マガジンのカバー画像

ちはるのファーストコンタクト

ファーストコンタクトは相互理解への第一歩。このマガジンでは、私が考えていることの第一歩をできるだけそのままの形で公開していきたいと思います。話題は、アドラー心理学、教える技術、研… もっと読む
毎週月曜と金曜にブログを書いています。それ以外の曜日では、過去記事の切り抜き、質問受け付け、本の紹… もっと詳しく
¥500 / 月
運営しているクリエイター

記事一覧

【本】久坂部羊『人はどう死ぬのか』:死に方を考える

2024年5月23日(木) 久坂部羊『人はどう死ぬのか』(講談社現代新書, 2022)をKindle Unlimitedで読んだ。那智勝浦への遠征の友であった。 Unlimitedで提供される本は玉石混交だけれども、この本のようにたまに良い本に出会うので、そのこと自体が楽しい。リアル書店にいって、足の向くままに書棚を眺めているのに似ているかもしれない。お勧めリストを眺めるのを楽しめるならそれもよし。何か目的があって検索するのもよし(例えば「論語」を検索すると本当にたくさん

【質問】本を読むときどんな風に読んでいますか

2024年5月22日(水) 質問は「マシュマロ」からお送りください。匿名で送ることができます。 質問先生は本を読むときどんな風に読んでいますか? もし作られているなら、メモやレジュメの作り方なども教えていただけると嬉しいです。 回答最近はKindleで読むことが多いです。iPhone上のKindleアプリで読みます。Kindle端末に比較するとiPhoneは画面が小さいのですが、まったく問題ありません。電車で座れたときはサッとiPhoneを取り出してKindleアプリで

【アドラー教科書】(6) よく生きるための科学

2024年5月21日(火) ここまで『アドラー心理学の教科書』を書くとしたらどのような構成にしたらいいかということを、先人たちの本を参照しながら考えてきました。その結果、暫定的ではありますが、以下のような14章構成で進めていこうと思います。 [1] 導入:よく生きるための科学 第1部:ライフスタイル(自己覚知) [2] ライフスタイルの形成、所属、劣等感 [3] ライフスタイル類型、家族布置 [4] 早期回想によるライフスタイルの推定 [5] ライフスタイルの実

反転授業の設計と実践(Part 5 完結)

2016年12月31日 ■質疑応答司会 それでは、向後先生、あと、ご参加いただいた先生方、ありがとうございました。これから10分ほど質疑応答があります。せっかくの機会ですし、このような、まさに発表、プレゼン、われわれが学生に促しているものを体験してみて、そこから活用できないかと考える機会ですので、先生のほうから、まずフロアのほうに、何かご質問など、何かあれば投げかけていただいても結構ですし、フリーでも結構かと思いますが、どちらがよろしいでしょうか。 向後 では、フリーでお

【考え】自分の仕事を「体系」の一部として見ることができるかどうか

2024年5月20日(月) 5月7日(火)は茅場町で研修を3時間半で行った。参加者は研修講師を中心に17人。3時間半は、「もう少しやりたいな」と思うところで終わる長さなので、ちょうどいい感じだ。 教えるときに大切なことから始めて、評価アンケートの実施まで一通りを話した。これは今書いている『教科書』の内容なので、私にとっては復習的なものになる。 参加者の感想を聞くと、「すでに自分がやっていることもあり、新たに気づくこともありました」という。それが平均値だろう。実際、長年講

反転授業の設計と実践(Part 4)

2016年12月31日 ■グループワーク「グループワーク形式を使うとしたら」 ではここで、2回めのグループワークにいきたいと思います。「もし、皆さんが自分の授業の中でグループワークの形式を使うとしたら、どのようなものにしたいですか」ということを考えていただいて、先ほどと同じように、シェアしていきたいと思います。次は、ブルーのポストイットです。では、2分間で考えをまとめていただいて、書いてください。 向後 はい、どうもありがとうございました。それでは、またサイコロを振ってい

【雑談】記念品や日記はなかなか捨てられないが

2024年5月19日(日) まだ早いと言われるかもしれないけれども、研究室の店じまいとして少しずつ片付けをしている。いずれにせよ来年の3月末には空にして部屋を渡さなくてはならないし、今は授業とゼミのある月曜日にしか研究室に来ないので、それほど片付けの機会は多くないということもある。 捨てられるものはどんどん捨てている。しかし、記憶に残るものはなかなか捨てられない。たとえば、ゼミ生たちからもらった記念の品々や写真、昔の日記など。どうしようか。 日記は大きな段ボール箱1箱分

反転授業の設計と実践(Part 3)

2016年12月31日 ■グループワークの設計 以上のように、eラーニングは非常に可能性があります。そうすると、eラーニングに任せることができる部分がどんどん増えてくると思います。その一方で、では教室の中でどのようにするのかという話になってくると思います。  次はグループワークです。実習系の授業やパソコンの実習はもともとグループワークを使っていると思いますが、そうではない座学として設定されたような授業でも、グループワークを作っていくことを考えたいと思います。ポイントは、グ

【ブログ】Zoomミーティングで直接質問を受けることの意味

2024年5月17日(金) eスクールの科目「スタディスキル」と「データリテラシー1」の受講生を対象としたZoomミーティングを月一回設定している。先日、その1回目を行った。それぞれ1時間で、30人ほどの学生が参加した。 最初に4-5人の学生をサイコロでランダムに当てて、近況報告をしてもらう。そのときどこにいるかも言ってもらうのだが、練馬もあれば、カリフォルニアもあり、ということでこれがeスクールらしい。 残りの時間は質問を受け付ける。時間いっぱいまで質問が出てくる。W

【本】イアン・パーカー『ラディカル質的心理学―アクションリサーチ入門』:(3) インタビューとナラティヴ

2024年5月16日(木) 2021年9月19日(日) イアン・パーカー『ラディカル質的心理学―アクションリサーチ入門』を紹介しています。前回の記事では、アクションリサーチの方法としてエスノグラフィを取り上げました。今回は、インタビューとナラティヴについて取り上げます(言説分析と精神分析については省略します)。この本の紹介は今回で最終回となります。

【質問】別領域の修士課程に再度入学するのはおかしいか

2024年5月15日(水) 質問は「マシュマロ」からお送りください。匿名で送ることができます。 2022年11月10日(木) 質問先日、社会科学系の修士課程を修了しました。今後の進路のことで悩んでいます。ぜひ向後先生にアドバイスをいただきたいです。

【アドラー教科書】(5) 21世紀のアドラー心理学の教科書の構成

2024年5月14日(火) ここまで、アドラー心理学の入門書の構成をいくつか示しながら、その特徴を紹介してきました。それを踏まえて、21世紀のアドラー心理学の教科書を書くとしたら、どんな構成が考えられるでしょうか。以下に私のアイデアを提示してみました。 1) イントロ:よく生きるための科学 第1部:ライフスタイル(自己覚知) 2) ライフスタイルの形成、所属、劣等感 3) ライフスタイル類型、家族布置 4) 早期回想によるライフスタイルの推定 5) ライフスタイ

【考え】教える仕事についている人のための塾

2024年5月13日(月) 今年度は、教える技術オンライン研究会はお休み中だが、教える仕事についている人のための塾を開くのは良いかもと思った。一種のオープンカウンセリングのように、教えるに際しての困りごとを参加者の見ている前で扱っていくという方法だ。

反転授業の設計と実践(Part 1)

2016年12月29日 反転授業の設計と実践  ……学習効果を高める授業設計の工夫……向後 皆さん、こんにちは。早稲田大学の向後です。よろしくお願いします。今日は反転授業のお話をしていきたいと思います。 ■反転授業とはどんな授業か 「反転授業」というのはどのようなことかという話ですが、今までは対面授業をやってから宿題を出すという形でした。皆さんも宿題を出されるかもしれません。しかし、大抵の学生は、宿題をやりません。それならば宿題はやめよう、と。  そうでなく、あらかじめ