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転職から2年。ここまでの心境の変遷を綴ります。

 こんにちは。映像ディレクターのなべしんです。
きょうは私にとっての記念日。転職してちょうど2年が経ちました。

 私は、大学卒業後に地方テレビ局に就職して約5年間、報道記者を務めた後、別のテレビ局に転職してディレクターとして働いています。
 以前、転職から8か月が経ったときの心境も一度記事にまとめましたので、よかったらそちらも読んでみてください。

  転職当初は悩みが尽きませんでしたが、現在はその頃とはまた違った心境で過ごせています。こうした心境の変化がどうして起こったのか、これまでどのような心境で過ごしてきたのかを自分なりに時系列でまとめてみました。


①転職初日~3か月目 迷える子羊期

 転職して間もない頃は、転校生の気分でした。会社に行くまでの道のりも慣れないし、周りも知らない人ばかり。これまでは会社に行けば気軽に雑談できる相手がいたのに、誰とも気楽にしゃべれないというのは、かなり気疲れした記憶があります
 仕事については、前職がテレビ記者ということもあり、テレビの仕事に慣れてると思われたのか研修などは何もなく、1か月で6分尺のリポートを作ることになりました。
 リポートの制作は慣れているつもりでしたが、カメラの発注、取材メモでのデスクとの打ち合わせ、ロケ前の構成作成など、ロケに行くまでの流れもやり方も前職とは違っており、非常にやりづらかったのを覚えています。
 その後も、編集機の使い方やナレーションの入れ方など、使う機材も違うし、どこでやるのか、誰に声をかけたらいいのかも分からない!ということが続き、迷える子羊状態でした。その後に作った旅番組も同様で、転職して1年間くらいは、重りをつけてランニングをさせられてるような感覚に陥っていました。
 リポートは無事に完成しましたが、正直これまでに作ったもののなかでも最低クラスの出来だったと記憶しています。
 すぐに社内のキーマンを見つけて、分からないことがあれば教えてもらえる体制を整えておく必要があったな…と反省しています。

②転職4か月目~半年まで 原点回帰期

 転職して3か月が過ぎた頃からは、だんだんと気軽に話せる人ができてきました。番組制作をいくつか経験して強制的に人と関わったことで、そのうちの何人かと打ち解け、話ができるようになったという感じです。また、4月になって新卒社員が入社し、歓迎会などが開かれたのも大きかったです。
 ちなみに新卒社員の入社は、転職したことで自分の中の何かが大きく変わったことを実感した瞬間でもあります。どうしてそう感じたのかというと、新卒社員たちと仲良くなれたからです。今でも連絡をこまめに取る仲なのですが、転職しなければ考えられないことでした。
 なぜなら、転職していなければ当時の私は入社6年目でしたから、新卒の子たちからだいぶ先輩として見られ、壁を感じさせてしまっていたと思います。ただ、転職してたどたどしい姿を見せることで、新卒の子たちが壁を感じず「もうほぼ同期みたいなもんだよね!」と仲良くしてくれました。これは、その子たちの人間力がかなり高いから…というのもありますが、転職してよかったなぁと思わされたことの1つです。
 転職前は、だんだんと入社1年目の記憶を忘れて、仕事に慣れない後輩に寄り添いづらくなっていました。でも、転職を経験したことで初心にかえり、入社1年目~3年目くらいまでの若手と大変さを共有しながら仲良く過ごせたのは、自分の錆び始めていた感性に刺激を与えるいいきっかけとなりました。

③転職して半年~1年まで モチベダウン期

 転職して半年くらいが経つと、「本当に転職して成功だったのか??」と悩む時期に突入しました。
 入社してからお試し期間のような感じで、様々なジャンルの仕事を経験させてもらっていたのですが、一方で「こんなことがやりたくて転職してきたんじゃない…。」と感じ始めていました。これまでであれば、自分のやりたいことや持ち味、考え方などを上司や同僚、カメラマンや編集マンなど他部署の人たちも共有してくれていて、それを尊重してくれていました。
 もちろんそれは5年近く一緒に働いてきたからこそであって、半年しかいない会社の上司や同僚にそれを求めても仕方がないのですが、それがどんなにありがたいことだったのか…と前の会社への愛おしさが増している自分がいました。
 特に、前の会社に残っていれば入社6年目相当の仕事を任せてもらえただろうに、転職後に任されていたのが入社2~3年目でもできそうな仕事だったのがきつかった…。プライドが高いわけではありませんし、実力不足なのは認めつつも、もっと大きな仕事をやり遂げてから転職してもよかったかもな…と思わざるを得ませんでした。
 
やはり同じテレビの仕事とはいえ、ディレクターと記者の仕事は別物です。同じ映像を作るとはいえ、作り方も違ければテイストも違う。大事にするポイントも違います。自分の力がこの職業で通用するのか…という漠然とした不安も感じていた記憶があります。
 
この頃から、noteを書いてみたり、SNSのアカウントを久々に動かしてみたり、新たな趣味を始めたり、現実のモヤモヤから逃げるように仕事以外のことをいろいろやり始めるようになり、転職サイトの職務経歴も更新したりしていました。
 それでも続けてこれたのは、転職するときに前の会社の人たちや取材先に別れを惜しんでくれる人がいたからです。その人たちが気持ちよく送り出してくれたのに、こんなところで早々に弱音を吐いて道を外れるわけにはいかない…とだけ思い、なんとか続けていました。

④転職して1年~1年半まで 希望の兆し期

 転職からの1年間は、少ない社会人経験のなかでもかなり長く感じた1年でした。社会人1年目も相当長く感じましたが、それと同じかそれ以上に長かったです。それだけ自分にとっては新しいことの連続だったのだと思います。
 ただ、1年も経つと、住環境にも職場環境にも慣れるし、仲良い同僚もできて、転職して間もない頃には想像していなかったほど快適になりました。ただ、どうしても上司との関係性はそこまで良くありませんでした。別にパワハラをされるとか、自分が反抗的な態度をとるということはありませんでしたが、ただ単に転職してきて社会人経験はあるのに実力が低い自分をどう扱っていいか分からなかったんだと思います
 自分も新人であれば、仕事出来ないキャラを確立してムードメーカーとして立ち振る舞うこともやぶさかではなかったのですが、転職してきた30歳間近がその立ち回りをとるのはきついなと思い、一切可愛げを出せずにいたのも問題でした。かといって、みずから自分を下げても後々惨めになるだけなので、ふざけなくて正解でした(笑) 
 それでも、仕事のやり方には慣れたことで、番組作りが楽しくなってきてもいました。いままでは番組を成り立たせることに必死だったのに、だんだんと成り立たせるのは大前提として、自分なりの工夫を入れたいな…という欲が出てきました。あとは、ボーナスの査定が上がっていたのも自信に繋がりました。

⑤転職して1年半~2年まで モチベ上昇期

 転職2年目になると、怒涛のように時間が過ぎていきます。もう2年が経ったことが正直信じられません。
 1年半が経った頃から、任される仕事の量が増えて忙しくはなりましたが、自分の裁量も大きくなったことで仕事のやりがいも増してきました
 この頃から仕事で褒められることも増え、自分の成長を実感し始めてきたのも大きかったです。実は転職して8か月が経った頃からプライベートでカメラや動画編集を練習し始めていたので、その効果もあったのかもなと今では思います。
 また、この頃から諦めるということも覚えました。特に「上司と無理に仲良くなる必要はない」と割り切ったことで、上の顔色を見て仕事をすることがなくなりました。ただ純粋に「過去の自分を超える」「自分が本当にやりたい、重要だと思う仕事だけをやる」ということを愚直に貫いています。
 もちろん、降ってくる仕事もありますので、そちらもできるだけ「自分にとってどんな成長をもたらすか」ということに焦点をあてることで意義を見出し、仕事をさばいています。
 今はよりよい番組を作るために、そして自分がこの仕事をしている意味を感じるために、「自分は何ができるのか」「自分じゃないとできないことは何か」「自分は何を磨いたらいいのか」を日々試行錯誤しています。
 こんなふうにモチベが上昇したのは、自分の中で考えがぐるっと一周したからかもしれません。
 転職して最初は「仕事ができなくて当たり前」だと思っていたのが、だんだんと「出来ないとまずい」になり、さらに悪化して「仕事から逃げてしまいたい」になり、そこを我慢して「他人は他人、自分は自分」と割り切るようになり、今は「自分の成長が楽しい!」と感じられるようになりました。
 とはいえ、別にこれといった結果が出ているわけではないので、このまま無理のないペースで謙虚に走り続けていきたいなと思っています。

最後に・・・

 ざっと転職してからの2年間を振り返りましたが、あっという間のようでいろいろと感情が動かされた2年間だったなと感じています。
 仕事なので楽しいばかりではなかったのですが、「一度きりの人生」と捉えた時に色々な仕事を経験できたという事実はきっとプラスになると思います。
 「ビートたけし」なんて40歳を過ぎてから映画監督に挑戦してますから、自分も固定観念や現状維持バイアスにとらわれず、常に好奇心と冒険心をもって生きていきたいと思います。


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