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湘南という「舞台」で生きる

新型コロナは収束する気配を見せませんが、「密」の回避やテレワークの普及もあいまって、東京都では7月から人口の転出超過が続いており、東京周辺の自然豊かな街が人気を博しているようです。

本田直之さんは幸福に生きるための10カ条のひとつに「居住地選択」を挙げています。言わずもがなですが、人は自分が想像しているよりもずっと環境から影響を受けるものです。


私自身も東京生まれの東京育ちのシティーボーイでした(虫、苦手・・・笑)

しかし、小学生の頃からサザンが好きだったこと、海のある街に住みたかったことから、就職をきっかけに湘南に移住しました。もうすぐ丸7年になります。

なお、湘南のほか、横浜や箱根などを抱く神奈川県は、「住みたい都道府県ランキング2020」で堂々1位に輝いています。

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「エセ湘南人」の私ではありますが、鎌倉市観光協会の方とともに「鎌倉×観光×教育」というテーマで「第22回鎌倉市民活動フェスティバル」に登壇させてもらいました。その内容を踏まえて、湘南に移り住んで感じたことを綴りたいと思います。

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※掲載許可済


①海と生きる贅沢

海が近いというだけで開放的な気持ちにさせてくれるし、ここでは人々の間にも湘南TIMEが流れています。ちょっと疲れたと思ったら、ふらっと波の音を聴きに散歩に出掛けられる。コストをかけずとも、四季折々の楽しみ方ができます。非日常が日常になるのです。

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もちろん、地元で水揚げされた新鮮な海の幸も最高です。海の幸だけでなく、野菜なども地元産が軒先に並びます。しかも安っっい!!

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「世界一幸福な国」として知られるフィジーまで旅幸家の永崎裕麻さんにお会いしに行った際、「居住地で得られる価値をお金に換算してみるとどうなるか」という興味深い示唆を頂きました。

私の場合、たとえば「通勤列車を回避できるのは100万円相当」「自由気ままに海を眺めに行けるのは200万円相当」とか、ライフスタイルをトータルで考えたとき、めっちゃ価値あるやん!てな感じです。ちなみに、東京と比べれば総じて物価・地価も安くなっています(観光客向けレストラン除く)。



②適度なコミュニティ

海が眼下に広がる湘南では、おおらかで着飾らない人たちが多い印象です。もともと住んでいた人たちだけでなく、開放的な風土を求めて湘南に移住する人も少なくありません。

実際、湘南に住む人の多くは東京に通勤しており、観光地としての性格だけでなく、ベッドタウンとしての色合いも濃くなっています。

だから、移住者であっても村八分的な雰囲気は皆無です。むしろ、湘南は多様な人たちが混じり合い、不易と流行の良いとこどりをして文化が醸成されています。

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鎌倉に住んでいたときは、近所の酒屋のおっちゃんが「おい、一杯飲んでけ!」ってオゴってもらったこともあったし、地元の人が使う食堂では、よく一品サービスしてくれました(笑)

娘を初めて保育園に預けたあと、夫婦でシュンとしていたら、見知らぬおばちゃんが「大丈夫よ、保育園も楽しいところだから!」と微笑みながら話しかけてくれたりもします。

都会よりも人と人とのつながりを感じられる一方、田舎よりは「村社会化」していない、絶妙な距離感のコミュニティが形成されている感じです。子育てという観点からも、本当に地域の人たちの暖かさに助けられています。控えめに言っても、居心地サイコーです。

前出の永崎さんは、日本人が幸福度を高めるためにフィジーから学ぶべきは「共有」「脱力」「今に集中」「つながり」だと述べています。湘南は、まさにこれらの要素を兼ね揃えた空間なのです。

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③「不便さ」が生むもの

だんだん「湘南移住モード」になってきたでしょうか?!残念ながら、湘南に住むことは、良いことばかりではありません。

塩害、湿気、渋滞、防災など・・・不便な点が多いのも湘南の一つの顔です。でも、工夫次第ではどうにかなるし、致命的な欠点とはなり得ません。

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そもそも、利便性ばかりを追求することは、果たして「是」なのでしょうか。もちろん誰だってラクしたいでしょうが、それは追求すべき本質でしょうか?

年を重ねれば誰だって段々と不自由になります。だからこそ、多少の不自由に慣れておくことも必要だと思うのです。そして、不便であることが、人と人との「つながり」を生み出すのではないでしょうか。難病ALSに侵された「モリー先生」は、利便性の先にある大切なことを教えてくれています。

また、スマホを開けばGoogle先生がオススメを提示してきたり、お馴染みの投稿ばかりが流れてくる現代では、ますます偶然の出逢いは減っています。

一方で「利便性王者決定戦」を棄権した湘南では、遠回りや寄り道することもしばしば。だからこそ、偶然の出逢い(セレンディピティ)があり、新たな地平が拓けるのではないでしょうか。湘南で生きるというのは、まさに旅をしているような感覚なのです。

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④舞台装置としての湘南

河野太郎がTwitterで流して(界隈では)話題になっていましたが、我が街・茅ヶ崎は「2020年に移住したい小さな都市ランキング」で世界5位(日本一)になりました(ぱちぱちぱち)

東京より静かで、電車でわずか1時間。山と海に近く、通りやビーチでも自転車に乗っている人が目立ちます。サーフィンも有名。幅広い各国料理が揃い、街全体がレストランのよう。穏やかな気候で非常に安全な都市。

たかが「海の近く」と侮るなかれ。風土は、自然と人間が織り成すものです。豊かな自然や文化があるからこそ、それらに惹かれた人たちが集い、地域の魅力を守ろうという力学が働くのです。

湘南には、実に多くの地域活動が存在します。誰もがオープンに地域コミュニティに参画し、生きがいを持てる空間があります。

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中学生と行ったビーチクリーンプロジェクト

守るべきものがある。誇るべきものがある。すると、人は役割を演じようとする。つまり、湘南は人に使命を与え、輝かせる舞台装置なのです。

湘南という「舞台」で生きることは、人生を見つめ直すきっかけになるのかもしれません。

これを機に湘南(プチ)移住を検討してみてはいかがでしょうか?

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