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2024/03/14 粗くなるドット

最近うっすらと目が見えにくい。眼鏡を作り直さねばならぬかと思うが、ひとまず画面の中のいろんなものの「+」ボタンを押しまくる。ワード、エクセル、ドキュメント、XD、全部200%ぐらいにして、さらにモニタのアームをぐいー、と伸ばして物理的に近づける。

40を超えて久しく、めっきり身体に対する解像度が落ちたような気がする。彩度が落ちた。ドットが粗くなった。いろんな言い方ができる。走れないし眠れないし起きれない。全体がふんわりぼやっとしている。

20代くらいの時はあんなにビビッドに色んなことにムカついたりしてたのに、今では随分感情面も凪だ。怒るは怒るが反応が鈍い。遅れてやってきてはタイミングを逃す。今までぱんぱんに詰まっていた何かが削ぎ落とされてゆく感じだ。昔は瞬発力があり過ぎて、傷ついたり昂ったり目まぐるしく忙しかったから、今のこれは悪くない。悪くはないが疲れやすいのはいただけない。人は生まれてから色んなものを蓄えながら育って、今度はちょっとずつ置いたり落としたりしていくのかな。

赤ん坊は生まれた時、何も知らない。目もよく見えないし、泣く以外の訴え方も知らない。自分の手足さえ生後2ヶ月くらいでやっと発見する。

ベンジャミンバトンってよくできた話だったよな、単純に逆じゃん、と思ったが、老いて人の顔は忘れても手足の存在は忘れない。赤ん坊には自分の手を初めて認識する瞬間があるが、老人が自分の手を見て「何これ?」となるのはあんまり聞いたことがない。「単純に逆」じゃない。

というようなことを考えていたら、日が暮れてしまった。

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