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ぼくらのFW22

こんにちは、藤原です。

只今絶賛ポップアップストア中です。
イベント詳細は前回のnoteをご覧ください。
竹内まりあさんばりに、”毎日がスペシャル”なんでお見逃しなく!

さてさて、今回のnoteはKUONの2022秋冬シーズンについて。
8月末のnoteに書いているのですが、この時は、ずばり「値上げ」について。
コレクションというよりはビジネスに関する話題を中心に書いてみました。
ぼくらの影響なんて微々たるものですが、少し反響をいただきましたのでお時間があればぜひ。

「ぼくらの値上げ」にも書きましたが、この秋冬(FW22)シーズンは

ときにシンプルで力強く、ときに繊細で複雑。
日本の伝統と洋服の起源である西洋の融合とでも言うのでしょうか。
KUONがずっと取り組み続けてきたこのテーマが大きく形になったのが、今シーズンではないかとぼくは思っています。

先日KUONを1stシーズンからお取り扱いいただいている青山にあるCIRCLEのオーナーさんとお話した際に「FW22はテーマのチョイスからして良かった。メインの”金継ぎ”は日本の伝統技術だけど、みんなが知っている訳ではない。それをKUONならではの解釈で表現しているのがとても素敵」と。
嬉しいですね。ありがとうございます。

FW22 KUON アトリエワーク

ファッションブランドには、毎シーズン「テーマ」を決めるブランドと、デザイナーが感じたことをテーマに捉われず展開するブランドの2つがあります。

どちらも素敵なのですが、KUONは前者、テーマを決めます。

ブランドがスタートした頃はシーズンテーマはなかったのですが、ニューヨーク・ファッション・ウィークに進出することになってからは、それが「世界のコレクションブランドの条件」ということで取り組んでいます。


FW22 イメージボードから

と言っても、デザイナーの石橋がその時に感じていること、興味のあること、表現したいことを「言語化」して、最適な言葉もしくはテキストに構築する。というプロセスは特定のテーマを定めないブランドも途中までは同じだと思います。

まあ、その「言語化」「最適化」がめちゃくちゃ難しいのですが。

FW22のテーマは


-Sen-
昨シーズンの『光』に続いて『無意識下で私達の認知能力に影響を与えるもの』にフォーカスしました。今シーズン着目した『線』は物事の境界を表す細長いスジ状のものを意味する言葉です。歌川広重は雨の降る様子を『線』で表現しましたが、家紋や伝統文様は自然の風景を『線』で単純化したものであり、さらには日本語には『線』を用いた比喩表現が多いことからもわかるように、日本人の表現活動において『線』は身近なもので重要な役割を果たしてきました。
雨が水面に形作る波紋、砂浜に打ち寄せる波、竹籠の編み模様など身近にある『線』が今コレクションの着想源となっています。また、コート・シャツ・Tシャツのスタイル名に含まれた『金継ぎ』とは日本の伝統的な陶磁器、漆器の修理技法です。修理した『割れ』『欠け』部分に金粉を用いた華美な装飾を施すことで、機能価値を回復するにとどまらず、『時間・歴史・持ち主の愛』を刻み込み、新たに『情緒的価値』を付与します。
器の『割れ』『欠け』さえ美しさに昇華する『わびさび』の精神を通して、KUONの多様性を尊重する姿勢を表現したコレクションです。

KUON  Fall/Winter 2022

まあ、良くここまで落とし込みましたね。畠山Dに拍手!

海外の人たちの中に入っても見劣りしないのが畠山D

さて、ここからは、今シーズン、個人的に好きなアイテムを3つピックアップしてご紹介したいと思います。専門知識なしの、いちKUONファンとして。

1.コーデュロイのジャケット

ひと言で言うと(畠山Dに怒られそうですが)
『和洋中、いいとこ取り、美味しそう。』
そうなんです、いいとこ取り。

KUONは古着などをデザインベースにすることは少なくて、パタンナー出身のデザイナーが、良いと思うパターンをいじりながら進めていくことが多いです。もちろん彼の頭の中には古今東西の古着のイメージはあるのですが。

アトリエチームが「あーでもないこーでもない」してます。

このジャケットは「羽織り」の要素と「チャイナジャケット」の要素を洋服に仕立てている。というのが「和洋中」だなと。
それを、"カジュアルというより、品のある表情のコーデュロイ生地"を使って、"動きやすいパターンのジャケットに落とし込む"
要素を抜き出して、言葉にするとゴチャつくのですが、服になるととても調和が取れている。
このバランスがとてもKUONらしいと思います。
同素材のパンツ、ショーツもあるのですが、セットアップで着ると本当に素敵です。
要するに『美味しい』は正義です。

2.ニットカーディガン

KUONは7年目なのですが、満を持してニットを発売しました。

テーラーでの修行から始まり、パタンナーとして洋服作りを色々と学んできた石橋も、ニットのデザインとなると別分野なので、今回ようやく自信を持ってお出しできるニットウェアが出来上がりました。

ここにもテーマである「金継ぎ」の要素が入っています。
『呼び継ぎ』というのですが、別の素材や要素を組み合わせることを言います。
今で言うところの「アップサイクル」ですね。
籠の目のようなバスケット、タックカノコ、両畔の3種類の編み柄を組み合わせています。つなぎ合わせる線はハンドステッチです。

金継ぎは割れたり欠けてしまった器などを修繕する技法
呼び継ぎはデザイン性がある物も多いですね

数ある専業のニットメーカーやニットを得意とするブランドとも違う、KUONらしいニットだと思います。

3.スカジャン(スーベニールジャケット)

スカジャンというと背中に虎や龍の刺繍があるのが一般的だと思いますが、KUONのスカジャンは刺繍が入りません。その代わりに本体を「藍染」「泥染」の天然染めするか、素材自体を「裂き織り」でつくるか。
どれもKUONではお馴染みな手法ですが、すべてが日本の伝統的な素晴らしい技術。

ぼくたちが嬉しく思っていることが、ここ数年はお客様が「サスティナブル」を気にしないで、「デザイン」で洋服を選んでいただける様になったことです。

例えば、「裂き織り」は盛岡の幸呼来Japan(さっこらジャパン)さんとの協業です。さっこらさんは障がい者支援事業として裂織りを行っています。また、裂き織りの素材は古くなって着れなくなった生地を使用したりします。

社会貢献であり、サスティナブル。

こちらも過去の記事で何度か話題にしています。

今回に関してはコレクション発表の時にこういった話題を出していませんし、SNSでも特に伝えてません。
ぼくたちのやってきたことが浸透して、信頼いただけて、それは当たり前だよね。ってなって来ているのだと思います。

良いものをつくる。という目的に向かって取り組むのであれば、それは常に対等でフェアであるべき、だからこそ信頼関係が生まれる。
結果として、皆が誇りを持って、皆がハッピーになる。
今、ぼくたちはそこを目指しているので、このスカジャンがたくさんのお客様に喜んでいただいているのが嬉しいです。

ベスト3いかがでした?
皆さんのお気に入りはありましたか?
FW22の商品はKUON オンラインストアでご覧いただけます!

寒い冬は好きではないですが、たくさんの洋服を着れるのが冬の良いところです。夏はTシャツ、短パンがベストですからね笑
四季のある日本をぜひお楽しみください!

最後に11月10日〜13日のKUON Flagship Storeでのイベントのご案内です。
ぜひお立ち寄りください!

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