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商品の構成要素を「切り売り」する施策

亀田製菓と言えば、
「柿の種」「ハッピーターン」
真っ先に思い出されます。

この「柿の種」亀田製菓の市場シェア
なんと7割を超えるようですが、
実は最初に「柿の種」を売り出したのは
亀田ではありませんでした。
なーんてトリビアを含むお話を、
こちらの記事で紹介したことがあります。

この記事の中で、
「柿の種 ピーナッツだけ」
という画期的な商品を売り出して、
話題を集めたことも取り上げましたが、
同じ発想を社内で別の商品に適用した
と思しき事例
が登場しました。

それがヘッダーの写真にある、
「ハッピーターン」の
「粉だけ」
を取り出して、
消費者キャンペーンの景品にする
という企画です。

「粉うま祭り」と題したこの企画、
ハッピーターンの味付けを担う
あの「粉」を好きな人が多いことに
着目したのですね。

確かに、ハッピーターンを食べた際、
指についた粉をついペロペロと舐めて
しまう
人は、私を含めかなり多いの
ではないかと踏んでいます。

そして、何といっても、
亀田製菓自らが、あの「粉」のことを
「ハッピーターンのおいしさの秘密!」
と強調しているわけで、
この「粉」なくしてハッピーターンは
成立しない
、そんな関係性なのですね。

即ち、「粉」がブランド価値の決め手だと
いうことなのですが、それゆえに、
「粉だけ」を販売することは考えていない
とのこと。

つまり、「粉だけ」で儲ける意図はなく、
あくまでも、ブランドの接点の一つとして
粉の味を思い出してもらい、
ハッピーターン現品を見たときに
つい買いたくなるような施策という
位置付け
なのです。

また、「粉だけ」が独り歩きするのを
防ぎたい
、そんな意図もあるのでしょう。

似て非なる事例として思い出したのが、
日清食品のカップヌードル。
例の「謎肉」を増量した「謎肉祭」
という商品を発売し、
その後「謎肉放題」という謎肉だけの
商品
を発売した話です。

商品の構成要素として、
ファンからの「引き」が強いものに
スポットライトを当てた点は同様
ですが、
日清はそこで更に進んで、「謎肉」だけで
商品化
までしてしまったのですから、
ハッピーターンよりも攻めていますよね。

カップヌードルの場合、「謎肉」は
商品の重要な構成要素ではあるものの、
「それがないと商品が成立しない」
とまでは言えない関係
です。

それゆえ、「謎肉」だけを販売しても
ブランド価値の毀損にはならない

そんな判断があったのかもしれません。
あるいは、「謎肉」だけが独り歩きしても
問題ない
と考えているのでしょう。

ちなみに、「謎肉」という絶妙な名前
すっかり定着した感がありますが、
日清食品に問い合わせると、あっさり
その「謎」を教えてくれるそうです。

書いていたら、
何だか無性にカップラーメンが
食べたくなりますね💦

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。