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最低限これだけできれば女性にモテる5つのポイント

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 モテるのなんて簡単だ。『話していて悪い気はしない』と思われる人になればいい。

「女性と仲良くなりたい、でも、どうしたらいいかわからない」

 そんな男性のためのコラムシリーズ。とうとう今回は「普通の人」から、「好かれる人」へのランクアップを目指す方法論について学んでいこう。

 まずはこのコラムでお馴染みの、例の図を見てもらおう。

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 いままでは、まず女性の警戒心を解いて「普通の人」認定を受けようということを述べてきたが、では、普通の人認定を受けたらもう女性を口説き始めていいのかというと、実はそうではない。ここを勘違いしている人が非常に多い。

「それじゃいつまで経っても『好きな人』にならないじゃないか。友だち止まりになるのは嫌だから、早めに恋愛感情を見せたりしていったほうがいいに決まってる」

 いやいや、それこそが間違いなのだ。あー、もちろんそれで上手く行くパターンはある。どういう例か。

 向こうもあなたを「悪くないな」と思っていた場合だ。

 前も書いたが、あの図は恋人になろうが結婚しようがいつでも降格する。あなたが向こうに「うーん、告白されたら付き合ってもいいかな」レベルで思われていない段階、つまりただの「普通の人」程度で恋愛感情を見せると、「うげ……そうだったんだ。ストーカーにでもなったら嫌だから距離置こう」なんて思われてしまう可能性がある。

 あなたが考えている「普通の人」からあの手この手で口説いて、相手に自分を好きにさせようとする行動は「相手をコントロールしようとしている」意思の表れだ。

 恋愛だけでなく、この態度が見えると人は従いたくなくなる。子どもの頃なんかに経験はないだろうか? そろそろ勉強しなきゃなと思っていたときに親から「勉強しなさい」といわれ、やろうと思っていたのにやる気が削がれた――なんて経験。

 1回断ったのに、まだしつこくLINEを送ったり、何度も告白するなんて最悪だ。完全に好かれるのとは真逆の行為をしている。

「じゃあ、どうすればいいんだよ」

 それが冒頭からいっている、「話していて悪い気はしないな」と思わせることこそがその答えだ。不快にならない会話は、そのまま楽しい会話と同義になる。

「『話していて悪い気はしない』って、俺は女性に悪い気なんてさせた覚えはないぞ」

 いやいや、ハッキリ言おう。相当数の男性が女性と話すとき、相手を不快にさせる接し方をしているのだ。このコラム集では常々いっているが、女性を不快にさせない男性になるということが、そのまま女性に好かれる男性になるということに繋がるのだ。

 なぜなら、それだけまともな男性がいないから。モテるのなんて簡単だ。人として最低限の気づかいができればいい。

 さあ、まずはそのポイントを箇条書きにしたものを見てもらおう。

・最低限度の清潔感がある
・相手の目線に立った会話ができる
・なんでもかんでも否定しない
・繊細な話題は繊細な話題として扱う
・感謝と謝罪ができる

 ちなみに、今回の記事は以前書いた「女性と会話する上での最低ルールを覚えよう」を踏まえて実践すると尚良い。

「こんな抽象的なこといわれてもやり方がわからない!」

 そう思った人もいるだろう。このコラムは「好かれる」という《人による》を、できるだけみんなが理解できる形にまとめることを目的としている。間違いのないやり方を紹介していくので、ぜひ参考にしてみて欲しい。

・最低限度の清潔感がある

 すこし前にテレビで紹介されて話題になった、「婚活女性が挙げる『普通の人』の見た目が『星野源』」という話題を覚えているだろうか? これに男性の多くが「ハードルが高い!」とネット上で非難する声があったそうだが、ひとまず星野源さんが普通かどうかというのは置いておいて、筆者が思うのは女性のハードルが高いのではなく男性の基準が低いのだ。

「俺は毎日風呂入ってるし、会社に行く日はヒゲも剃ってるから大丈夫だな」

 そんな風に考えている男性は多い。しかし、女性に好かれたいのであれば、それでは不十分なことがほとんどだ。そこで最初に清潔感についてこの2つの認識を覚えてもらいたい。

・清潔感は相対的なもの

・清潔であることと、清潔感があることは別

 まず清潔感は相対的なものというのは簡単だ。例えばあなたが毎日お風呂に入っているとして、1週間に1回しかお風呂に入らない人を見たら「不潔だな」と思うことだろう。人によっては2日に1回や3日に1回を許容できるかもしれないが、あくまでそれは許容であって望ましいとはいえない。

 では、なぜ多くの女性にとって男性の清潔感が足りていないと感じるのかというと、これは女性のほうが男性より清潔で美しくあるように社会が求めてきたからだ。

 すこし前に話題になった、会社規定に「ヒール」を掲げる企業の話なども記憶に新しいだろう。また社会人になったら、女性はメイクをするのがマナーなんて風潮もある。

 雑誌を見れば「メイクを変えて愛され女子!」、テレビを点ければ「女性ならみんな気になるダイエット特集!」なんて文言が1日に何度も目に入る。気にしたくなくても、気になるだろう。

 もちろん好きでやっている女性もいるし、そんなにそれが苦ではない女性もいる。なにがいいたいかというと、つまり、良い悪いは別として男性と違って美容に興味のない女性ですら、ある程度はやっている人が多いということだ。

 あなたがもしファッションに興味がなければ、先ほど書いていたような毎日お風呂に入って、ヒゲを剃るくらいで身だしなみが成立するかもしれない。しかし、女性はそういった清潔さに、プラスアルファ美まで求められる。

 筆者なんかは人生の途中で男性の見た目から女性の見た目に変わったから、その大変さがよくわかる。元々男性の格好のころからオシャレは好きなほうだった。そんな自分でも髪の手入れの大変さ、やりたくない日までメイクをする煩わしさ、ヒールの痛み等々……女性の求められている美意識に衝撃を受けたものだ。

 一見「美容」と「清潔」は違うもののように見える。しかし、そこで最初に書いた清潔感のポイントの2番目を思い出して欲しい。「清潔であることと、清潔感があることは別」というアレだ。そう、実は美容の中には清潔感の演出という側面があるのだ。そして、女性が社会から求められる「マナーレベルの清潔感」は、圧倒的に男性より高い。

 つまり、相対的な清潔感を演出する努力でいえば、あなたたち男性はなにもしていないに等しいのである。それなのに自分より太った男性から「もう少し痩せたら?」なんていわれることすらある。なぜ女性は美しくあるのが当たり前で、男性は見た目を気にしなくていい前提なのか。

 なにも女性のように「メイクをしろ」「ヒールを履け」という話ではない。ただ「風呂に入る」「ヒゲを剃る」「歯を磨く」くらいしかやってない男性は、「もう少し身綺麗にしたほうがいいのではないだろうか」という感覚を持ったほうがいい。

 よく女性に選ばれる男性を指して「あいつがモテるのはイケメンだからだ」なんていう男性がいるが、実際のところその人のパーツなどを細かく見ると、特段「生まれながらの美形」というわけではないことが非常に多い。ただ持っている素材を、綺麗に整えているだけだ。

 それこそが清潔であることと、清潔感があることの違いである。よく「女の子は良い匂いがする」なんていう男性がいるが、女性だってお風呂に入らず、髪の毛の手入れもしなければ良い匂いなんてしない。

 たまに本気で「女性は女性だからムダ毛やヒゲなんて絶対に生えない」と思ってる男性がいるが、生える。じゃなきゃ電車の広告にあれだけ女性向けの脱毛の宣伝が載っているわけがないだろう。

「だけど、なにをしたらいいかわからない」

 そんな人もいるかもしれない。特に男性で美容やファッションに興味のない人は本当にまったく関心がない。そんな中、一番簡単にあなたが女性が求める最低限の清潔感を学ぶ方法がある。

 女性たちに聞けばいいのだ。

 このコラムの第1回で「全女性を恋愛対象・性対象として見るのをやめて、女友だちを作る努力をしよう」ということを書いたと思う。もう1ヶ月近く経ったが、1人くらいできただろうか? できたのなら、その人に自分の見た目を改善するにはどうしたらいいかを聞けばいい。

 もちろんそれは「その女性個人が考える清潔感」だ。だから、今度はその女性に指摘してもらった点を、他の女友だちにも「――っていわれたんだけど、どう思う?」と聞いてみればいい。好みという点においてはドンピシャこのタイプというものが色々女性にはあるが、清潔感については大体見ているところに共通点がある。

 例えばこんなようなもの。

・髪型
・服装
・体型
・爪の長さ
・肌
・口臭・体臭

 もちろんまだあるが、それは各々指摘してもらったらいい。例えば髪型や服装については、実際には汚くなくても汚く見えるものが存在する。清潔感とは読んで字のごとく「清潔に感じるかどうか」なので、毎日お風呂に入っていても整えていない髪型は不潔に見えるし、洗濯していても毛玉だらけの服は汚く感じる。

 女性によってその指摘が好みや美意識の差で変化するので、たくさんの女性に意見をもらえる環境を作っておく必要がある。だから、最初から女友だちを作れるようになれと書いてきたのだ。

 よく結婚してから急にモテるようになった男性なんかを見かけるが、あれだって結局服選びや女性との接し方を実際にパートナーの女性から指摘されることによって、パートナー以外の女性にまで好かれるようになった典型例だ。

 そして、女性から意見をもらったら正確に素直に聞く。男友だちから真剣に訊ねられれば、女性側だって真面目に答えてくれるだろう。ときには辛辣な言葉もあるかもしれない。「痩せたほうがいい」「実は体臭がキツい」なんて言葉は、むしろありがたい。ダメなところがあるということは、あなたにはまだまだ伸びしろがあるということなのだから。

 まず最低限の清潔感。これを身に付けよう。そして、清潔感とは実際に清潔かというだけでなく、見た感じで清潔かどうかということだと覚えておこう。

・相手の目線に立った会話ができる

 続いて、会話について。この相手の目線に立った会話というのが、本当にできない男性が多い。女性の中にもいるっちゃいるが、本当に男性でこれができない人の数は異常だ。

 以前ある女性に聞いた話だと、付き合っている彼氏に「仕事がシンドイ……」と相談したところ、「俺もシンドイ!」と返されて唖然としたことがあったという。彼氏曰く「いや、女の子は共感してもらいたいんだと思って……」とのこと。

 こんなのはだいぶどうかしているが、これはつまり「付き合ったり結婚したりできる男性」ですら、その程度の会話しかできないということなのだ。そんな中あなたがまともに会話できるだけで、女性からモテてしまうのは自明の理である。

 まず基本的な会話の構造として理解していただくのには、以前の「女性とまともに会話ができるだけで男はモテる」を読んでいただいて、ここでは相手の目線に立つとはどういうことかを考えてみよう。

 例えばあなたが誰かに「愛している」といったとしよう。では、今度はこの「愛している」を英語で伝えるとしたら? 当然"I love you"だ。この日本語の違いと英語の決定的な違いはなにかわかるだろうか。そう、主語があるかないかだ。

 英語を勉強するとき、必ずこの違いを教わる。《I》が抜けても《You》が抜けても文章として成立しなくなってしまうのだ。ところが、日本語では毎回主語をハッキリと伝えるほうが違和感がある。

「私はあなたを愛している。だから、私はあなたに恋をした。私はあなたと結婚がしたい」

 なんてセリフがあったら、逆にメンドクサイ。いわなくても誰が誰にいっているかくらいわかる。上記で出てきた「女性は共感して欲しい」みたいなよくある女性との会話も、ぶっちゃけこの文章に隠された《I》と《You》が理解できないとちんぷんかんぷんになる。

 では、相手の目線に立って共感を示す第一の法則を伝えよう。それはIで話し始めたら、Youで返すを基本にすることだ。

 相手が「仕事がシンドイ」という話を始めたら、それはすなわち「(私は)仕事がシンドイ」という意味。そこでこの隠されたIを読み解いて、「そうだよね、辛いよね」と「(君が)いま辛いんだね」というYouで返す。これができて初めて相手は「会話が通じている」という気持ちになる。

 さっきの会話のチグハグさは、「仕事がシンドイ」という《I》のメッセージに対して「俺もシンドイ」という《I》のメッセージを返しているから、相手からすると「話が伝わってない。話題をぶった切って自分の話をし始めた」というように見える。

「それくらいはさすがにできる」

 そうだろうか? これができていない男性は非常に多い。なぜか。まず《You》の気持ちの読み取りができてないのだ。先ほどは「仕事がシンドイ」というマルっと答えがお見通しのセリフだったが、例えばこんなセリフだったらどうだろう?

「この前痴漢に遭った」

 さあ、あなたはこれに《You》の目線でなにか答えなければいけない。ちなみにこの言葉に「良かったじゃん」と返してきたドアホウ男を知っているが、本当にこのレベルの感覚の男が無数にいる。「痴漢に遭った」という犯罪被害の報告をしているのに、「モテ自慢がしたいのかな?」なんて解釈をするのだ。

 もちろん、女性の中にもこういうズレた人はいる。しかし、男性に圧倒的に多いと断言できる。どうしてか? 同じ状況に遭遇した経験が女性より少ないからだ。例えば性被害だけでいえば、女性と男性の被害者率はかなり偏りが出る。この世の中には女体を求める男がわんさかいる。だが、男性と違って女性は性的に見られることにリスクがある。これも以前書いたことだ。

 そこでいうと、男性によっては「え? 痴漢? それって男でいうと痴女に出会ったみたいなこと? 超ラッキーじゃん」なんて思う人も出る。個人的には、なぜその例えのときに痴漢が痴女に都合よく変換されて解釈するのかについてツッコみたいが、話が変わるので割愛しておく。

 で、女性同士の会話でなかなかこういうトンチンカンな返答が来ないのは、やはり女性は同じ経験をしたことがある可能性が高く、そのときの気持ちを想像しやすいことに尽きる。

「じゃあ、異性である限り俺たち男には、女性の気持ちを察するなんて無理じゃないか」

 そんなことはない。それができる男性もたまにいる。どういう男性かといえば、やはり女性の考えや女性の置かれている立場について、よく学んでいる男性だ。学ぶというとすこし堅苦しいが、いってみればたくさん女性と接して、その意見にしっかり耳を傾けてきた人ということ。

 結局上記の項目にもあるが「女友だちを作れ」という話になる。何度もいうが、あなたたちが出会う女性をすぐ恋愛対象・性対象として見ていると、女性はあなたを「警戒すべき人物」として見るので、あなたの周りから女性がどんどんいなくなる。

 そうなると、あなたは「自分の思い描く女性」でしか女性と接せられず、女性もあなたのいっていることを「ズレてるな」と感じるようになる。

 また「女性は共感して欲しい」という、よくいうアレにも少し触れておきたいのだが、たしかに共感して欲しいだけの会話というのは多いが、具体的なアドバイスを欲しているときももちろんある。

 本気で相談しているのに「そうだねー」「大変だねー」だけいっていても、やはり「ズレてるな」と感じさせる。その見分け方は簡単だ。

 質問されたら回答すればいい。

 例えば「昨日彼氏と喧嘩したんだー」には別にアドバイスなんてしなくていいが、「昨日彼氏と喧嘩したんだー。仲直りしたいんだけど、どうしたらいいと思う?」と聞かれたら、そこで初めて自分の意見をいう。だって、その後ろの文の主語は「(あなたは)どうしたらいいと思う?」なので、≪You≫について訊かれて、≪I≫で答えないのはおかしい。

 一見当たり前のようだが、これができない男性も非常に多い。一度たりとも共感を示さない男性がいる一方、頼んでもいないアドバイスをいきなり始める男性もごまんといる。ぶっちゃけ、こんなの小学生レベルの国語の問題だ。

 聞かれたことには答える、聞かれていないときは相手の目線で話を聞く。これができるだけで、他の男性たちとは一線を画す。ぜひ身に付けて行こう。

・なんでもかんでも否定しない

 男性は否定で会話を回す人が多い。これは「自分は人と会話ができる能力がある」と思い込んでいる男性ほどやりがちだ。なぜ彼らは否定で会話をするのか。

 ズバリ、楽だからだ。

 実はここでも≪I≫と≪You≫が関係している。否定で会話をしたがる人は、否定しないと以下のような会話になると思いがちだ。

男A「あの映画面白かったな」
男B「そうだねー」
男A「……」
男B「……」

 同意したら話が終わる、だから、自分の意見をいって会話を回さないと……という勘違い。でも、会話というのは肯定しても回すことができる。これを以下のように直すとどうだろう。

【肯定で回る会話】
男A「あの映画面白かったな」
男B「そうだねー。アクションシーンがアツかったよね」
男A「たしかに。後半のビルのシーンもすごかったよな」
男B「うんうん!」

 別にこれでも会話は繋がるのだが、これができない人が多い。なぜか。それは1つ前の項目と同じ理由、≪I≫で話すことしか知らない人ばかりだからだ。否定の会話の例がこちら。

【否定で回る会話】
男A「あの映画面白かったな」
男B「いや、俺は前作のが良かったけど」
男A「いやいや、今回のアクション良かったよ」
男B「だったら、同じ監督の別の作品のほうがすごかったって」

 2人とも否定に否定を重ねて会話をしている。これは簡単なのだ。自分の思ったことを、思ったままに喋ればいいのだから。肯定で会話を回す場合には、相手がいっていることをおおよそ推測しつつ、理解を示すスキルが必要になる。

「男同士だとこれで会話が成立するぞ」

 そう思う人もいるかもしれない。だが、好かれようとするときは誰しも肯定で会話を回すことがよくあるだろう。取引先の社長に「ゴルフは楽しいぞ」と言われて、あなたが下の立場のとき「いやいや、ゴルフなんて楽しくないスよ」なんて否定はしないはずだ。

 相手に気分良く話してもらうのに、否定で会話を回すのは理に適っていない。それに冒頭からいうように「この人は自分をコントロールしようとしている」と思わせる。一度自分の話し方に注意を向けて、「いや」とか「でも」で会話を始めていることに気づいたら是非矯正していくことをオススメする。

 ちなみに、これを直すのは超簡単だ。会話をするときに「いや」「でも」が頭に来る人は、これから「いや」「でも」を禁止にして1年くらい喋ってみよう。筆者は19歳のときにバーテンダーをしていて、接客のイロハとしてこれを実践させられた。

「いや」「でも」が口癖の人は「そんなんじゃ会話ができない!」と思うかもしれないが、意外とそうでもない。これはちょっとしたテクニックだが、実は同じ否定の言葉でも、「いや」「でも」を使わないで喋ると否定に聞こえ辛いという効果がある。例えば、さっきの会話でこれを使ってみよう。

【「いや」「でも」を使わない否定】
男A「あの映画面白かったな」
男B「たしかにね。俺は前作のが好みだったけど」

 もちろん結局否定していることに変わりはないので、目指すべき会話は≪You≫の視点を身に付けて最後の文も肯定できることだが、これだけでも印象はずいぶん変わる。なぜなら文頭に「たしかにね」と相手の言い分を認めているからだ。これが「いや」から始まると、相手は「自分の意見を一切認めない全否定の言葉」としてしか受け取れない。

 なにもこれから万人のいうことを、全肯定して生きろというわけではない。だが、相手に自分を受け入れてもらいたいなら、まず自分から相手のいうことを受け入れる姿勢を見せなければいけない。そのために、否定で会話を回すクセを失くしていくに越したことはない。

・繊細な話題は繊細な話題として扱う

 一見当たり前のことだが、できていない人がこれまた大量にいる。これだと抽象的に思えるかもしれないので、仮にこの繊細な話題の一例を下ネタだと仮定しよう。

 多くの人は下ネタをいつでもどこでも、だれかれ構わず話していい話題ではないと知っていることだろう。それを出会っていきなり話の種にしたら、大体の場合ドン引かれる。しかし、話して自然な状況ももちろんある。

 それは例えば、相手の女性から下ネタの話題を振ってきたときなんかがそうだ。以前の会話のコツで、「相手から見た必然性のある会話を意識しよう」という話を覚えているだろうか? 相手の女性が自分から下ネタを振ったときに、あなたがその下ネタになんらかのコメントを返しても「まあ、私が振ったわけだしね」という必然性は感じられる。

 だけど、その乗っかり方で失敗している人が多い。なぜなら、女性が下ネタを話し始めた途端、その話題でなにを話してもオールオッケーだと勘違いし始めるからだ。「うっひょー、エッチな話ができる子がきた! ガンガンエロいこと話して、仲良くなればエッチな行為もさせてくれるかも……!」と謎の期待を膨らませる。

 女性の中にも別に下ネタを楽しめる人はいる。しかし、男性と違ってそれと同時に多くの女性の頭の中には、冒頭の図のような男性への警戒心がある。大事なポイントを教えよう。下ネタはその方向性が女性本人のほうに向きだすと気持ち悪い。

 どういうことか。筆者は女性ではないが、女性の格好をしているため男性から言い寄られる経験がある。以前、飲み屋でよく会う常連の男性がいた。僕は普通に話す分には彼に対してなんの抵抗もなかったし、他の客よりかは仲が良いほうだったとは思う。

 いつも通りカウンターで会話していたあるとき、話しの流れで猥談になった。周りの客もバーテンダーもみんなそういう話をする空気だったし、自分もそれならそれで別に構わないと話に乗っかる。そのとき、こんなことを僕がいった。

「あー、耳が感じるって人は結構いますよね」

 すると、いつもの常連客の彼がこう返してきた。

「ホント? じゃあ、俺今度君の耳元で囁いちゃおっかな(笑)」

 その瞬間、さっきまで楽しかった気持ちが急速に冷めた。これが「あー、そういう人いるよね」とかなら別に良かった。なぜ「耳が感じる」という話に「じゃあ、俺もこの子の耳元で囁いて感じさせちゃおう」という発想が出るのか。そのバランス感覚の無さが気持ち悪いし、冗談だとしても笑えない。下ネタが自分側に向くと気持ち悪いというのはこういう感覚だ。

 また下ネタ以外にも、繊細な話題というのはたくさんある。他でいえば、個人情報に関わる話などもそうだろう。会ったばかりなのに、すぐ住んでいる場所を聞く男性が多いが、これにも気をつけたほうがいい。もちろん話の流れがあって、聞く場合があるのはわかる。

「私、家遠いんです」という会話があれば、「そうなんだ。どこらへん?」というような返しは自然な流れだし、なんの気なしに聞いてしまう感覚も理解できる。しかし、それを当たり前のように訊いていいと思っているところにやはり違和感を感じる。

 いつだって思い出して欲しいのは冒頭の図だ。男性への警戒心。例えば夜道なんかでなんとなく後ろに男性の気配を感じたら、目の前に家があってもその男性がいなくなるまで遠回りして帰る女性は結構いる。それくらい男性に、自分の住んでる場所を知られるということへ抵抗がある人は多いのだ。

 それを「千葉寄りです」とぼかして答えてるのに「ん? 駅でいうとどこ?」なんて食い下がって、詳細な情報を手に入れようとする人を見ると頭がおかしく見える。繊細な話題がなにかをわからない人は、バランスを欠いているように見えるし、バランスを欠いた人はバランスを欠いた行動をとるので、連絡無しに家の近くまで来たりするのではないかと思わせる。

 大げさに思うかもしれないが、本当にそれくらいなにに触れていいか、なにに触れちゃいけないかがわかっていない男性は怖いのだ。政治、宗教のような男性同士でも取り扱いの難しい話題というのはあるが、男女になるとまた違ったセンシティブさが必要になる。

 話の流れに必然性があっても、「これはこの関係性でそこまで踏み込んでいい話なのかな?」という問いかけを常に頭の中に意識しよう。

・感謝と謝罪ができる

 人間関係の基本。幼稚園児でも知ってるコレを、なぜできないのかと思って頭を抱える。本当に頑なに感謝も謝罪もしない人がいる。会社の上司や取引先にはペコペコするわりに、女性にだけは下げる頭を持ち合わせていないというような風体だ。

 たぶんそういう人は「ありがとう」も「ごめんなさい」もいったら死ぬと思い込んでる可能性があるので、まずはいっても死なないことを覚えておいて欲しい。また最低限それができる人は「だけどのありがとう」と、「もしものごめんなさい」も覚えておくといいだろう。

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