涙は悲しいときにしか出ない
薄汚れたちいかわのぬいぐるみをお風呂で洗って干して、知らない人の歌を聞く。空が晴れて濃い緑の葉が光って眩しくてきれい。皮膚の上から剥がれ落ちた憂うつが一枚、強い風に乗って散り散りになって消えていった。
4人で喫茶店に行った話をされたけど全く覚えておらず、話を合わせることもできず気まずい思いをする。しばらくするとその日の夜に急にサンマルクのテーブルの上にトレーが4つ並んだ光景が頭の中に浮かんで来た。私のトレーには白玉アイスが乗っていた。向かいの席のメニューは汗をかいたグラスの中