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VR音楽プラットフォーム構築を目指して2023年に起きたことと、2024年から始めること

VR音楽プラットフォーム「sono」の構築を目指して動いている、福岡のテクノ・ハウス系トラックメーカーでフロントエンドエンジニアのmimyです。

前回の記事から気が付いたら1年以上経過していました。

この記事を書いた後、怒涛のように色んなことがあったのですが、何しろ色々ありすぎてnoteの続きをゆっくりと書く余裕もなく時間が過ぎてしまった感じでした。
年が明けて2024年になり、また大きな変化が起こりそうなので、年末年始休暇の間に今までの振り返りとこれからの展望をまとめておきます。

2023年初頭、sonoを構築するために会社を転職

sonoのプロジェクトは元々ベンチャーキャピタルから資金を得てスタートアップ起業として始めるつもりでした。
それを実現するために様々な起業プログラムに参加し、人前に出て喋ることは苦手ながらもいくつかのLTに登壇して自分の考えていることを周りに伝える活動を行なっていたのが2022年後半。
おかげで、sonoのプロジェクトに賛同してくれる仲間も少しづつ集まってきてくれました。

そうした中で、福岡のシステム開発の会社を経営する社長から「うちもこれからの時代に備えてVRの事業を始めたいと考えていたところだ。VRプラットフォームをやるんだったら、失敗しても良いから是非うちに来てやってほしい」と声をかけてもらいました。
条件としては、私が会社の中に入って他の業務もこなしつつVR開発事業を推進すること。sonoを作るのは会社の宣伝になるので、sonoの開発には自社のリソースを使って良いという、願ってもないお話をいただいたのです。
この時点で私は今まで所属していたWeb制作会社から転職することを決め、sonoは転職先の会社の社内新規事業として進めていく道を模索することとなります。
(実は紆余曲折ありこの会社ではsonoをやらなくなったのですが、その話はこの記事の最後のほうで書きます。)

2023年3月1日、sonoの音楽メディアをリリース

現在の会社に転職が決まり、今からちょうど1年前の時期は前の会社で有休消化に入っていました。
VR音楽プラットフォームの開発は新しい会社で進めるとして、それまでに何もしないというのも時間がもったいないので、前段階としてアーティストやDJと音楽ファンのマッチングのためのCtoCメディアサービスの開発を個人的に準備し始めます。

そうして出来上がったのが音楽メディアとしての「sono」。

前回のnoteの記事を振り返ると、この音楽メディアの開発の構想については下記のように書いていました。

どういうものかというと、トラックメーカーやDJ、レーベルなどがユーザー登録を行って自分たちのイベント告知やリリース情報の発信を行えるサービスです。どこにどんなジャンルの音楽をやっているトラックメーカーやDJがいてどんなイベントをやっているかがこのサービスの訪問者に一目でわかるクラブミュージックガイドのようなもので、ユーザー同士がコミュニケーションを行える機能も実装してコミュニティを形成します。
元々こちらのガイドを作る構想は2年前からあり、当時はLaravelかRubyOnRailsを使った個人開発の勉強用で「国内のトラックメーカーやDJの活動を一覧で見渡せるサービスなさそうだから作ってみようかな」と思いついたものでした。
ガイドにはメディア機能も持たせて、国内アーティストへのインタビューやクラブイベントの紹介、注目リリースの情報、広告などを掲載します。

VR音楽プラットフォームを作る、その前の準備。

自分でnoteにこんなふうに書いていたことをすっかり忘れていたものの、ちゃんと有言実行できていましたね!
公開を急いだためLaravelもRubyOnRailsも使わず自分の使い慣れた技術であるWordPressで開発を進めましたが、その分狙いどおり早くローンチさせることが出来たので結果オーライです。
最終的にはユーザー同士のコミュニケーションよりもメディアとしての機能のほうに比重を置いた形で出来上がりました。コミュニケーションの部分は目下、Twitter(現X)やDiscordで補完している感じです。

まったく宣伝費をかけずにTwitterの口コミだけでサービスを広め、2023年中はこのサービスにDJ・アーティスト・レーベルなど音楽に携わる200名以上のユーザーが集まり、実に327件のイベント・97件の楽曲リリース情報・37件のトピックスの記事が公開されました。
まだまだ小さなサービスですが、多くの方にリピートして使ってもらっていて、とてもありがたく思っております。

clusterでDJワールドを作り始める

clusterの中に作ったDJイベント用のワールド「sono 2.0」。

さて、その一方で私は2月に会社を移り「さあ心機一転、sonoのVR音楽プラットフォーム構築を進めていくぞ!」と思っていたのですが、何しろ新規事業なのでまず技術者がいません。全部私が責任者として人を集めて考えないといけないのです。
入社前には会社のリソースを使って良いと言われたものの、在籍している社員の皆さんは目の前で進行中のシステム開発の案件に携わっていて、とてもじゃないけど新たなVR開発事業のためにアサインできる状況ではなさそうでした。

しかし、そこで手をこまねいているわけにもいかないので、まずは自分で出来ることからやってみようと思い、Unityの勉強を始めました。
UnityはUnreal Engineと並ぶゲームエンジンなんですが、私は元々フロントエンドエンジニアとしても大した技術があったわけでもなく、ましてやゲーム開発なんてやったこともありませんでした。
それでも「Unityを使えば、国産メタバースのclusterでワールドを作れるらしい。すぐにsonoの構築に着手できないのであれば、まずはclusterでDJワールドを作って、イベントを開いて実証実験してみよう」と手を動かし始めます。

そんなHataさんから伺った話を生かしつつ、私もVRChatやClusterなどでイベントを開催してみようと考えています。
自分で実際に経験してみることで、VRならではの困ったことや改善したい点を見つけて自分のプロダクトに落とし込むとともに、VRでのイベントにどのくらいの人が集まりどのような形態でどのようなジャンルが好まれるかなども検証していく予定です。

VR音楽プラットフォームを作る、その前の準備。

↑前回の記事でいったらこの部分ですね。この時点では自分でもワールドが作れるとまでは思っていなかったのかもしれません。

6月末までは、会社でやっているIT新人研修事業の講師業務を担当しないといけなかったので、clusterのワールド制作は7月から本格的に着手しました。
最初はUnityを使いこなせるようになるまで四苦八苦したけど、ワールドをふたつ完成させてみて、実際にDJイベントを開催できるところまで漕ぎ着けたので、これも何とか目標達成です。

今年はこのワールドでもっとクラブイベントの回数を重ねてさらにブラッシュアップさせていきたいなと考えています。
私自身はトラックメーカーではあるものの、元々DJをしてきてはいなかったんですが、clusterでイベントを定期的に開催すると自分で決めたので、これも良い機会だということで最近はDJの練習をしています。
リアルな世界ではどうにも引っ込み思案で「人前でDJするなんて緊張して出来ないよ」と思ってたけど、clusterの中なら人目を気にしなくて良いし、DJしてる間は他の人と無理して話さなくても大丈夫だということにも気付いたので、ぴったりな練習の場所を得たなぁという思いです。

J-StarX(地域起業家コース)のシリコンバレー派遣プログラムに採択される

J-StarX地域起業家コースのシリコンバレー海外研修

7月に福岡のFGNで行われていた起業プラグラムの関連イベントに参加した際、高島市長が「福岡で海外進出を目指す起業家向けのシリコンバレー派遣研修をやる」と話していて知ったこのプログラム。

J-StarXは経産省がデロイトトーマツとタグを組んで主催しているらしいのですが、福岡市がスタートアップ都市宣言をして10年の節目を迎えたということで、このプログラムの参加者を募集していました。
サンフランシスコへの渡航費・宿泊費用を含めて研修費用は福岡市が公費で持ち、現地にて海外進出のノウハウを学びメンタリングを受けられるという内容です。

sonoは社内新規事業として開発を目指して動いていましたが、事務局に「会社から事業をスピンオフする予定があるなら参加しても大丈夫」と確認をとり、社長に「業務として是非行かせてほしい」と掛け合って承諾をもらい、採択されるかどうかはわからないけれどとにかく思い切って応募してみました。

参加できるのは一般コース・上級コース・超上級コース含めて総勢150名とのこと。
自分の思いの丈をぶつけた資料を作成し、応募フォームから送信して待つこと1ヶ月。なかなか返事が来ずどきどきしていたら、8月終わりにようやくメールにて採択の通知が届きました。
200名以上が不採択だったらしいので、倍率は約2.4倍くらいでしょうか。sonoの構想には絶対の自信があったからきっと残れるだろうと思っていましたが、いざ選ばれると実感が湧くのに時間がかかるくらい不思議な感覚でした。

sonoのVR音楽プラットフォームの構想を、こうして認めてもらえた。
もちろんまだまだ改善するべき部分はたくさんあるだろうけど、国や自治体からお墨付きを得て「このまま突き進め」と強く背中を押してもらった気がしました。
そんなわけで、今年2月末から3月頭にかけて、サンフランシスコに行ってきます。

年末、会社の方針が変わる

9月から10月にかけては、sonoを始める前に社内のVR事業の技術者を育てる意味を兼ねて、会社がスポンサーになっているスポーツチームがファンと交流するためのVRゲーム開発を行うことになりました。
私がゲームの具体的なシナリオや挙動を決めて、どんな技術を用いたら実現できるかを調査し、実際の開発は社内で次の案件が始まるまで待機していたメンバーをエンジニアとしてひとりアサインして開発を進めました。

開発に使えるエンジニアの工数は1人月。タイトなスケジュールでしたが、エンジニアさんにC♯とUnityを触ってもらうところから開始して、ビルドしたゲームをMeta Quest2で動かし、10月末にスポーツチームの試合会場にてファンの方にVRゲーム体験してもらうところまで企画して実施。
自社のVR開発事業で初めてのプロダクトを世に出すことができました。

「やっとこれでsonoを進める土壌が整った・・・!」
そう思っていたんですが。

VR事業部として次の戦略を考えよということで、sonoの次なる動きを発案すると、「それはどんどん自分でやっていってください。それとは別に、他の案を出して」と言われ。
J-StarXで採択されたことについての告知を会社のWebサイトに掲載して良いか尋ねると、「別にそういうアピールはしなくて良いと思う」と言われ。
そして、業務として行って良いかとお願いして応募したシリコンバレー研修に関しては「サンフランシスコ?そういえばそんな話があったね。それは有休を取得して行ってもらう認識だ」と告げられ。
なんだか、雲行きが怪しい。

年末最後の週、社長に「sonoは会社ではやらないんですか?」と聞いたら「そうです」と答えられました。
VR開発事業はやるけれど、sonoはやらない、と。

VR音楽プラットフォーム実現に向けて次の手を考える

私は今も、会社ではVR開発事業の責任者です。
私はsonoを実現させるために会社を移り、sonoを会社で作る条件としてJavaを覚えてIT講師業など社内の他の業務をこなし、研修事業のためのテキストの作成やその他の雑務もこなしています。
全ての行動の動機はVR開発をやるためではなく、sonoをやるためだったんですが。

でも、一年前は自分でも起業するつもりで動き回っていたので、会社というのがどういうものなのかは一応わかっているつもりです。
会社は社長のもので、経営判断は社長が行うものです。(細かいことを言うと株式会社は株主の持ち物ですが、うちの会社は社長が株を100%所有しているので、つまり弊社においては会社は社長のものです。)
会社というのは、社長がひとつのミッションを描き、集まった社員がそれを実現させるためにそれぞれの役割を演じる場所です。
だから、社長の考えているミッションとsonoのミッションが異なるのであれば、社員として会社に所属する以上、会社のミッションに従う必要があるということです。
IT新人研修の講義で「新入社員の心構え」といった題材のテキストを作る際にここ数ヶ月マネジメントに関する本を呼んで徹底的に調べていたので、こうしたことは余計に理解できます。

ひとつ言えるのは、自分が本当に実現させたいと思うことがあれば、その行末の決定権を他人に預けてはいけないということ。
仮にそれがよほど同じ方向を向いている仲間同士だったとしても、やはり自分で決めた道は自分で切り拓かないといけないな、ということを学んだ一年でした。

sonoのVRプラットフォームは、時間がかかっても必ず実現させます。
それが社会にとって必要だと真剣に考えているし、確信しているからです。
私は音楽制作を行なっている身ですが、大半の作り手が搾取されてプラットフォーマー側ばかりが大きな利益を得る世の中の仕組みにものすごく大きな疑問を持っています。
この社会の仕組みを変えるために、sonoをやろうと決めたんです。

誰か他の人の手の中でやろうと思っても上手くいかないということはよくわかりました。
それならやはりベンチャーキャピタルから資金調達する?それもひとつの手段かもしれませんね。
今考えているのは、sonoの理念に共感する人たちを全世界から集めて、音楽NFTを発行してDAO(分散型自律組織)を作り、会社など既存の中央集権的な枠組みから解き放たれた新しい時代のコミュニティを形成して実現に向けて動くことです。

将来的には音楽NFTでの販売も考えています。
NFTの仕組みで販売すると、例えば100枚限定の楽曲を販売した際に、転売された場合でも二次流通によるロイヤリティをアーティストに発生させることが可能になります。

VR音楽プラットフォームを作る、その前の準備。

1年以上前に考えていた上記のアイデアをさらに発展させたものです。
NFTを発行すると、そのNFTを所有しているということがブロックチェーン上の台帳に記録されるため、NFTの所有者でコミュニティ(即ち、DAO)を作ることができます。

sonoの実現を目指して集まった音楽ファンがNFTを購入してコミュニティへの参加権を獲得し。
コミュニティ内の投票でお墨付きを得られたハイクオリティな音楽NFTの楽曲がレーベルからリリースされて収益を上げ。
その収益を分配する形で、世界中からコミュニティに集まった叡智の力によりVR音楽プラットフォームを構築し。
プラットフォームの中でさらにクリエイターエコノミーを形成するとしたら?

この話を始めると、とてもひとつの記事では収まらないので、機会を改めてお伝えします。
2024年、また新たな躍進に向けて、前を向いて進むことだけを考えて行動していく所存です。

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