elena

1979年生まれ、元公立中学校教職員、現ピアノ講師、家庭教師

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1979年生まれ、元公立中学校教職員、現ピアノ講師、家庭教師

最近の記事

レモンパイ

3学期に入り、みっきーや友美とは通常モードで、悪ふざけやパンの潰しあいをして過ごした。私たち3人はクラスで完全に浮いていた、女として…。 同じく2学期の後半くらいから、後ろの席だった千景とその友人、ミエちゃんと学校以外でも遊ぶようになっていた。グループは違うけど仲はいい、みたいなやつだ。 千景は運動神経が良くおしゃべりムードメーカー的な存在で、ミエちゃんを例えるなら…仲間由紀恵さんをぐっと高校生くらいにした雰囲気を持つ大人っぽい女子だった。綺麗なストレートヘアをいつも手入れ

    • 【死にたくなった時どうすべきか〜分からない】

      せっかく昨日で家庭教師の中学生の中間テスト期間中の指導が終わったというのに。 今日から通常モードで少しゆっくりしようと思っていたのに。 ピアノの練習も再開できるところだったのに。 現在家庭教師の仕事は、英数ほか1教科くらいの授業を1人あたり週2回、2時間ずつしているのだが、今回は発熱者が居たので、その生徒ちゃんのみ毎日3時間ずつ昼と夜に分けてオンライン授業をした。 こちらに英数以外の教材がほとんどないので、保護者にLINEでテスト範囲を送ってもらい、社会、理科と国語もプラス

      • 陰鬱な正月とお金で買えないモノ

        年末、12/29日頃になると、東京の叔父叔母が帰省してくる。この時を毎年楽しみにしていた。 叔父叔母がいる時は、唯一暴力沙汰が起きない平和な時だ。 叔母からのお土産も楽しみのひとつだった。田舎のデパートにはないヨックモックのクッキー、虎屋の羊羹、一人ひとりにもきちんとお土産を買ってきてくれ、祖父母も喜ぶ、私も佳子ちゃんと喜んだ。 年末30日に叔母と祖母がスーパーに買い出しにくる、私の立っているレジに。祖父はひらめの養殖場から大きなひらめと鯛を1匹ずつ買い、自分でさばいてい

        • 初めてのバイト〜女の生き方

          2学期の期末テストを何とか乗り越え、とりあえず殴られずに済む通知表を手に入れた。音楽以外、全てオール3、それでいい。 冬休みに入ると、マンションの隣にある比較的大きめのスーパーで生まれて初めてバイトをする事にした。 母には大学生活に必要なものを自分で買いたいから、と言ったらアッサリOKが出た。 高校はもちろんバイト禁止であったが、私の住む海側の地域と高校のある山側は地域は学区も何もかも違うのでバレないだろう。 今のようにバーコードでスキャンする時代ではない。全ての商品の値

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          雨の日の登校〜車好きな女

          私の住んでいたマンションから高校までは自転車で約25分、山の頂上にできた学校だったので行きがしんどい。ノロノロ行くと30分近くかかる。 帰りは坂道を猛ダッシュでくだり、そのまま帰ると約15分。でもそれらは晴れの日だけだ。 2つも3つも離れた市町村から5%入学してきた生徒は電車通学がほとんどで、不便な山の上なのでバスも止まらない。 それより更に山奥に住んでいた生徒は、朝早くお父さんかお母さんの出勤に合わせて車で送ってもらっていた。 電車は同じ市内なのに、超ド田舎のローカル線

          雨の日の登校〜車好きな女

          バンドがしたい年頃〜高1ver.

          Tにフラれてから、余計好きになった。冷たくされればされるほど好きになってしまう。中学の時もそうだった。変な癖だ。 文化祭ではMy Little Loverの“Hello again″がずっと流れていた。 私はジュディマリと小室哲哉さんのつくる音楽にドハマりしていた。 ジュディマリのYUKIのファッション、高音キーの歌い方、顔、全てが好きで、バンドのスコアを購入した。 吹奏楽部の練習そっちのけで、部室でひたすらドラムの練習をしていた。ドラムがべらぼうに上手い2年生の女の先

          バンドがしたい年頃〜高1ver.

          失恋と感情移入

          中学時代、あれほど好きで好きで仕方なかったミッちゃんとは高校が別になり、ハイおしまい。 女ってのは潔い、コレはコレ、アレはアレ、過去は振り返らない。(人によるのだろうが) よく男は過去付き合った相手を引きずったり〝名前をつけて保存″し、いつまでも自分のことを好きだと思っているフシがある。何年かぶりにたまたま再会しても、おうお前さぁ…みたいな…いや、もうあなたの彼氏でも何でもない、赤の他人ですから!とこちらは思う。勘違いも甚だしい。でも仕方ない、そういう生き物なのだから。

          失恋と感情移入

          誤算〜バカの相場〜

          定期テストのたびに、なみなみのブラックコーヒーが毎晩1時間おきに運ばれてくる〝コーヒー地獄″は続いていた。 (過去記事:コーヒーという名の薬参照) 理由はバカだから、すぐ寝るから。 そうか、そんなにバカなんだ、わかった、バカならバカらしく生きよう。 高校に入ってから、勉強してもしてもちっとも成績が上がらない、現状維持で精一杯だった。テスト前になると親友のみっきーも友美もかおりんも、みーんなガリ勉しているように見える。 そっか!みんなセンター試験受ける組なんだ、そりゃ勉

          誤算〜バカの相場〜

          レズビアン疑惑

          遠回りをしたが学校の話に戻ろう。 ブロッコリーフケ頭のみっきーと、同じパーカッション仲間になった友美と毎日毎日大笑いして過ごしながら、左隣のオシャレでギャルなユキちゃんを観察し続けた。 授業中、ほんのり甘いバニラの香りがしてくる。1番前の席…間違いなくユキちゃんの方角からだ。昔から美しく綺麗なものを眺める事と匂いフェチだった私は、ユキちゃんが休み時間に唇に塗っていたリップを見せてもらった。 『THE BODY SHOPのだよ、色んな匂いのがあるよ、この辺にはないけれど…

          レズビアン疑惑

          宗教と罪悪感

          さて、家の話に戻ろう。 母が当時どハマりしていた新興宗教を祖父母は嫌う一方、母の宗教への熱は更に高まった。 〝家から家へと伝道する″活動も積極的にしており、私も何度か連れて行かれた。信仰心もないのに連れて行かれるのは心外だった。それに友だちに見つかる事が何よりも恥ずかしかった。 高校1年になってしばらくすると大好きなおばあちゃんから 『レナが集会に行ったり、アレ(母の事)に付き合うのなら、もう私はレナを守らない、孫だけれど縁を切る。うちにも来るな。それが嫌ならもう集会へ行

          宗教と罪悪感

          母と読書とタバコ〜高校ver.

          ここまで色々と読んで下さった方の中には、私の母について興味がある人もいるかもしれない。 一度きちんと書いておこう。 母の教育は、小さな頃から勉強はそこそこ、ピアノだけは必ず弾け、本を読め(純文学のみ)テレビはNHKか教育テレビ、BSのみ。漫画は池田理代子氏のものだけ。音楽はクラシック音楽とプレスリーとデイビットボウイのみ、皇室万歳、の徹底した〝偏向教育″の極みであった。 それ以外はほぼ全てNGだ。 許可を得るためには母を納得させるための壮大なプレゼンテーションをしなければな

          母と読書とタバコ〜高校ver.

          【おそるおそる…X再開の心境報告】

          1カ月と少し待って、以前のアカウントが完全に消えるのを待ち、Xを再開した。 アカウント名だけ変え、このnoteのネームにした。 以前はピアノ垢的なところに居たが、そちらをとある事情で辞め、全然違うカテゴリで。 (詳しくは過去記事:ストレスとデトックス参照) DV被害、ネグレクト、虐待サバイバー、現在何らかの生きづらさを感じている人に〝少しでも見てもらえたらいいな″と自分でもおこがましいと思いながら、繋いでみた。 このnoteを教えてくれたミレイちゃんに1番先に報告した。

          【おそるおそる…X再開の心境報告】

          ルーズソックスとスカウトの嵐

          このタイトルに飛びついて開いた方、いらっしゃい(笑) 高校時代、竹下通りで芸能事務所からバンバンスカウトされました〜!なんて、そんな話しではない。(世間はそう甘くはない) なーんだ、違うのかよ!と読む気を失った方はどうぞ退室してくれ。 私が高校生になった頃には完全にバブルがはじけ、コギャルの時代へ突入していた。小6の頃から憧れていたボディコンのお立ち台のお姉さんたちはどこへ行ったのだろう…。 高1の時点でスミスのルーズソックスなんて地方には売ってなかったが、ルーズソックスも

          ルーズソックスとスカウトの嵐

          高校でキャラ変

          私が進学した高校は、同じ中学からは全く人気のない、隣の学区の山の上にできてまだ10周年くらいの新設校だった。同じ中学からは14名しか進学しておらず、偏差値高めの英語科ではなく普通科にそのまま進学した。 地元の母も叔母も通った進学校は少し厳しいかもという理由で〝ワンランク落とした″つもりだったが、その認識は非常に甘かったと後で知る事になる。 学年は200人、A組からE組の5クラスで、E組だけが少しだけ偏差値の高い英語科であった。 1年C組、誰も同じ中学出身の者はいない。さ

          高校でキャラ変

          【音楽では食っていけない厳しさ&家庭教師の仕事】

          先日、ずっとピアノを教えていた小学生の生徒さんが1人退会された。今まで教えてきた生徒さんの中でも、とても見込みのある伸び代がある女の子だった。親御さんから連絡があり、塾と新たに始めた習い事が忙しくなったので…という理由であった。 とても悲しく寂しくなった。 この時期、学年が変わり毎年3月〜5月にかけて出入りが激しい時期でもある。仕方ない。 ピアノという習い事は、やはり学業の後にくる優先順位が極めて低い。 皮肉なことに、本業のピアノ講師の仕事よりも副業的にしている家庭教師の

          【音楽では食っていけない厳しさ&家庭教師の仕事】

          走馬灯

          卒業式の2日後、公立高校の合格発表日だった。 予想通りというといやらしいが、合格していた。すぐに私立高校2校を辞退する手続きを母がしていた。 中学校の先生からは、合格者全員に『素行が良くないと合格取り消しになる事もあるので、くれぐれもはしゃぎすぎないように』という通達があった。入学式は4月に入ってからだ。 それまでは卒業しても身分は中学生というわけだ。 塾で隣の席だった仲村くんは、私が1番最初に進学希望を出していた高校が不合格であった。彼は隣の市の別の高校の二次試験を受け

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