ののっつ

そら豆や 逢はねばいつか遠き人

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自己紹介のようなもの

noteもまあまあ続けられてきたので、自己紹介を書いてみようかなと思いました。 めちゃめちゃ長いので、お時間とご興味があれば……。 【簡単な略歴】 東京出身の40代です。 動物のお医者さんをしている夫と、真面目でおっとりしたティーンの娘がひとりいます。 noteは週1~2くらい書いておりまして、Twitterではなくブルースカイで呟き始めてもみています。 アイコンの写真(この記事の上の写真も)は、酒席で芸者さんのカツラを被ったわたしの祖父です。 https://bsk

    • 9番目の席

      つーさんに会ってきた。 今回は、ひと月半ぶりだ。 前回はふた月空いてしまったので、それよりは少し早く来ることができた。とはいえ本当は月に一度くらいは会いに来たいところなのだが。 わたしが現在、舌痛症やら鬱やらで休職中であることはつーさんには話していない。 心配性で友達思いのつーさんの要らぬ心配を高まらせてしまうだけだし、実際つーさんの方がわたしなんかよりずっと過酷な状況で日々を過ごしているのだから、と思う。 (つーさんは、ある事件を起こして確定死刑囚として収容施設にいる

      • 芍薬日記(休職、なにもすることがない人日記)

        【1日目】 やることがない。 今日も今日とて休職中である。 主治医の復職許可が出て、来週の水曜から復職することが決まった。 本当にやることがなさすぎるので、むしろ早く復職したいくらいであるが、主治医の指示なのでしばし仕方がなく、何もない日を送る。 最近は、やることがないので歩いている。 散歩とも、ウォーキングとも言えない、ただ「歩いている」。 散歩みたいになにかを見たり感じたり楽しむのでもなく、ウォーキングのように運動になるべく歩くのでもなく、ただ歩いている。 どう

        • 五月の花嫁

          もうさすがに戻ってこないよね、冬。 と、クローゼットにかけられたカシミアのコートをすりすりと触りながら思う。 一年中ずっと冬だったらよかったのに。 空気が冴えて、こたつが暖かくて、冬って好きだ。 夜はもう暖かいお布団ではなく薄めの毛布をかけて寝ていて、なんなら窓を開けて寝ているくらい(マンションなので防犯は大丈夫)。歩いているとうっすら汗をかく日もある。 さすがにここまでくると、もう冬とはさよならだ。 なんて言いつつも、わたしは五月に咲く花々をそれはそれは楽しみにもし

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        自己紹介のようなもの

        マガジン

        • つーさんの席
          9本
        • 憧れの楽器
          12本
        • コロナ記
          4本

        記事

          休職中のやることさがし

          休職中なので、毎日やることがない。 忙しくしている方には本当に申し訳なくなってくるほどに、朝起きて、今日することがない。 休職というのは休むことがやること、休むべし、なのだから仕方がないとはいえ、わたしはもう元気になってきてしまったので時間を持て余しまくっている。 掃除したり、料理をして常備菜を増やしたり、精神保健福祉士のレポートを書いたり、図書館へ行って勉強してみたりもしているが、それにも限界がある(勉強ばかりしたくない)。 さてどうする。 プライムビデオで映画や

          休職中のやることさがし

          村上ホームラン療法

          そんなわけで、休職中でござんす。 人生初の休職ライフが過ぎていっています。 気づけば上品先生から「じゃ、今日から休職ってことにしておきますね」と言われた宣告日からすでに半月以上がすぎていて、ゴールデンウィークももう終わっていたりして、ええっ!と思ったりしている。 仕事に行かない、ということは決まった予定が通院くらいしかないので、あっという間に曜日感覚がなくなります。曜日、ほんとわかんなくなるよ。 最近ではテレビはあまり見たくないので、夜22時くらいを過ぎてようやくテレビの

          村上ホームラン療法

          そんなわけでの休職決定

          そんなわけで、ひと月休職する事になってしまった。五月(まだ)の、夜風のすずしいこの大好きな季節にだよ。 なにが「そんなわけで」なのかもよく分からんし、「なってしまった」のではなく「そうした」のであるが、とにかくもうそうなっちゃったんである。そうせざるを得なくなってしまったのである。ぐしゃぐしゃだったんですよ。 先週から今週前半にかけてのわたしがもう本当にひどくて、仕事には行けたり行けなかったり、家事はできずにずっと泣いていたり、介護(としか表現のしようがない状態)していた

          そんなわけでの休職決定

          われに五月を

          4月もなかばでやんす。 今年の桜、横目でしか見ていないうちに強風やら大雨やらであっという間に散ってしまったようで、いつのまにか緑になっていた。 うっ、悲しい。桜見ずして春終わる。 そして知らぬうちにハナミズキが咲き始めていた。今日娘の学校の父母会があって、都会の真ん中にある植物図鑑みたいにさまざまの木や花の植わっている校内をてくてくと歩いていたらこの季節にもさまざまの花が咲いていることを知らされたのだ。 あの白い花、なんだろう。 見上げて、ハナミズキだと気づいた。 足元に

          われに五月を

          また、3番目の席/すこし元気になった

          4月1日、つーさんに会いに行った。 エイプリルフール。 特に意味はないよ。 2月にはつーさんの誕生日、3月にはわたしの誕生日があった。 でも両月とも会いに行けなかった。 行きたいな、行かなくちゃ、と思ったが、その元気がなかったのだ。その頃ののわたしは生きるのだけで精一杯。 誕生日には、電報を打った。 「生まれてきてくれて、ありがとう」 と書いた。 わたしの誕生日には手紙が届いて、つーさんなりの思いの籠った言葉がたくさん綴られていた。 いつもはアクリル板越しに歌っていた

          また、3番目の席/すこし元気になった

          乙女椿の卒業

          おっと。 おおっと!? 9日間も間があいてしまった。 春だね、なんて思う気持ちの穏やかさだとか、丁寧に季節を感じているふうもまったくないままに、気づいたら3月が終わろうとしている。 なんてこった! でも、桜はまだ咲かないね。 だから今年の春は、まだだよ。 3月下旬は気持ちの調子がなんだか低空飛行で(超・低空飛行で)、なんだか、一日一日をゼイゼイ言いながら何とか生きてるみたいな感じなのだ。 上品先生には相談しているけれど、もはや、なにか原因があってこうなっているのか、薬

          乙女椿の卒業

          「あなたは嘘つきだね」

          気づけば3月もはんぶんが過ぎた。 おや。はやいぞ。 この分だと一気に5月くらいまで時の流れに乗ってもってかれてしまう。 早春。 晩春。 どの春も好きだ。 好きなんだから、もっと晴れやかな気持ちでいたいのに、反して、心はどんよりだ。 このどんよりをどうしてくれよう。 頭の中から暗ーいかたまりをパコっと取り外して、ぽーいと捨て(燃やすのもいいな)、頭のすみずみまで爽やかな風で満たしたい。 最近、特に朝は元気がないのがデフォルト、やる気が起きないのがデフォルト、動きたくないの

          「あなたは嘘つきだね」

          「あなたが生まれてきた日は」

          3月某日 「日比谷ミッドタウン」 お友達がTwitterで「夜明けのすべて」という映画が良かったと感想を書いていて、いいなあ、上白石萌音さんと松村北斗さんといえば私が大好きだった「カムカムエブリバディ」のおふたりだし、原作の瀬尾まいこさんの小説も好きだし、観てみたい、と思い立ち、休日にひとりでミッドタウンのTOHOシネマへ。 ここでなんと、予約したはずのチケットが前日の分であるという大ポカをやらかした(アホすぎる……)。 入口で「ブー」と鳴って中に入れないということに

          「あなたが生まれてきた日は」

          げきべこみと桜ドーナツ

          凹んでいる。 「凹んでいる」という言葉はとてもわかりやすくていい。だって、へこんでるんだよね。心がべこっとへこんでる。それをすごくよく言い表してる。 で、凹んでるんです。 激凹み(げきべこみ)です。 ① 本業の仕事がひますぎて、なんもすることなくて、自らの存在意義を失う思いにとらわれる ② 頼まれて入ったサブの仕事も(夫の病院の手伝い)、別にわたし居なくてもよくない?という存在の意味のなさに生きる意味を失いかける 人間(いい年した大人)は、なにかしら動いてないと、働

          げきべこみと桜ドーナツ

          「春、三月」と初恋の人

          「春、三月」 「爽やかな風と」 「桜の花咲く暖かな季節」 「わたしたちは」 全員「わたしたちは」 「いま、卒業します!」 全員「卒業します!」 ……これは、わたしの小学校の卒業式の卒業生一同の掛け声(というのだろうか、なんなんだろうか、あれですよ)の冒頭部分である。いまでも忘れられない。 (コロナ禍になって、もう「あれ」はやってないのでしょうね。) 春になると、小学校の卒業式なんてもう30年近くたっているというのに、あの時の体育館の雰囲気とか、緊張したような

          「春、三月」と初恋の人

          どこを切り取ってもわたしである

          ここのところ、山本文緒さんの日記エッセイを3冊、同時並行で読んでいる。 まず最初のこれは、1996年に書かれたもの。 彼女はまだ30代で、最初の夫と離婚してはじめての一人暮らしをしている。携帯電話やネットはまだ普及しておらず、FAXや家の電話が大活躍している。 そんな頃のとても自由な一人暮らしの日記だ。 そして次に書かれたのがこれ。 彼女は40代になり、新しい人と再婚して(別居婚)、そしてうつ病になってしまった。その何年かの日記だ。闘病の日記とも言える。 読んでいてす

          どこを切り取ってもわたしである

          人生は山芋

          ここ数日、風が強い。 2月だけど春みたいに暖かくて、ぽかぽかしてて強風の日が続く。 なんだか、あれ、この暖かさってもう春になるのかな?いやいや、まだだよね2月だし、なんて思いながら強めの風をうけて歩いている。 最近は、うむ、元気ではない。 元気では、ないんだなー。 舌痛症でのんでいるお薬や、あれやこれや、なんだかんだのお薬で、ふぅ、元気ではない。 どっちかというとションボリ、いや、無になってるときが多いと思う。 家にいるときは、本も読まず、テレビもみず、スマホもみず、た

          人生は山芋