浮かべるかもしれない。だが、実はあなた自身の身体もコードでプログラムされている。人間だけではなく、地球に存在するすべての動植物は、たった4文字の記号でコーディングされているのだ。

人間の身体には約60兆個の細胞があり、ひとつひとつの細胞に同じ染色体が入ってい

もっとみる

逆さメガネ

2015-06-10

人は眼の水晶体を通して世界を見ている。厳密には世界をそのまま見ているのではなく、物体に反射する光を見ている。光は凸レンズの水晶体を通って屈折する。屈折した光は上下と左右が反転するため、眼の奥の網膜に映る像も反転している。その映像をもう一度反転させ、世界を「正しく」見せているのは脳の処理だ。

逆さメガネというメガネがある。ドラえもんの道具にありそうな名前だが、ちゃんと実在す

もっとみる