マガジンのカバー画像

キッズケアラボ

41
医療ケアが必要な子どもたち(医ケアキッズ)の活動・発信拠点。彼ら彼女らが活動すると、大人も地域も変化していく。ソーシャルイノベーターなキッズたちの活動を紹介します!
運営しているクリエイター

記事一覧

今のケアの積み重ねが未来を作る、のではなく 将来のイメージが今のケアをつくる

今のケアの積み重ねが未来を作る、のではなく 将来のイメージが今のケアをつくる 生活や人生に関わる在宅ケアでは大事な考え方です。 子どもの場合は特にそういう意識が必要ですね。 地域の小学校に行けるか? は、 吸痰が頻回だから、それが落ち着いて、気管切開を閉じることができれば、行けるんだけどねー、どうかしらねー。 じゃなくて 病気はあるけど知的好奇心と発達著しい彼女は、地域の小学校に行った方がたくさん学んで将来の自立にも繋げられるから あと3年の間に、吸痰の回数を減らし

生きる歓びに手を伸ばすことを考える

でぃぐにてぃ、吉田真一さんのXより 障害と共に生きる時、 どうやって生きる歓びに手を伸ばしていくか、という議論が必要。 障害の枠組みや医療的ケア児のことを考える時、 この「生きる歓びに手を伸ばす」の議論がいちばんに必要なのに 日本では「リスク回避」が専門である 「医師」 の意見書や診断書が必要になる。 どんどん社会が医療化していく。 必要なのは、医療の社会化なのに。 なぜ医療的ケア児と3000m超の山に登らないといけないんだ、とか なぜ人工呼吸器が必要な子をサ

シオンが空を飛びました。

シオンが空を飛びました。  ムーンナイトサーカス、佐久公演での、 シオンのエアリアルパフォーマンス。 パラリンピック開会式での演奏が印象的な車椅子のギタリスト川崎昭仁さんの演奏の中、 シオンが空を泳ぐ。 観客がみんな、身を乗り出して空を見上げている ものすごい笑顔で拍手してよろこぶ300人 あぁ、シオンは、こんなにたくさんの人に ドキドキわくわくと、笑顔と、感動を 振りまいている。 振りまく側に、シオンがいる。 病気や障害があったって、すぐ死んじゃうくら

笑顔的発作、発作的笑顔。人生いちばんのズバーーーーーーッッぶったぎりと子どもの笑顔

寝たきりの小学3年生の子 のいわゆる在宅主治医をしているときの話 定期的な訪問診療や急な体調変化時の往診に行く 月に1回の病院の受診にもできる限り付き添っていた 「最近、よく笑ってくれるんです」 お母さんが嬉しそうに病院主治医に話した 僕も、最近よく笑うのを知っている 嬉しそうに笑顔で話すお母さんの顔をみて 嬉しい気持ちだった すると・・・・ 小児科主治医は言い放った! 「ちがいますよ、それは笑ってるように見える発作。  病気の発作ですよ。」 ズバーーーーーー

この子らが照らしている未来は

この子らが照らしている未来は 不便や不都合があったって たくさんあったって 仲間とアイデアを集めて笑顔で進んでいけば大丈夫だよ っていうこと 大丈夫、ってのは たどり着ける、とか 乗り越えられる、っていう ゴールのことを言ってるんじゃなくって 楽しいし ワクワクできるよ。 っていう プロセスのこと その壁が とてつもなく高く感じたとしても 結果は乗り越えられなくても 乗り越えようとする仲間が、          行動が、         

こどもまんなか。こども家庭庁の委員会に参加してきました。

7月10日、 こども家庭審議会基本政策部会の “こども・若者参画及び意見反映専門委員会” が行われ、参加しました。 委員には高校生や大学生もいて、自分はほぼ最年長。 まさにこども・若者中心。 そして、20代の委員長、土肥さんの進行、 この委員会はこんなふうにしていこう!ってのがまたやさしくて前向きで ・委員全員が対等 ・この場をこども・若者の参画のモデルにしていく ・高校生や大学生が分からないものは「分からない」と素直に言えるような場 という場を目指しましょう、と。とても

小児の在宅医療と小児のACP(人生会議)、看取りの実際

あいち小児保健医療総合センター主催小児在宅医療研修会「小児の在宅医療と小児ACP・看取りの実際」 2022年12月10日、研修会にてお話ししました。 予定より30分以上の延長になるほど、終了後の質疑もたくさんいただきました! 最近、子どものACPというテーマをよくいただきます。 「こうすればいい」という単純な答えがないテーマなので、毎回うまく伝わるか苦戦しますが、苦悩しながらも諦めずに前に進んでいく様子を伝えられれば、と、 オレンジの考え方や取り組みを、視点を変えな

ザ・ヒューマン(NHK BS1)に出演します。2022年6月25日(土)21時〜

「病気でもあきらめないで! ▽在宅医・紅谷浩之 子どもたちとドクターGO」こんなタイトルがつきました。半年以上にわたって取材を受けてきまして、本日夜、放送とのことです。 取材を受けながら、結局自分は今何をしているのか。一言で言うと自分は何者なのか。をじっくり考える機会になりました。 これまでの出会いや経験が自分の中にぐるぐると溜まっていて、今、地域と向き合おうとした時に、特に地域のこれからを考えた時に、目の前にいてくれる一番大きな存在が、この子たちなんだな、とも気づきまし

病気そのものからくる問題ではなく、「病気・障害のせいで次の感覚刺激に出逢えないことから、後天的感覚障害・生活での不便さ」が追加されていく、という問題。

子どもの感覚はそれぞれ。 ケアがある子はより敏感さと感覚不足(鈍感、ではなく不足!)が際立ちます。 病気や障害、ケアがあるから、感覚不調は仕方ない。と諦めてしまうと、 感覚不調なせいで、次の新しい課題にぶつかってしまう。 病気そのものからくる問題ではなく、 「病気・障害のせいで次の感覚刺激に出逢えないことからくる、後天的感覚障害・生活での不便さ」が追加されていく、という問題。 ブランコで、遊びたい。 ブランコで揺れる感覚は、なんとも言えない新しい感覚。 平衡感

0-1体験【ゼロイチ体験】の積み重ね

本日は、東京出張。 年をとって早く目が覚めたからか、予定よりも4時間ほど早く福井を出発。 羽田空港で乗ったバスを間違えたのか、行くべきところと違うところに着きました。仕方なくそのあたりをうろうろしていたら、ばったり修学旅行に来ているあーちゃんに会いました。 なーんて。 ******* あーちゃんの修学旅行覗きに行きたいな、と呟いたら 「ダメですよ、医者が修学旅行に現れるなんてハッピーじゃない」と叱ってくれるスタッフがいます。 が、今日は、居ても立っても居られず、足が

医療的ケア児が社会を変え、僕らを支える。そんな現場から。

僕は、医療的ケア児が、弱くてかわいそうだから活動しているんじゃない。 彼女ら彼らの強さが、社会を変えていく、よりよく幸せな未来に導いてくれている、それに気づいちゃったから、 最前線で、砂被り席でそれを見届けたいのだ。 こういうことだと思う。 医ケアキッズ、つまり医療的ケア児が 街に出て、旅に出て、山に登る。 学校に行き、社会に出て、世界に羽ばたく。 軽井沢に行く、応援してくれてる人たちと出会う。 好きなものを好きだと思える、やってみたいことに挑戦できる。 気球で空を飛

たくさんの0-1体験を、軽井沢キッズケアラボでつくっていきたい!

子どもにとって”初めて体験する” という機会は、成長する大きなチャンスです。初めての体験はたくさんの感情が動きます。 そもそも楽しいのか、楽しくないのか、好きなのか、嫌いなのかも分からないので、体験に向けて準備をしている時、実際に体験する時、どちらにおいてもポジティブな感情とネガティブな感情が混在します。その過程を子ども自身が感じることが大事であり、私たちはその過程を0-1体験(ゼロイチ体験)と呼んでいます。 一度体験ができると、またやってみたい、もうやりたくない、今度は

医ケアキッズ、地域の保育園に行く。

【地域の保育園につながる】 医ケアキッズが地域の保育園に行く。とある一例のステップ。 1)ケアラボやほっちのロッヂに通う。ケアラボ・ロッヂは医ケア児も通える場所。制度的には児童発達支援(お預かり型)。 子どもはママと離れて過ごすことを体験(がんばる!) ママは子どもと離れて過ごすことを体験(もっとがんばる!) ケアラボ・ロッヂのスタッフは、キッズの体調や体質、好きなもの嫌いなこと、得意なこと苦手なことを発見する。 やがて、安心して楽しく通えるようになる。 2)保

「支える」「支えらえる」を分けると楽。混ぜると幸せ。

早稲田大学のゼミ 「多様性という衝撃、障害者のリアルに迫る」 に登壇させていただきました。 いただいたテーマ「ちいさな命と社会」に、サブタイトルとして 「医療的ケア児に支えられる社会とは」を付けました。 やはり、伝えたいことの大きなテーマは 支える、支えられる、という 二分された関係性を溶かしていきたい、ということです。 私たちの日々の仕事は、「支える」ことです。 目の前には「支えられる」人がいます。 患者、利用者、お客さん。そんなふうに呼ばれる人たちです。 車で外来