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二人目QAオンボーディングでやったこと わかったこと

はじめに

こんにちは。ログラス社という経営管理SaaSで一人目QAをしております、コタツと申します。皆さんいかがお過ごしですか?わたしは今年の夏は糠漬けにハマって、見切り品の野菜を買ってきて漬けては食べる毎日でした。

ところでログラスには二人目QAとして大平さんが入社し、ついにQA二人体制となりました!🎉 ログラスからたくさんの入社エントリが出ているので、今日は大平さんを迎え入れるにあたりやったことをご紹介できればと思います。大平さんの入社エントリはこちら↓


オンボーディングの動機

いや、そもそもオンボーディングに動機なんて必要ありますか? と言いたいところですが、まず前提をお伝えいたしますと、ログラスは全社で採用に取り組んでいます。私もスカウトしますし、エンジニアもカジュアル面談から面接まで行っています。全員で採用に本気で取り組み、事業の成長に対して責任を持って進めています。なので、必死で採用した人に対してオンボーディングをしないなんてありえないと思っています。

この記事に詳しいのですが、「すべての採用プロセスに愛を持って活動することの大切さ」みたいなことを語っているところが特に好きです。

すいません、若干横道にそれました。あえてオンボーディングの動機を上げるとすると、以下の3つがあります。

狙い①:採用プロセスだけでなく、入社後の体験も含めて採用プロセスに愛を持って活動したい

色々な角度からアプローチしてやっと勝ち取った内定でした。また、当たり前のことなのですが、上記記事における「すべての採用プロセスに愛を持って活動する」というところを拡大解釈すると、入社後の体験も含めて採用プロセスですし、そこも含めてやっていきたいと思ったためです。

何故そんなことを思ったのかと言いますと、今までQAは一人だった上、エンジニアのオンボーディングについてはエンジニアから実施しているため、わたしが主体となってオンボーディングを行ったことが無かったという背景があります。

狙い②:入社者の懸念点を解消し、入社後にバリューを発揮できるようにしたい

大平さんの内定承諾から入社まで半年間と結構期間があくことが確定していました。また、大平さんが文脈を大事にしていることは把握していたので、大平さんの気になる部分をまずインプットして行って、大平さんが安心して働ける・入社して即バリューを出せるようにしたいと思いました。

狙い③:オンボーディングを通じて組織品質の向上をしたい

組織品質は品質富士山というわたしの編み出した独自概念における土台の部分に当たります。組織品質とは開発組織内/開発組織外(つまりプロダクトチームを中心とした会社全体)とのコミュニケーションの円滑さ等を想定しており、そのコミュニケーションの円滑さはドメイン理解、組織カルチャー理解、組織の文脈理解などの要素によって構成されていると思っています。この組織品質という土台が揺らいでいると、プロセスの品質低下を招き、最終的にサービス品質も低下してしまうリスクがあると思っているので、オンボーディングをちゃんとやりたいと思いました。

※私の編み出した独自概念、品質富士山です。後述します

何をやったのか

狙い①に対しての打ち手

主に、私個人だけではなく、組織全体をオンボーディングに巻き込むことを心がけたことが結果に繋がったと思います。具体的に何をしていたのか以下で紹介していきます。

オンボを私の個人OKRに掲げた

そもそも私は人生で始めてこの規模のスタートアップに入り、初めて一人目QAをやっています。QAチームを立ち上げたこともなく、何もかも初めてです。とりあえず、「大平さんとマブになる」を目標に、大平さんの入社までの不安をなくすことを自分のOKRに掲げて活動しました。
ログラスでは、マネージャーとOKRの進捗確認を週1で行っています。週1の定点観測時に大平さんのオンボについて懸念点があった場合、ヘルプを出しやすく、マネージャーを巻き込んで活動することができました。

個人のOKRにオンボを掲げることで、マネージャーだったり所属チームだったり、組織全体を巻き込みやすくなりました。自然とチームでの協力体制が作られたので、やりやすくなったと思います。

オンボーディングをPJ化

ログラス社内ではNotionを活用しており、PJ DBというものを作れるようになっています。そこで大平さん入社PJというページを立ち上げ、かんばんでオンボーディングタスクや話のネタを管理して、週1回、私と私のMGRと大平さんで2on1をしつつ、タスク消化を行っていました。

めちゃめちゃフランクにはなしたいことをDBに貯めていました。個人名は伏せてあります
ログラスでは議事録文化が浸透しています。
毎回、大平さんと1on1する際は議事録を作成していました

上の話のネタの一覧を見てわかると思うのですが、2on1で話すことは本当に様々でした。ときには業務的な話もしますし、あるときはログラスとは全く関係なく共通の知人がいることが発覚し、その方を交えて飲みに行ったりもしました。

補足:
時間を割いていただく関係上、業務委託契約の締結をした上で実施しています。

狙い②に対しての打ち手

文脈と一口に言っても様々な切り口があります。様々な文脈を理解する機会だったり、そもそもその文脈が生まれるタイミングに同席してもらうことを意識しました。

オフラインでの交流

ログラスはオフラインイベントが盛んです。お寿司パーティー、肉パーティー、全社キックオフ等、様々なイベントがあるのですが、可能な限り参加してもらうようにしました。ビジネスサイドの状況、販売戦略、プロダクトのコンセプト、ペイン、お客様の生の声など文脈の認識を揃える効果も大きかったと思います。

QAのミッション・ビジョン・バリューを一緒に考える

大平さんが入社前の段階で、一緒にミッション・ビジョン・バリューを考えました。こちらのnoteに詳しいです。(品質富士山についての詳細もこちらのnoteに書いてあります)

このおかげで、言語化されていなかった価値観がバッチリ擦りあったと思います。おかげでかなりマブになれました。

狙い③に対しての打ち手

リーンキャンバス、サービスブループリント

プロダクトに対する理解を深めるため、まずプロダクト・事業・サービス全体の概要についての認識を揃える必要がありました。Howについては大平さんに提案いただいて、私と大平さんでリーンキャンバスやサービスブループリントを一緒にワークしてみました。すると、改めてわざわざ言うことでもないと思っていたことを共有するきっかけとなり、今何故このようなやり方になっているのか、等を把握する背景情報として結構重要だったということがわかりました。

また、大平さんのオンボーディングを通じて組織品質を向上するためには、仕組み化する必要があると考えました。後述します。

結果

直接的な効果

今回のオンボーディングの結果、大平さんの入社後の滑り出しとしてはかなり好調な結果になったんじゃないでしょうか。事実、入社後、即配属先チームのスクラムイベントの整理をされたりなど、即バリューを発揮していただいています。多職種も交えた飲み会でも顔が売れているのを観測しております。

思い返すと、私の力不足だったり様々な要因で、正直に言うと大平さんの内定承諾時は受け入れ態勢が十分に作れていませんでした。ですが、オンボーディングのPJ化をして定期的にお話をしていく中で、入社後の期待値・動き方についてもすり合わせることができ、無理のない受け入れ態勢が作れたと思います。オンボーディングをしていた当時、入社が遠くて何回も心折れそうになりましたが笑、今から考えると入社までに猶予があって結果的に良かったなと思っています。

仕組み化

n=1でしたが、今後開発チームに配属となるメンバー全員に対して何を伝えるべきなのか、必要なコンテンツが整理できました。整理できたので、全社の研修コンテンツや開発チーム全体の研修コンテンツに還元することにしました。今後入社される方については、以下のようなオンボーディングコンテンツが入社時に説明されるようになりました。

  • プロダクトとサービスの概要

    • ペイン、解決したい課題、マーケットの状況、想定顧客 等

  • ビジネス的な文脈

    • 販売戦略、ユースケース、機能紹介、プロダクトビジョン 等

  • 組織的な文脈

    • 開発組織の前提、歩み 等

  • 開発にあたっての具体的なはなし

    • 開発フロー、システム図、各種運用フロー 等

※このなかにいちばん重要なドメイン理解が入っていないですが、ドメイン理解についてはこちらの記事が詳しいです。

わかったこと

オンボーディングにおいての最も避けたい事象は「ビジネス的、組織的、ドメイン的な文脈や理解・背景が同期できず、組織に馴染めず早期退職に至る」だと思っています。早期退職まで行かなくても、上記のような原因のためチームの生産性を下げる結果になってしまうことも避けたい事柄の一つです。このようなことが発展していくと、プロダクトやサービスの品質も低下する要因となりえます。だからQAの役割の一つだと思ってOKRにも入れて取り組んだわけですが、上記のように、お伝えしなければいけない情報が多岐にわたるということがわかりました。

品質富士山における一番下の茶色い部分は、まるっと「組織品質向上」書いてありますが、要素分解すると複数の要素に分かれていて、これらをいかに効率的に、抜けもれなくお伝えするかということがやりたいことだったと気づきました。
繰り返しになりますが、カルチャー・組織文脈が前提としてあり、その上でビジネス的文脈の理解とドメイン理解ができていて、初めてチーム内外・開発組織外とのコミュニケーションが円滑になり、コミュニケーションの品質が一定担保される状況になると思っているからです。今回はカルチャーマッチ、組織文脈理解、ビジネス的文脈理解に対してのオンボーディングコンテンツを考案し実行した形になります。

品質富士山の一番下、組織品質のブレイクダウン

今後やりたいこと

弊社デザイナーの書いた記事を貼ってサラッと流したのですが、ドメイン理解についてはまだほぼ手つかずの状態のため、ここに関しても強化していきたいと思っています。まだまだ道半ばですが、新たに入られた方が爆速でバリューを出せる組織・体制を目指して行きたいです!

We Are Hiring!

いかがだったでしょうか。同じ志を持った方や、もっと知りたいと思った方など、是非カジュアルにお話させていただければと思います。

過去の記事と、QAの求人もよろしければ参考にしてください。よろしくお願いします!

読んでいただきありがとうございました!

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