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育児で揉める共働き夫婦とその解決策

旦那が外で稼いで家族を養い、嫁は家を守る。そんな昭和の専業主婦スタイルは長年の不景気で粉々に打ち砕かれた。令和の今は6割強の世帯が共働きとなった。

その結果、令和の子育て世帯が直面している問題が”夫婦の育児分担”である。夫婦で働く以上、夫婦二人の協力によって子育てをしていく時代が到来したのだ。核家族化が進み、親族ジジババの助けが得られないなかで、仕事と育児を両立していくことに苦戦する夫婦はとても多い。

ただ、夫婦の育児分担問題を語るうえで論外なことがある。それが専業主婦が平日まで旦那に育児参加を要求するパターンだ。

そもそも専業主婦×フルタイム旦那の組み合わせは、旦那が稼いで嫁が家事育児をする、完全な分業制を敷くことで家族の利益の最大化を図るシステムだ。にもかかわらず、嫁が旦那に育児をさせてしまっては本末転倒である。専業主婦だが育児が厳しいという人は、旦那に頼むのではなく公的な育児支援を受けたり、ジジババヘルプを頼るべきだ。

また、フルタイム旦那とパート主婦の世帯は潤沢な社会の育児支援と、嫁の余暇時間のおかげでそこまで育児バトルは起きにくい。現在の日本の制度で最も得ができるのがこのフルタイム旦那とパート主婦のコンビである。みなそのことをよく理解しているからこそ、4割もの夫婦がこのシステムを取っている。ただパート主婦の三号保険制度の見直しなども議論されており、今後どうなるのかは不透明だ。

育児分担問題で一番トラブルになりやすいのが、最後に残った夫婦フルタイム共働き世帯だ。今や専業主婦家庭よりも多く、3組に1組の家庭が夫婦フルタイム共働きだ。彼らは潤沢な世帯年収を得る見返りに、厳しい育児と仕事の両立をこなさなければならない。そんな日々の中で、夫婦はいつしか育児の分担で毎晩言い争うことになってしまうのだ。

なぜ育児分担問題はフルタイム共働き夫婦に対立を生んでしまうのだろうか?まず育児分担問題を語るうえでチェックすなければならない4つのファクターがある。この4つのファクターによって育児分担が上手くできるのか、それとも難しくなるのかが決まってくるのだ。

まず1つ目のファクターが「年収」である。夫婦の年収がお互い400万の場合、大きな問題にはなりにくい。旦那も嫁の仕事がないと余裕のある生活はできないこともあり、イクメンすることにも異論は抱かないだろう。しかし、旦那の年収が800万、嫁が400万の場合はどうだろうか?旦那の心の中には必ず『俺の方が稼いでて家計に貢献してるんだから、平日の育児は嫁メインでやってくれよ』と必ず思うようになる。しかし嫁はお互い働いてるんだから育児は平等に負担すべきと考える。その溝が争いを産んてしまうのだ。

2つ目が「労働負荷」だ。お互いシフト勤務や長時間労働など、労働負荷の高い仕事をしている家庭は、時間の無さからお互い育児を押し付け合ってトラブルになりがちである。夫婦シフト勤務の場合、お互いの勤務表とにらめっこをして、保育園の登園やお迎えの当番を毎日のようにすり合わせなければならない。また極端に労働負荷に偏りがある場合、余裕のある方が育児を全て担うことになり、不平等感からトラブルに発展してしまう。「リモートワークのあなたが保育園の送り迎えをやるほうが効率的でしょ」となるのだ。

3つ目が「体力」だ。フルタイム共働き夫婦に最も必要なものは体力である。特に乳児を抱える時期は夜泣きや食事やお風呂のお世話、保育園の連絡帳やオムツの準備など、とにかくタスクが多い。夫婦に大きな体力格差のある場合、体力のある側がない側に対して『この程度の育児もできないのかこいつは?』という態度を取ってしまい、ブレイキングダウンが勃発する。

4つ目が「育児負荷」である。夫婦フルタイム共働きでも一人っ子世帯であればあまりイクメンだなんだとトラブルになることは少ない。なぜなら育児の負荷が低いからだ。また子供の気質によっても育児の負担は大きく違ってくる。大人しい女児と腕白な男児では、育児に必要なエネルギーは全く違う。また年子や双子などの場合、乳児期は倍の手がかかるのでかなりハードな育児負担が夫婦にのしかかってくる。

しかしそれ以上に厄介なのが夫婦の育児に対する意識の高さにズレがある場合だ。夫婦のどちらかが丁寧な育児に拘り出すと無限に育児負荷を高めてしまう。「なんでそこまで手作りにこだわるんだよ」といった迂闊な一言が争いの火種となってしまう。

夫婦二人の年収、労働負荷、体力、育児負荷は夫婦によって千差万別であり、フルタイム共働き夫婦といっても一括りには議論できないのだ。育児分担問題にフォーカする際は、必ずこの4つのファクターを見なければならない。

夫婦ともに年収は多いが労働負荷も高い子供2人世帯と、年収は低いが夫婦ともに仕事が楽で一人っ子の世帯、旦那はハイスぺ激務高年収だが嫁はゆるふわ事務員の子供3人世帯、それぞれでどのように夫婦で育児にかかわるのが適正なのかは全く違ってくるのである。

では、どのような組み合わせの夫婦が最もイクメン問題でトラブルになりやすいのだろうか?また、そういった夫婦はどのように対策をすればいいのであろうか?

まず初めに、最も育児分担問題で口論になりやすい夫婦が……

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