2024/4/8 むくんでサボって

先週末から新学期が始まり、今朝も早くに家族が出払ってしまった。唐突に家の中が静かである。
テレビをつける習慣がないので無音。いや、キッチンに埋め込まれた食洗機の中で水が渦巻く音と、食器が触れ合う音、猫たちの寝息、ドラム式洗濯機の中身が重たくてごとごと揺れる音がする。

生理でだるくて動きたくない。足がむくんでいるのが不快で、椅子に座ってごりごりマッサージしてみる。何も改善しないのでひとりでぶすくれる。あー、と天井に向かって声を出してみる。わいんっと響いた。

今週は仕事がゆるいということもあって、やる気が全く出ない。パソコンの前に座ってはみたが、ミリも進まない。諦めてリビングのソファに寝っ転がってから、うざそうにする猫の腹に順番に顔を埋めてまわった。つまらん。

つまらんので、ほこりだらけのハノンを引っ張り出す。ぴらぴらめくって、適当なところを弾いてみる。びっくりするぐらい指が動かない。むきになって何度か弾いて、慣れて調子が出てきたところでインターホンが鳴った。なんだよ、いいところだったのに、と画面を見ると、長男が写っている。もう帰ってきたのか、早いな、と思ったが、時計を見ると小一時間弾いていたようだ。エントランスのドアを開けてやって、なんだか中途半端な気持ちでピアノの蓋を閉めに戻る。しばらくするとどかーん、と玄関ドアが開いて、ドアを開ける勢いに比べてはるかに気だるげな長男の声。たらいまぁ。

おかえり、とリビングから廊下につながるドアを開けて、声をかける。長男はランドセルを下ろしながら、ひたと私の顔を見つめて「なんか、サボってたでしょ」と言った。なんでわかったんだ。