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E135:「コロン」に西日を当てないで

今日は50日目です


私が、まだ実家にいる頃の話。

母がスーパーに買い物に行くというので、
「じゃ、コロン買うてきてやー!」
と大きな声で頼んだ。


別の部屋にいて、なぜか、その声に反応した父。
母が出て行ってから、数分後
父が、そっと私のところにやってきた。

「源太、お前……気になる子、いるんか?」

私は一瞬、何のことかわからず、あっけに取られた。

「…へ? なんで?」


「いや。急にどんなコロンつけるんかいな、と思って…」

「ああ、ごめん。それコロン違いや。グリコのコロンやで」

「……なんや、お菓子か! がっかりやな!」


父は
勝手に1人で勘違いをし、
勝手に盛り上がり、
勝手に失望し、
勝手にちょっと不機嫌になっていた。

……いや、知らんがな!


………………………
昨日のスタエフで、好きなお菓子の話になった。

私にとってダントツ1位は「ブルボンのルマンド」
である。
ただし、そのルマンドについては、散々「議論」された後だったので、
必然的に、「それ以外」ということになっていた。


そうすると、すぐに次のお菓子が頭に浮かんだ。

第2位
「グリコのコロン」

私は小学校1年生くらいから、
気がつけば、これを食べていた。

ところが、小学校高学年、
あの、世間を揺るがした大事件のせいで
親から「グリコのお菓子購入禁止令」
が出て、しばらく買えなかったのが悔しかった。

一時期、グリコの製品は「安全包装」というフィルムに包まれて販売されていた。

そんな大昔の話を、昨日のことのように覚えているくらい、私の「コロン愛」は深いのである。

コロンを一粒、口の中で転がして、
舌先でちょっとクリームを押し出し、
一気にクリームだけシュポっと吸い込む。
そんな、今から考えれば、何が楽しいのかよくわからない食べ方をして、コロンを楽しんでいた……。

ああ、昭和が遠くなっていく…。


さて、時代は令和。
コロンは今年で「54歳」

私は、全国のスーパーの発注担当者に
強く言いたいことがある。

「直ちに、コロンパイセンの売り場を確保しろ!」

昭和の頃はどこのスーパーにも売っていた。
ところが最近はどんどん売り場が縮小している。

そのせいで、本当に生産中止になったと思っている人がけっこういるのだ。

コロン 売ってない
コロン 生産中止

こんな検索画面は悲しすぎる。

自宅から徒歩圏内に、
数件のスーパーがあるにもかかわらず、 
以前は、取り扱っていたにもかかわらず、
とうとう今年に入って
どの店も取り扱わなくなってしまった…。

ふざけんなよ!


コロンとは、本来
お金を握り締めて、棚から1つだけ取って
「おばちゃん」から買うものなのである。

コロンとは、本来、
ネットでポチって、
クレジットカードで買うようなものではないのである。

そんなことをしたら、
昭和も、ノスタルジーも、
吹っ飛んでいくではないか!

……とは言いつつ、
昨日、スタエフが終わってから
早速、ポチった私。(←買ってんのかい!)

Amazon様、ありがとうございます。
取り扱い、感謝しております。
勝手なことを申し上げてすみませんでした。

そして今日、私は段ボール箱から
コロンを取り出す。

ああ、至福のコロンタイムよ…
永遠なれ!


【66日ライラン  50日目】

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