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韓国ドラマ『殺し屋たちの店』最強の元殺し屋である叔父に育てられた少女の物語

私にとってDisney+はもうディズニーアニメやマーベル作品を見るためのツールではありません。
韓国ドラマを見るためのツールです。
以前、韓国ドラマの『ムービング』を紹介しましたが、続いて『殺し屋たちの店』を紹介します。

Disney+にて配信中、めちゃくちゃ面白いです。

全8話で1話あたり60分くらいと韓国ドラマにしては比較的手を出しやすいボリュームなので迷うくらいなら1話をまず見た方がいいです。
それから止まらなくなります。
『ムービング』『SHOGUN』『ガンニバル』などなどSTARチャンネルオリジナル作品最近粒ぞろいすぎませんか……と思うこの頃。

このドラマを見終わった後、真っ先にラノベタイトル風に表現するなら絶対こうだろうな、と思いついてしまったので紹介。
『史上最強の元殺し屋だった叔父の家業を私が相続してしまった件~かくいう私もそんな叔父に育てられたから最強だけどね~』

『殺し屋たちの店』は主人公ジアンが昔一緒に暮らしていた叔父のジンマンが亡くなったことをきっかけに、彼の死の謎を追うため、かつて住んでいた家へと出向きます。
そこで突然殺し屋たちが家に押し寄せてきて、命を狙われることになり、それから壮絶な戦いへと発展する1日を描いたドラマです。

とにかくアクションが凄い、体術やガンアクションはジョンウィックを見ているかのような緊張感と疾走感で韓国アクション特有の血がたくさん出てくるバイオレンスさもあります。また、ドローンやロボット兵器など最先端武器も登場してアクション作品としてかなり最先端。
総集編とかで映画上映しても面白くなりそう。

そして、ドラマの面白いところは『姪であるジアンが何故、突如として戦いに巻き込まれてしまったのか』という1話から大きな謎が提起され、ストーリーが進むごとに、ジンマンの秘密やジアンの壮絶な過去、そして宿敵の存在や頼もしい仲間の関係性が見えてくることで、足りないパズルのピースがはまっていき、物語が盛り上がっていくところです。

『ムービング』も徐々に登場人物の背景を見せることで、見る人が物語に引き付けられるようにできていましたが本作品でもそのような演出がされています。韓国ドラマの流行りの演出方法なのか……?

壮絶な戦いが描かれる1日の話と、ジアンとジンマン、2人の宿敵と仲間の関係性が判明していく過去編が交差していきながら物語が展開され、謎や過去からの因縁が判明するタイミングも見事なので、そこらへんはドラマを見て楽しんでいただきたいですが、ぜひこの記事も参考に。

叔父であるジンマンはかつて殺し屋集団『バビロン』という組織に属して、その中でも部隊をまとめるリーダー的立ち位置でした。

ジンマンを演じたイ・ドンウクは影のある役柄でとにかくクール、錦戸亮に似ている。
ジンマンは天性の殺しの才を持ち、無敵の強さを誇っていましたが、あくまで仕事として殺人を請け負い、善良な人々を傷つけずに任務をこなすのが仕事の流儀。
ジンマンが取りまとめる『バビロン』の部隊にはベイルという男がいて、この男もめちゃくちゃ強いのですが、人を殺せるから殺し屋になったという男で任務中でも関係のない第三者の人間までも手にかけていました。

圧倒的な戦闘能力を持つ2人ですが、良心の差で2人は対立していき、ある事件をきっかけにベイルはジンマンを恨み、ジンマンの母親を部下に殺させた後、ジンマンが身を寄せていた兄と奥さん、つまりジアンの両親も殺してしまいます。

ベイルという男、これまでみた作品の中でも屈指の悪役。

本当にこいつはやばい、こいつを推す人がいたら近寄りたくない。
ジンマンは家族が殺されたのは自分のせいだと責任を感じ、残された唯一の親族であるジアンをベイルの魔の手から守るために秘密の要塞を建てて、そこで守りながら育てていくことを決めます。

それが戦いの舞台にも、2人の思い出にもなっている家になっており、農業地帯にひっそりと佇んでいます。

ジンマンはジアンを育てるために農業用の部品をネットで売る商売を表向きにしながら銃などの武器を売ったり、殺し屋たちを派遣する『マーダーヘルプ』という闇サイトを運営することで、ベイルがいつ襲ってきてもいいようにパラベラムしながら、ジアンにも自分で身を守る方法を得てほしいと考えます。
殺しの技術を直接教えてはいませんが、ベイル襲撃に備えられるよう、生活の中で生存へのノウハウを教えていきます。
姪の成長を見守る保護者の一面と、冷酷な殺し屋としての一面があり、そのギャップがかっこいい。

ジアンは両親をはやくから失い、叔父のジンマンと2人暮らしをすることになった、内気な少女。

ジンマンの死後に彼が元殺し屋であり『マーダーヘルプ』のオーナーであることを知ったため、一緒に暮らしていた頃は何をしているかよくわからないけどお金には困っていなさそうな不思議な叔父さんという印象でした。

その後、ジアンが成長して高校生になる頃、ひとり立ちしたいと考えます。
ジアンを守らなければいけないけど、守らなければいけない真実を教えるわけにはいかないため、ジンマンはジアンに強くなってもらう目的で、無理難題を押し付けます。
ひとり立ちする条件として出したのはジンマンを1発でもいいから殴ること。

彼を元殺し屋だと知らないジアンは余裕だとその条件を飲み攻撃を仕掛けますが、当然攻撃はあたらない、そしてそもそもジアンは少しドジなところがあったため、攻撃するたびに自分に不運が降りかかります。

そこでジアンが考えたのはジンマンの友人で一緒に働いているタイ人のパーシンにムエタイを習うことでした。

パーシンはムエタイの達人で一時期『バビロン』にいましたが、彼もベイルと折り合いが悪くなり『バビロン』脱退後ジンマン側につきます。
少しずる賢い一面がありますが作中屈指のいい奴、真空ジェシカの川北にそっくり。そしてムエタイの構えやアクションがかっこいい。
ジアンがパーシンを師匠と呼ぶ関係性も素晴らしい。

ジアンはバイトでお金を貯めながら、パーシンにムエタイを習い、ジンマンから間接的に危機に陥った時の生存への秘訣を教わりながら強くなっていきます。
そして、修行のおかげでジアンにはすっかりドジな一面がなくなり、いつの間にか殺し屋としての度胸やスキルを身に着けていきます。
ジンマンはジアンに大切なことを教えるとき必ず「よく聞け、チョン・ジアン」という言葉から始めるため、それが彼女の生存本能を呼び覚ますトリガーになっていくのも面白いところ。
最終回のタイトルにもなっており、公式名言です。

いつかベイルが襲い掛かるその日までに、ジンマンは着々と備えをしていきますが、彼自身が死んでしまいます。
ジアンは叔父が死んだ直後に、殺し屋から実は狙われていることなどまったく知らないまま襲撃されてしまい、一世一代のピンチを迎えます。
ジンマンから教わったこと、身に着けた戦闘スキルは果たしてベイルには通用するのか、その行方を是非見守ってほしい。

『殺し屋たちの店』を語る上において外せないのがもう2人、それはジンマンに惚れて部下となり、ジアンを命がけで守ることを誓うミンヘとジアンの幼馴染チビンです。

ミンヘはジンマンがしていたとある任務の途中で命を救われ、そこから彼に一途な想いを抱きます。

マーダーヘルプ所属の戦闘員となることで、彼に忠誠を誓い戦うその姿は美しいの一言。

そして、チビンです。
ジアンと一緒に叔父の家を訪れたため、戦いに巻き込まれます。

この男の子に関しては私の方ではなんも言えません……!
チビンがいたことで物語はより面白くなっていると確信しています。
個人的には大好きな登場人物。
鈴木福さんにとても似ている。

キャラクターが割と少なくて覚えやすく、全員強烈な印象を与えてくれるでしょう。
物語はキリのいいところで終わりますが、スキルを身に着けたジアンをもう少しみたいところ、シーズン2を期待しちゃいますよ。






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